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新聞が1行も書かない「長銀」「ウォール街」「米大統領選資金」全相関図
http://blog.livedoor.jp/ayaka222a/archives/16461401.html
「邦銀や産業界への刺激にもなるはずだ」(日本経済新聞)
「外資の新風に期待する」(朝日新聞、各社説より)
日本の大マスコミは「外資による長銀買収」の将来像
をまるで「バラ色の未来」であるかのように喧伝してい
る。しかし、この買収劇は、視点を国際金融界に移した
とたん、全く別の様相を呈してくる。買収に関わる人脈
を仔細に辿っていくと、そこにはユダヤ系金融資本の巨
大な影が浮上してくるのだ。「新生長銀」を橋頭堡に日本
進出を果たしたその狙いとは何か。新聞報道では分から
ない長銀買収問題の深層を日米同時取材から抉り出す。
●リポート/歳川隆雄(『インサイドライン』編集長)と本誌取材班
国民の莫大な負担と引き替えに
昨年10月から特別公的管理下(一時国有化)にあった日本長期信用銀行(以下、長銀)が、米投資会社のリップルウッド・ホールディングスに譲渡されることが決まった。
9月28日に長銀譲渡を正式に決定した金融再生委員会の柳沢伯夫委員長(今回の内閣改造で退任)は、
「リップルウッド側の長銀再建計画は、欧米並みの収益率に向上させようとする明確なビジョンを持っている。実現すればほかの邦銀にも良好な影響を与える」 と発言。冨沢喜一蔵相も、「これまでの日本と違う経営の仕方を期待していいと思う」 と歓迎の意向を示した。
大新聞も諸手を挙げて熱烈歓迎の構え。日本経済新聞が社説で「経営の良い面を移植できれば、長銀再生だけでなく、経営改善を進めるほかの邦銀や産業界への刺激にもなるはずだ」と持ち上げれば、朝日新聞も同様に社説で「外資の新風に期待する」ともて囃す。
今回の「長銀再建計画」によると――、リップルウッドは、米金融大手のシティグループ、ABNアムロ銀行、GEキャピタル、ドイツ銀行など欧米金融機関とともに設立する持ち株会社を通じて1200億円を出資。「新生長銀」をこの持ち株会社の100%子会社とする。新生長銀の会長・社長兼CEO(最高経営責任者)には、シティバンク前在日代表の八城政基氏が就く。そして新生長銀は、5年後には業務純益500億円にまで業績を伸ばして、株式を再上場する――とある。
こうしたリップルウッドの再建シナリオは日本の金融界にとっても確かに刺激的だが、むろん現段階ではまだ“絵に描いたモチ”にすぎない。
むしろ、それに比べて、「長銀再生」のために国と国民が負うことになる公的資金の負担は現実のものであり、しかもとてつもなく重い。
破綻した長銀に対しては、不良債権処理にともなう損失の穴埋めとして、今年8月までに3兆6000億円の公的資金が投入されている。これに加えてリップルウッドへの譲渡時には、損失穴埋めの追加分へ4000億円程度)や資本増強(2400億円)などで約9000億円が追加投入されるため、長銀の破綻から譲渡にいたる処理費用の総額は、実に4兆5000億円にのぼる。その上、譲渡後貸し倒れ損失が発生する可能性も十分に考えられるため、国氏負担は5兆円を超えることもありうるのだ。
大手銀行の破綻を国有化によって処理するという世界的にも前例のない“壮大な実験”は、いまや国と国民の莫大な負担のうえに外資による長銀買収といったかたちで強行されようとしているのである。
政治に働きかけた「逆転決定」
長銀売却の経過をざっと振り返ってみよう。
金融再生委の指導のもとに、譲渡先の選定作業にようやく着手したのが今年1月。まず、5月上旬にリップルウッドが買収に名乗りを上げ、続いて米JPモルガン・オリックス連合、来春の合併を予定する中央信託銀行・三井信託銀行、仏投資銀行パリバが追随して、7月中旬までに4グループが出揃った。
