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「政界再編のキ−マンは加藤紘一になる」
自民党の歴史的圧勝で終わった9・11総選挙。「裏切り者」「刺客」「くの一」と話題は豊富だったが、どこか国民生活はよそに追いやられた感がある。これこそ小泉自民党の思惑どおりか。ここは、辛口評論で有名な佐高信氏に今回の衆院選を鋭く抉ってもらおう。
郵政解散総選挙を一刀両断!
―今回の選挙は刺客がクロ―ズアップされました。近年にない露骨な選挙戦という印象がありますが・・・・・・。
「自民党は片っ端から目玉となるような人物に電話を掛けまくったみたいだね。真っ先に、ビ−トたけし、みのもんた、細木数子に掛けたらしい。しかし、何れも断られた。ビ−トたけしは非常に忙しい、みのもんたは興味がないという理由で断ったと聞く。細木数子の場合は相当乗り気だったみたいだが、取り止めになったというよ。そのくらい自民党は必死だったわけだ」
―刺客を送り込むという手法についてはどうですか。
「今回は郵政民営化問題だったから、刺客を送るということになったけれども、真っ先に思ったことは、靖国参拝反対決議をした場合に、小泉は同じ手法をとることが果たしてできるのか、ということ。参拝反対派に、刺客を送ることはおそらくできないだろう。民主主義とは反対派に学ぶという制度なのだから、反対派を潰す手法をとるということは民主主義を知らないということでしょう。女性の刺客が多かったけれど、私は多くの女性から、ああいう女性を女性の代表と思われたくないという声をたくさん聞いた」
―注目選挙区はどこでしたか。
「まずは東京10区。ここは自民党と公明党がやっていくという選挙区事情があり、今回は公明党の番だった。しかし八代英太が出て、かなりの自民党票は公明党の太田のところには行かない。太田は公明党のプリンスだったからね。小泉は郵政反対派にはすべて対立候補をたてたと言っていたが、全員が自民党ではなかった。公明党の人間も入れてとということだから、同じ党名にしたほうがいいんじゃないか」
―広島6区はどうですか
「亀井は小泉よりはマシな政治家だからね。死刑廃止議員連盟の会長という側面がある。小泉は人の痛みがわからないが、亀井はそれがわかる人。自信のある人間は自分の欠点にメスを入れるが、自惚れ屋は自分の欠点にメスを入れないで人をオミットする。亀井は自分が間違う可能性を否定しない。ホリエモンは金儲けがすべてという考え方の古い人だ」
―他には?
「東京12区。最初の刺客である小池百合子のところだからね。彼女が出馬を決めた時に、自民の都議連は大変な騒ぎだったんだよ。しかし、比例の順位は上げないということで、都議連は収まった。こんな川柳がある。『オレは今 どこの党かと 秘書に聞き』。小池はまさにそれだよな。小池は選挙の着地点が小泉ならば、今回の自分の行動は小泉に対する最大の援助になるだろう、という読みじゃないか。まあ、バクチが好きな女だね」
―佐藤ゆかり氏の不倫記事がスッパ抜かれたりしましたね。
「オレ、知ってるんだよ、相手を」
―えっ、誰ですか
「週刊誌の言っている通り、マスコミ幹部だよ。体格のいい、脂ぎった男。私も何回か会っている。そうやってキャリアと称するものを上げていく女と思われても仕方ないわな」
―片山さつき氏はアイドル、なんていわれてましたが・・・・・・。
「昔は良かったんじゃないの。舛添と結婚してから悪くなった(笑い)。主計官というレッテルをはずしたら何もない女だよ。議員バッジもレッテルとして欲しかったんじゃないか」
―そういえば、佐高さんの立候補の噂もありましたよね
「そうなんだよ。山形3区にオレが立候補するという噂が出たんだよ。民主と社民の統一候補で、なんてね。朝日新聞の山形総局から電話があって知ったんだけど、もちろん否定した。直後に、社民党から本気で誘われたけどね。私が仮に立候補するなら、小泉のところから出る。だから同じことを考えていた元外務官僚の天木直人さんに連絡したんだよ。応援に行きましょうかと。そうしたら天木さんは『ありがたいが1人で戦いたい』ということだった。こういう現象も今の政治に対して危機感を持っている現われだよね」
佐高さんというと歯に衣着せぬ辛口評論で有名だが、対象をザックリと斬るようで、実は惻隠の情が垣間見えるところが魅力。
論評するには確度の高い情報が必要だが、たまたま選挙期間中に読売新聞社会長の渡辺恒夫氏と会う機会があったという。
「この間ナベツネと会ったんだよ。さんざんとこっちも批判してきたクチだけど、作家の高杉良さんが、会う?といってきたから会うことにした。何を言うのかと思ったら、『小泉はヒトラ―とそっくりだ』と言うんだよ。これには驚いた。ちゃんと『わが闘争』を読み返したそうだよ。241議席という過半数確保でいいと語った小泉のことを『あいつは絶対安定多数と安定多数の違いがわかっていない』と言っていた。あのナベツネがヒトラ―と呼ぶんだから、そうなんだろうけど、とても面白かった。それに、片山さつきは財務官僚時代に、自分をよろしくと売り込みに来たことがあったそうだよ。厚顔だよね」
「民」の中身がわからない!
