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(回答先: 政府、診療報酬の本体部分引き下げを検討 【 いよいよ、医療破壊・外資売り渡しの本格的着手へ 】 投稿者 どっちだ 日時 2005 年 9 月 27 日 03:26:24)
日本医療の実態をご存知ですか? 2005/09/26
ニュ−ヨ−ク1日243.9万円、香港4日152.6万円、ソウル7日51.2万円、日本7日37.8万円。これが何の値段がご存知ですか?
世界的な保険会社であるAIUが発表した虫垂炎手術の入院日数と治療総額である。日本では1週間の入院で37.8万円、米国では医療費が高いので1日で退院し、病院のとなりのホテルやナーシングホームから通院するのが普通です。
米国の物価は日本より安く、週刊誌や新聞の値段は日本の半分で、米国の医療はいかに高く、一方、日本の医療費が韓国や香港と比較してもいかに安価であるか分かる。
大マスコミも米国医療はすばらしく、日本の医療は劣っていると主張したがるが、真実ではない。科学的統計などを分析できない妄想や集団ヒステリーに過ぎない。日米の診察料を比較すると初診料は、日本は米国の5分の1、再診料は10分の1で、医療改革の名目による医療単価引き下げは質の低下しかもたらさないのは自明である。
G7の日本以外の土木建築費が6ヶ国合計で28兆円であるが、日本1国で50兆円。小泉内閣の道路公団民営化を見ても、命より道路が大事にされることが証明された。これほど土木建築費に厚く、福祉医療費に冷淡な国は日本以外に存在しない。
医療改革以前に実は福祉改革が必要である。介護保険施設の利益率は、特別養護老人ホームで10.2%(補助金を含む)、介護老人保健施設で10.6%、介護療養型医療施設で8.1%(介護保険適用病床のみでは3.0%)。厚労省の2003年度医療経済実態調査によると、民間病院の利益率は2.1%で、介護施設への報酬は2003年度に行われた前回の介護報酬改定で約4%引き下げられたが福祉施設の利潤は大きい。
多くの医師が福祉施設と医療施設を同時経営している実態からして、福祉事業に政策誘導している移行期かもしれない。しかし、必要な医療や年金は政府が確固たる意志で確保するべきである。
最低限、医療改革だけは米国をモデルとしてはならない。米国は民間医療保険で賄っているが、国民の医療費負担は逆に世界一であり、医療の官から民への移行は命の不平等と医療費高騰を招くだろう。以下に日米比較を記す。
日本 米
WHO健康寿命 1位 24位
WHO医療平等性 3位 32位
WHO医療総合評価 1位 15位
国民総生産に占める総医療費 18位 1位
改憲と自衛隊の海外派遣が将来の徴兵制度の呼び水となるのと同様に、混合診療を認める事は国民皆保険制度を崩壊させ、医療費高騰と貧困層の医療からの疎外を招く。医療単価の減額は医療現場の荒廃を呼び英国と同じ結果となる。
英国も日本と同じ国民皆保険制度があり、GDPに占める医療費の割合も8%弱と同程度である。英国のほとんどの病院は、国民保健サービス(NHS)に所属しており、全額自費医療は全体の1割以下である。NHSの病院・医院を受診時の負担は原則無料で日本より安価である。英国民は、一般家庭医(GP)を自分で決めて登録する。病気になると、まずGPの診察、治療を受け、入院が必要な場合などは、GPの紹介を得て初めて、専門病院での治療を受けることが出来る。
日本の医療はフリ−アクセスで患者が好きな医療機関を受診出来る=医療機関は保健医療下で競争しているが、英国では医療費削減政策でGPしか選択出来ない。詳しく説明すると、サッチャー首相(保守党)は、1990年代に医療費を大抑制した。具体的には病床数を減らし、市場原理の導入を断行したのである。
その結果として医師、看護師の海外流失、人手不足、病床不足が起こり、患者は長い時間待つのが当たり前で、入院まで6ヶ月〜12ヶ月待つのが癌でも当然という有様。100万人の入院待ち患者もしくは入院待機者ができてしまい、医療従事者の士気の低下、医療の荒廃を招いたのである。
ブレア首相(労働党)は、医療費の拡大政策に方向転換し、医師、看護師を増やして、医療費を1.5倍とし、独仏並みのGDP比10%にするよう計画した。NHSの病院は、85%が租税、13%が国民保険料、自己負担は2%。
超高齢化社会を迎える日本に医療費増加は不可避であり、医療費を抑制する論議から、質を維持した皆保険制度存続のための財源確保の論議への転換が必要だ。医療改革の大前提は医療単価減額ではなく、医療資源の効率的利用が必要なのである。
提案として、人口30万人程度の医療圏に最低一つ800床程度の24時間診療ER機能を持つ大病院を作り、小児医療等の充実を図る。その一方で日赤病院、済生会病院、厚生連病院、国公立病院の思い切った合併再編を行い、こうした医療提供側の効率化が医療改革の第一歩となり、医療費も軽減されるのではないか。
(前田輝正)
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