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(回答先: [アングル]総選挙で圧勝の小泉自民、対民主の批判キャンペーンにも新手法 【ロイター】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 9 月 12 日 05:10:01)
「小泉流」ここに極めり、人事権を自在に駆使、流れ決める−強運も (ブルームバーグ)
2005年9月12日(月)04時37分
9月12日(ブルームバーグ):296議席と勢力を大きく伸ばし、単独で絶
対安定多数を確保した自民党。小泉純一郎首相(党総裁)のリーダーシップのも
と、「改革」をアピールし、民主党の票田だった都市部の無党派層をも取り込ん
だ。小泉首相は、「改革の本丸」と位置付ける悲願の郵政民営化法案の成立に道
筋を付け、「自民党をぶっこわす」と打ち上げた党内派閥の弱体化も実現。自民
党を大きく様変わりさせた。小泉流ここに極めり。小泉首相の軌跡を検証する。
人事権の掌握
小泉政権の真骨頂といえば官邸主導の「トップダウン」の政権運営。自民党
内からの異論反論に耳を傾けることなく、配下の竹中平蔵経済財政政策・郵政民
営化担当相が切り盛りする経済財政諮問会議を土俵に、郵政民営化をはじめとす
る懸案を推し進めてきた。財務省幹部は、そんな「官高党低」の構図の背景に、
小泉首相による人事権の掌握があると見る。
小泉首相は、内閣人事では、各派閥による推薦を無視して自ら人選に当たっ
た。派閥を問わず、党や内閣のポストを確保しようと思えば、官邸を敵に回すこ
とはできない。小泉首相本人も、内閣やポスト小泉の人選に当たって「郵政民営
化法案に賛成か反対かで判断される」などと発言。自らの方針に従うかどうかを
「踏み絵」に人事権を行使する考えを折々にアピールしてきた。
今回の衆院選での造反組への対応は、「独裁」とまで呼ばれた。小泉首相は、
「郵政民営化に反対する者とは決別して新しい自民党を目指す」と述べ、郵政民
営化法案に反対票を投じた37人を公認しない方針を早々と打ち上げた。結果、
3人が引退・不出馬を決め、無所属で出馬した27人のうち12人が落選。離党し
新党を相次いで立ち上げた7人も3人が涙をのむ結果に終わった。
自民党が苦戦すればキャスチングボートを握ることもできた造反組も、少数
の影響力を駆使することもなく政界での埋没は避けられない。「従来型の自民党
政治であれば、戦い終わればいつの間にか談合して敵味方一緒になってやってい
たが、転換期にある今は、ひとつの物事に決着をつけないと次に進めない」。公
明党の神崎武法代表は、自民党内の「純化現象」をそう解説している。
向かうところ敵なし
造反組に対する刺客作戦が大々的にマスコミに報じられるなかで、続々と有
力政治家が引退し、世代交代がさらに進んだのも今回の衆院選の特徴だ。自民党
で引退・不出馬を決めたのは、造反組の3人を含む13人。旧橋本派の領袖だっ
た橋本龍太郎元首相は、比例代表からの出馬に意欲をみせたものの、党執行部が
比例単独での擁立に難色を示したため出馬を断念した。
田中派、竹下派と続く経世会の流れをくむ保守本流の旧橋本派は、日本歯科
医師会からの1億円ヤミ献金事件の発覚を機にその影響力はちょう落。2004年7
月、橋本氏が会長職を辞した後も後継を決められない事態が続いている。1972
年の「角福戦争」で、田中角栄元首相に敗れた福田赳夫元首相の愛弟子でもある
小泉首相が、30年以上の時を経てその恨みを晴らしたとも言える。
非主流の象徴的存在だった亀井派の亀井静香会長も、会長職を辞したうえで
党を離党、派閥自体も分裂状態に陥った。小泉首相に苦言を呈してきた青木幹雄
参院議員会長も、参院自民党をまとめることに失敗し、郵政民営化法案の否決を
許したことで影響力は失速。郵政民営化を機に、小泉首相の行く手を阻む勢力が
揃って弱体化し、「向かうところ敵なし」の勢いだ。
政治家の天性
祖父の代から続く政治家一家の3世でもある小泉首相は、折々に国民の心を
掌握する天性の勘も発揮する。尊敬する人物は、幕末の混乱期に自らの信念を貫
き通した吉田松陰。郵政民営化の実現という「信念」を堅持することで国民の支
持を確実なものにできるとの計算から解散・総選挙に踏み切った。結果として、
支持率は上昇、自民圧勝の形で勝利を手にした。
「改革」を連呼することで、懸案の外交や安保保障、憲法改正などの懸案か
ら国民の視線をそらせた戦法も小泉流だ。靖国神社参拝に否定的な公明党との選
挙協力維持のため、「靖国参拝は選挙の争点にしない」と宣言。12月に期限切
れとなる自衛隊のイラク派遣の延長問題についても公明党に配慮し、明確な論戦
は避けた。公明党が慎重な憲法改正も同様だ。
勢いにのる小泉首相は、市場をも見方につける運の強さをみせた。衆院解
散・総選挙によってトリプル安が予想されていた市場は、景気の回復基調の中で
良好な足元の景気指標の影響もあり安定的に推移。選挙直前の9日の日経平均株
価終値は、1万2692円と年初来初高値を記録し、「改革なくして成長なし」と
する小泉首相の改革路線の継続を前向きに予測した。
今回の選挙での圧勝ぶりに「予想外」と控えめな感想を述べた小泉首相は、
「国民が改革を続けてほしい、郵政民営化賛成ということを示してくれた賜物
だ」と述べ、次期国会に再提出する郵政民営化法案の成立に自信を示した。一方
で、年金改革や税制改正は次期政権の課題として先送り。最後にその天性を発揮
させるのは、早くも高まっている任期延長に向けた決断かもしれない。
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 下土井京子 Kyoko Shimodoi kshimodoi@bloomberg.net
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext.html?id=12bloomberg31aClH1MNmgS3M
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