そして8月には譲渡先候補がリップルウッドと中央・三井に絞られたのだが、この段階では金融再生委や大蔵省の“民族派”の強い意向もあって、中央・三井が優勢と見られていた。だが、中央・三井側が提示した買収条件は、「公的資金による支援5000億円」。金融再生姿はこれを「公的資金負担額が膨らみすぎる」ということから不服とした。
このような形勢に乗じたのがリップルウッドで、同社のテイモシー・コリンズCEO(最高経営責任者)が先頭に立って活発なロビイング(陳情活動)を展開。さらに後述の買収劇のキーマン、クリス・フラワーズと親しく宮沢蔵相の知己でもあるポール・ポルカー前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が日本の政府・与党筋に働きかけた。
リップルウッド側が金融再生委と長銀に提示した公的資金負担額は3000億〜5000億円。金融再生委はこのリップルウッド案を、中央・三井の条件に比べて公的資金の負担が軽いと評価した。そして外資への譲渡は政府・金融再生委にとって「苦渋の選択」ではあったが、リッブルウッドによる長銀買収やむなし、の腹を固めたのだった。
一方、政治的コネを通じて日本側の判断を知ったコリンズCEOは、9月6〜11日に訪米した金融再生委の柳沢委員長と極秘に接触(10日)。長銀買収の条件を詰めて、最終的に折り合いをつけた。
つまり、リップルウッドによる長銀買収は極めて政治的な背景のなかでの“逆転決定”なのである。
華々しい長銀買収劇の裏で進む危機(写真は左から、新生長銀の最高経営責任者となる八城氏と取締役となるコリンズ氏。右上はゴア副大統領、右下はボルカー前FRB議長)
ゴア副大統領につながる“人脈”
リップルウットの本社はニューヨークにある。同社は、コリンズCEOが1995年に設立した新興勢力の投資会社である。機関投資家から集めた資金で未公開企業や経営下派の企業などを買収し、実籾の改善や経営の立て直し後に売却して大きな利益を上げる企業だ。しかし一方、死肉を漁るような同社の手法を「解体屋」と断定する向きもある。
同社の設立当時かち出資しており、今年8月、同社と組んで日本企業買収ファンドを設定した三菱商事は、今回の長銀買収に関して関与説も出ていたが、「今年2月ごろにリップルウット側から買収計画への参加を誘われたが、『興味がない』と断わった」(同社広報部)という。
また、社外取締役として名前の上がった経済戦略会議議長でアサヒビール名誉会長の樋口廣太郎氏に対するアプローチも、「今年の7月初旬だったと思います」(担当松野)というタイミングだった。
この話からもわかるように、リップルウツドは長銀が破綻して間もなくの今年初旬から着々と買収計画を練り、関係企業や金融機関に出資を呼びかけていたのだ。
さらに米ウオールストリートを中心に取材を進めると、「長銀買収のそもそもの仕掛け人」として、日本のメディアがまったく報じていないある人物の名前が浮上した。エンスター・グループと称する投資会社のCCO、クリス・フラワーズ。米投資銀行業界の大物である。米金融・証券業界に関するわれわれの取材ソースの一人によれば、
「このフラワーズがリップルウッドのコリンズに長銀買収という“儲け話”をもちかけ、シナリオを授けた」という。
彼の説明は以下のようなものだった。
「まだ41歳のフラワーズは、投資・買収のスペシャリストで、“ウォールストリートの申し子”ともいえる存在だ。若くして米大手証券ゴールドマン・サックスの共同会長を務め(98年11月退職)、米証券市場を沸かせた同社の株式公開で巨富を築いた。
また98年夏のロシア金融危機で経営破綻したヘッジファンド『LTCM』の創始者、J・メリウェザーとも親しく、目下メリウェザーと共同で新しい証券会社の設立を準備中といわれる。この2人はいわば“市場資本主義の原理主義者”なのだ。
そしてフラワーズは、ボルカー前FRB議長という超大物との長い付き合いから、長銀買収をコリンズに提案した時には、ポルカーの名前を前面に出してコリンズをうまく話に乗せたのだ。ポルカーは新生長銀のシニアアドバイザーに就任、フラワーズもその役員のー人となる」(同関係者)