―佐高さん流に、今回の選挙を表現すると、どうなりますか。
「選挙に入る頃にそう聞かれて、私は無理心中解散≠ニ名付けていた。無理心中というのは相手の意思に関係なく、心中しちゃうというものだよね。国民の意思は参議院の否決でNOとなったのに、小泉は無理に選挙に打って出たわけだ。郵政民営化については、すごく良いことのように言われているんだけど『官から民へ』という時に、どういう民に行くのかということが全く示されていない。民間にすれば何でもいい、という話ではないわけです。道路公団民営化はどうなったのか。小泉も力を入れて注目されたのに、分社化した各社のトップには、ほとんど道路公団の理事が就く。これでは『官から詐民へ』に等しい。これからも『民』の中身を問い続けていかなければならない」
―郵政民営化の裏には、何があるんでしょうか
「郵政民営化を望むのは誰か、それを考えてみると、大手銀行とその背後のアメリカ資本ということになるわけです。これは、国会質問における竹中発言で明らかになっている。しかし、こういった事情を理解している人は少ない。思い起こすのは新生銀行(旧日本長期信用銀行)ですよ。ここは5兆円の税金を使ってきれいにして、10億円でリップルウッドに売ったわけね。盛んに『手数料ゼロ』なんて宣伝しているけど、税金使ってちゃんときれいにしてもらえれば何だってできるよな。郵便局が新生銀行にならないかと、誰が保証できるのか。ここを注目すべきでしょうね。もう1つは、民営化の結果はどうなるか、ということ。民営化とは会社化ですから、会社とは利益が上がらないことにはやっていけない。最近、飛行機や鉄道の事故がよく起こっているけれど、安全というものは利益の下にくる。安全が上にくるということはないんだね。要するに、JR西日本の事故というのは明らかに民営化の失敗の代表例なんだよ。失敗といわずに誤魔化しながら民営化万歳を叫ぶ、国鉄民営化とJR西日本の事故が表裏一体なら、郵政民営化と表裏一体なのはサ−ビス悪化と全国ネットの崩壊。そうすれば間違いなく過疎が進行するだろうね。だいたい、イギリスの郵政は国有だし、ニュ―ジ―ランドは郵政民営化後、外資にやられて大失敗し、国有に戻そうとしているんです」
今回の衆院選で、佐高さんは社民党の応援をした。「旗幟を鮮明にすると仕事が減るんだけど」と笑うが、瀕死の社民党に手を差し伸べる心根について聞いた。
―『サンデ―プロジェクト』では、社民党の応援者として出演してましたが、そのわけはなんでしょうか
「もはや、憲法を守ろうと叫ぶのは社民党しかないわけです。共産党もあるというかもしれないが、あそこは原発や原爆実験などの原子力問題についてはっきりと反対できない。社会主義国の原爆実験はいいんだ、などというからダメだ。辻本(清美)については、政治家として怖いから政治的なつぶしにあったわけだ。辻本が悪いなら、小野清子国家公安委員長はもっと悪いんじゃないか。彼女は家のお手伝いさんに秘書給与を与えていたんだからね」
―今後の政界について、注意すべき点はなんでしょうか
「公明党は庶民の党だなどといっているが、政権に擦り寄るばかりで、自民党に対して何のチェックにもならない。実際、郵政問題で突破しようとしたことでも明らかだ。だから靖国問題や消費税アップなども、やりたい放題にするだろう。お先真っ暗ということだ」
―また政界再編はありますか
「あるだろうね。自民党では加藤紘一の出番がくると思って応援している。同じ山形出身ということもあるが、本当の意味でハト派といえるのは、もう加藤しか残っていない」
―加藤の乱での腰砕けは、評価に影響しませんか
「われわれが政治家を選ぶ場合は、ベタ―の選択しかありえないわけで、ベストの選択をしようと思うから間違うんだよ」
―最後に、佐高流の政治家を見るポイントは何ですか
「それは財務省にものが言える人物かどうか、それとアメリカだけでなく、中国との関係を視野に入れた政治ができるか、という2点でしょうね。私が見るところ、野中広務
、田中秀征、加藤紘一の3人くらいしかいない。野中さんは引退してしまったが、田中秀征は政界に戻る可能性はあるでしょう。民主党では菅直人くらいかな。官僚のずるさに対抗するには、他の人では経験が足りないと思う。政府系金融機関の統廃合の問題はまったく手をつけていないし、北朝鮮による拉致問題の解決は、北朝鮮に一番影響力を持つ中国との改善なくして進展させることはできないからね。そこができる政治家かどうかが決め手だろう。これからの日本は、アメリカだけでなく、中国をも相手にする2次方程式が解ける政治家が必要なんです」
週刊実話 05 9 29
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