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<[JCJふらっしゅ]2005/09/28 847号> からその箇所だけ転載─
3)衆院憲法調査特別委員会設置についての各紙社説
衆院は22日の本会議で、国民投票法案を審議する憲法調査特別委員会を設置した。
設置に賛成は自民、民主、公明、国民新党、設置に反対は共産、社民党。委員長には
自民党の中山太郎元外相がついた。参院は委員会を設置していない。
この特別委は、衆院に設置されていた憲法調査会を引き継ぐ形となるが、産経新聞
は24日の主張(社説)で、「当初は、国会の会期ごとに設置される特別委員会では
なく、国会法を改正しての常任委員会で審議することになっていた。
それが覆されたのは、公明党内から憲法改正の流れを加速させたくないとの慎重論
が出たためだ」と、同党を批判し、「カギを握っている民主党は、改憲を主導するこ
とで政権政党たりうる一つの道を示せるのではないか」と新代表の前原氏に問いかけ
た。
産経新聞社説の立場は、「憲法九六条に改正条項が定められているにもかかわらず、
具体的な改正の手続きを定める法整備はこれまで行われなかった。立法府の不作為以
外のなにものでもない。ようやくそれを是正する土台ができたといえるが、まだ出発
点に過ぎない」とする文章で明らかだが、他紙はどうか。
24〜26日において、社説でこの特別委員会にふれたのは、産経新聞のほかは、
読売新聞と朝日新聞の計三紙だった。産経と読売は憲法改定推進を擁護するトーン、
朝日新聞は「憲法改正のための国民投票の仕組みを論議する常任委員会を衆院に設置」
しようとした自民党の動きに「待ったをかけた」公明党を軸に社説を展開した。
この3紙のスタンスどれもが最も気になったが、なかでもひどいのが、あいかわら
ず平然と「新憲法制定」と書く読売の社説だ。どうしても「改憲」と「新憲法制定」
をセットで論じたいらしく、上位に「新憲法制定」があり、そのサブシステムとして
「憲法改正」があるという論陣を崩したくないようだ。その論議の発意のされかたか
らして、本来、根本的に異なるものであるにもかかわらず、平然と「混同」させて書
くやり方には、社説としての見識を疑わざるを得ない。
読売新聞24日付社説は、「新憲法制定へ前進する上で、重要な動きである。衆院
に憲法調査特別委員会が設置された。憲法改正のための国民投票法案の審査をする。
憲法に改正条項があるのに、改正の手続き法がない、という立法の不作為の解消へ踏
み出すことになる。」と歓迎、自民、公明の与党と民主党は、いずれも国民投票法案
を準備している。国会提出を急ぎ、早期成立を図るべきだ、とした。
また常任委ではなく、特別委に落ち着いたことについては、「公明党の神崎代表は、
圧倒的多数の自民党に『ブレーキ役』を果たすと言う。だが、国や社会の将来像をめ
ぐる憲法論議を深めることに、いたずらにブレーキをかけるとすれば、責任政党の責
務に反することにならないだろうか。」と、公明党の動きを非難している。
また同時に、河野議長や横路孝弘副議長が憲法改正に関する議論は慎重にするよう
求めたことに対しては、「疑問」を投げかけ、「議事内容や審議の進め方は、関係委
員会の主体的な判断にゆだねるのが筋だ。一政治家としてならともかく、議長、副議
長という立場で、具体的な課題の審議のあり方に注文を付けるのは、職務を逸脱する
ものではないか。」と、同様に批判を加えた。
朝日新聞は26日の社説「公明党 影の薄い今こそ」でこの問題を取り上げた。「
公明党が久々に存在感を発揮した。自民党がこの特別国会で、憲法改正のための国民
投票の仕組みを論議する常任委員会を衆院に設置しようとした。それに待ったをかけ
たのだ。」との書き出し。
「公明党は自民党と連立を組んで6年になる。振り返ってみると、イラクへの自衛
隊派遣など自民党との協調、協力ばかりが目立つ。残念ながら、公明党らしさを発揮
できたとはとてもいえない。靖国神社への首相参拝の中止。新たな戦没者追悼施設の
建設。永住外国人への地方参政権の付与。企業・団体からの迂回(うかい)献金の禁
止……。せっかくこうした独自の主張をしても、自民党は取り上げようとしなかった。
」と、連立政権を振り返り、「公明党の結党の原点は『清潔、福祉、平和』だ。これ
を忘れずに巨大自民党と対してもらいたい。公明党の影が薄れたいまこそ、その真価
が問われている。」と結んで、公明党を持ち上げた。
この三紙の他に、毎日新聞、東京新聞、日本経済新聞の各社説をみわたしたが、こ
の件にふれたものは見当たらなかった。もし私の見落としだったら指摘して欲しい。
私は新聞の社説が「政治」をやっている気がしてならない。論じるのでなく、世渡
り、政治だ。そこにジャーナリストとしての本当の主張があるのか、大事なところで
疑わざるを得ない情況に、社会の危機を感じる。
言論人や社説の書き手が世渡りばかりうまくなり、発見や存在意義の無い発言ばか
りしていて、政治家が育つだろうか。次代を担う若者に、この国の主体者として堅持
すべき理念や理想、その実現への意欲を引き継いでいけるだろうか。
マスメディアの社内の風通し、内部の自由とジャーナリズムの責任について、徹底
的に議論してもらいたいと思う。
毎日新聞 <憲法特別委>自民、民主、公明、国民新党の賛成で設置
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050922-00000092-mai-pol
産経新聞【主張】憲法特別委 民主は9条改正で主導を
http://www.sankei.co.jp/news/050924/morning/editoria.htm
9月24日付・読売社説(1)[憲法特別委]「国民投票法の早期成立を図れ」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050923ig90.htm
朝日新聞26日付社説 公明党 影の薄い今こそ
http://www.asahi.com/paper/editorial20050926.html
以上転載おわり。
http://blog.mag2.com/m/log/0000102032
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