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過重な基地負担に悩む沖縄の現実
http://www.janjan.jp/column/0509/0509242899/1.php
米軍基地の撤去を求め続けている沖縄で、米軍基地に関する2つの動きがあった。その一つは沖縄対外問題研究会主催のシンポジウム「米軍再編協議へ向かう沖縄の論理」、もう一つは都市型戦闘訓練施設に反対する抗議集会である。いずれも全国の75%という過重な基地負担に悩む沖縄の現実を物語っている。
閉鎖できる米軍普天間基地
抑止力の効果もなく、海兵隊は海外へ
シンポジウムは9月23日午後2時から那覇市内の沖縄大学で開かれ、パネリスト4人がそれぞれ発言したあと、会場からの質問に答えた。野次もなく、参加者約100人は熱心に聞き入っていた。
最初に発言した琉球大学の我部政明教授は「普天間のヘリ基地の存在は、軍事的な合理性がない」と、具体的な事例としてイラク戦争で7カ月以上も沖縄を空けたことなどを挙げて説明した。朝鮮半島や台湾海峡での有事的な対応を主張する声があるが、米軍はいきなり戦争を開始するのではなく、半年とか1年の準備期間をおいている。となればヘリ部隊は必ずしも普天間にいる必要はない。軍事戦略が政治を決めるのではなく、軍事戦略は政治が決めるものであるので、政治主導で閉鎖することができる、と主張した。
極東一の米軍飛行場を抱える嘉手納町の宮城篤実町長は「私には日米安保や地位協定についての交渉の権限はないが、常に町民の立場を優先させながら、次の策を考えていくことにしている。その一つとして嘉手納基地の使用協定に取り組んでいる。普天間基地の嘉手納基地への暫定移駐の話があるが、絶対に受け入れることはできない。振興策という餌で釣ろうなんていうのはとんでもない話だ。今の最悪の状態をただちに解除することが絶対に必要。将来改善するというのは了解できる立場にない。今の基地も運用改善で済むものではない」と述べた。そして「あくまでも町民の立場で問題解決をする」との発言には会場から拍手が起こった。
県政参与の比嘉良彦氏は「新たな基地負担を認めない。普天間飛行場の早期閉鎖、辺野古沖の代替施設建設中止の主張の趣旨には異論はないが、その実効性をどう担保するか、という問題がある。これまでの経緯をどうとらえるかが課題である」と指摘。今は沖縄の基地問題の混乱期にあると説明した。海軍力増強の観点からホワイトビーチが増強されるのではないか、と問題提起した。
沖縄大学の新崎盛輝理事長は「普天間飛行場の移設先についてベストとしては県外。しかし――と続く。「なぜベストを尽くす努力をしないのか、と問われなければならない。県内移設に利益を見出している勢力が、逃げ道を設定しているのが大きな問題だ」と強調した。そして「今回の米軍再編も、沖縄の負担軽減を口実に日米同盟を強化する狙いがあり、自衛隊を米軍の世界戦略の傘下におくという方向が追求されている」と指摘した。
このシンポジウムは米軍基地再編の中間報告が10月から11月にかけて行われるので、沖縄側からの提言を狙ったもの。主催の沖縄対外問題研究会の宮里正玄代表ら12人は2月18日付けで、小泉首相とブッシュ大統領に「在日米軍基地再編協議に臨む日米両政府に対する要求書」を提出している。
また、朝日新聞社発行の雑誌『論座』(2005年9月号)に宮里政玄代表ら5人が共同執筆した論文「軍事基地の負担軽減を求める沖縄の論理」を英訳し、国防省に提出している。
都市型戦闘訓練施設に反対する抗議集会
金武町伊芸区、移設決定で487日目の区切り
米海兵隊基地キャンプ・ハンセン内のレンジ4に建設された都市型戦闘訓練施設に反対する金武町伊芸区の早朝抗議集会が24日午前6時40分から、同基地の第1ゲート前で開かれ、儀武剛町長や池原政文区長をはじめ住民ら300人が参加、基地に向かって「訓練場の使用は許さんぞ」と気勢をあげた。
天候に関係なく行われた早朝の抗議行動は487日目。参加者は延べ2万5000人に達した。日米両政府が施設移転を決定したので、とりあえず抗議行動にりと区切りをつけることにした。
あいさつに立った池原区長は「日米両政府は、反対行動は一時的だという誤算があったと思う。小さな地域から始まった地道な運動が県民、国民の共感をえて大きな山を動かした」と述べた。また区民の労をねぎらい、感謝の言葉を繰り返した。続いて儀武町長は「強い意志でノーはノーと言えば、どんな大きな壁も崩せることを伊芸区の運動から学んだ」と住民を讃えた。
その後、基地に向かって「暫定使用も許さんぞ」などと、シュプレヒコールを繰り返して午前7時30分ごろ終わった。明日からは有志の人々が連続して抗議行動を展開する。
同施設は集落から300m、沖縄自動車道から200mしか離れていない。訓練に使用する銃器は銃身が短く、1000mの殺傷能力があると言われている。
伊芸区ではこれまで米軍の演習による兆弾、流れ弾による被害が出ている。自宅で化粧中の女性に被弾するなど、人身事故も発生している。照明弾の落下事故など米軍関係の事故は、たびたび起こっている。また演習による山火事で水源地が被害を受けたこともある。池原区長は「いくら安全だと言われても、過去の経験から信じられない」と話している。
この訓練施設は米軍の安全基準をクリアしていないことが判明し、現在は演習が中断している。今後、県議会などで問題になりそう。
(比嘉康文)
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