コリンズCEOも42歳と若い。米投資銀行ラザード・フレールの役員時代に苛烈なマネーゲームの世界で頭角を現わしたウォールストリートのチャンピオンのー人である彼よ、JPモルガン、GEキャピタル、パリバなど一流の金融コングロマリットから資金を調達しては先端投資事業を開拓する錬金術の達人だ。
「と同時に、コリンズはワシントン政界にも太いパイプをつないでおり、実はアル・ゴア副大統領を通じてクリントン政権に深く食い込んでいるんだ」とワシントンの政界関係者は、声を潜めながら意味深長な言い方をした。
96年の大統領選当時、ゴア副大統領をめぐる献金疑惑で名前の出た台湾系ロビイストのジョニー・チャンとコリンズCEOは親しい関係にある。疑惑の焦点となった96年2月のホワイトハウスにおける疑惑モミ消しのための「10人会議」には、チャンとともに同CEOも出席していたといわれている。
ユダヤ資本が弱肉強食を加速する
コリンズCEOの活躍ぶりが示すように、ウォール街とワシントンとの親密なコネクションは、リップルウッドの活動にも濃厚な影を落とす。
そして“逆転決定”となった今回の「長銀買収」の裏面および背景を詳細にチェックしてみると、それをめぐるさまざまな動きが米民主党、とりわけゴア副大統領の人脈と金脈に収斂してくるのである。
別掲の長銀買収をめぐる相関図を見ていただければおわかりのように、たとえばリップルウッドの役員でもあるT・コレロ元下院議員(カリフォルニァ州選出)は、次期大統領を目指すゴアの選対委員長を務めており、さらに同じカリフォルニアを地元とするトム・フォーリー駐日大使(元下院議長)につながる。
また、コリンズCEOの古巣である投資銀行ラザード・フレールのS・ラトナ―副会長は、かつて『ニューヨーク・タイムズ』紙の金融担当記者として知られた人物だが、熱烈な「ゴア大統領」待望論者だ。むろんコリンズ会長とも近い。
さらに長銀買収の“仕掛け人”である前述のフラワーズが在籍していたゴールドマン・サックスは民主党系であリ、元同社トップのフラワーズも当然、隠れもない民主党系なのだ。ちなみにメリルリンチは共和党系である。そのフラワーズをバックアップしてきたボルカー元FRB議長は、れっきとした民主党員。
これらリップルウッド・クループを中心とした証券・投費銀行業界のゴア人脈のほとんとに通じる共通項は、それがユダヤ系金融資本であるということ。つまり、長銀買収の動きの背後には、世界の金融市場に絹の目のようなネットワークを築き、巨大な影響力を誇っているユダヤ系金融資本の強い意志が働いているのである。
リッブルウッドによる長銀買収決定を受けて、買収主体となるニュ―・LTCB・パ―トナーズには、既にペインウェーバーなど、これまで日本上陸を果たしていなかった金融資本が名乗りを挙げている。新生長線誕生を契機に、ついにそうした「グローバルバワー」が本格進出を謀ってきつつあるのだ。
弱肉強食の金融ビッグバンのもと、ユダヤ金融資本の攻勢はさらなる織烈な企業間戦争を招くことは想像に難くない。そして、その中で「崩れ落ちて行く兵士」は、一般のサラリーマンとその家族に他ならない。迫っているのは、新聞各紙が喧伝する「外資進出で活性化する日本経済」ではなく、5兆円ものわれわれの血税を投入して再生された「新生長銀」の果実が、そっくり米巨大谷本によって食われてしまうという「未曽有の現実」なのである。
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http://chougin.tripod.com/991015po.html
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ユダヤ団体、週刊ポスト記事に大反発
【ロサンゼルス15日=石井一夫】小学館発行の週刊誌「週刊ポスト」の記事に抗議しているユダヤ人人権擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)が、同誌に広告を掲載している日米の企業十社に対し、広告掲載の中止を要請していることが十五日、明らかになった。同センターは四年前、文芸春秋の月刊誌「マルコポーロ」を廃刊に追い込んでいるが、「今回も日本政府やイスラエル政府への働きかけを計画している」という。
同センター副所長のアブラハム・クーパー師によると、広告掲載の中止を要請した企業は、松下電器産業、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ、サントリー、キリンビール、住友商事の各米国現地法人計八社と、マスターカード、フィリップ・モリスの米企業二社。十四日いっせいに手紙やファクスを送ったという。
同センターが問題にしているのは、週刊ポスト十月十五日号の「長銀『われらが血税5兆円』を食うユダヤ資本人脈ついに掴(つか)んだ」と題する記事。
クーパー師は各社に送った文書の中で、「『長銀買収の裏にユダヤ金融資本の陰謀があった』というもの」と要約し、「こうした反ユダヤ主義の虚報は、ホロコースト(ユダヤ人の大虐殺)を正当化するためにヒトラーによって使われた」と記している。
また、各社の広告掲載実態を指摘したうえ「週刊ポストをサポートすることは、同誌の芳しくない記事に貴社を関係させることになる」としている。
読売新聞社の取材に対し、同師は「広告掲載企業を通じて週刊ポストに圧力をかけてもらう」と話している。
同センターは週刊ポストに対しても、記事の撤回と謝罪を求める文書を送っているが、ポスト関係者によると、同誌は、「記事に関する問題点を具体的に指摘するよう求める回答書」を十一日付で送付したという。これについてクーパー師は「誠実な回答とは思えない」と話している。
同センターは、世界的に最大規模の人権擁護団体で、会員は米国内だけでも四十万人を数える。一九九五年に「マルコポーロ」誌がホロコーストの歴史的な存在を否定する記事を掲載した時にも、これに抗議のうえ、各企業に文芸春秋の雑誌などへの広告掲載中止を要請。各企業が次々とこれに応じ、同社は同誌を廃刊にし、社長が辞任する事態となった。
週刊ポストの坂本隆・編集長の話「センターからの抗議に対しては、すでに文書で誠意ある回答をしている。広告に関することについては、事実関係がわからないのでコメントを控えたい」
(10月17日3:02 読売新聞)
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週刊ポスト誌への広告掲載中止を要請
【ロサンゼルス19日共同】小学館発行の「週刊ポスト」誌(十月十五日号)の記事が、反ユダヤ主義をあおるものだと抗議している反ユダヤ活動の国際監視団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)は十九日までに、同誌に広告を掲載している日米の大手十社に対し、広告掲載を中止するよう要請する手紙などを送った。
同センター副所長のアブラハム・クーパー師によると、企業は松下電器産業、トヨタ自動車など日本企業八社の米国現地法人とマスターカードなど米企業の二社に広告掲載中止を要請した。要請書の中で「広告掲載は週刊ポストの問題のある記事に、貴社が支持を示唆したことになる」としている。
週刊ポストの坂本隆・編集長は「誠意ある対応をすべく、現在、代理人を通じて同センター側と折衝中」と話している。クーパー師は来週、ロサンゼルスで同誌の責任者と協議するという。
(10/20 11:32 共同通信)
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ユダヤ問題、「週刊ポスト」が謝罪へ
【ロサンゼルス20日=石井一夫】「週刊ポスト」(小学館)の記事にユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が抗議している問題で、同誌は来週後半、坂本隆編集長と同社の取締役を同センターの米国ロサンゼルスの本部に派遣、記事の内容について遺憾の意を表すとともに、訂正記事の掲載方法について協議することになった。ポスト側代理人が、十九日に電話で同センター副所長のアブラハム・クーパー師に伝えた。
クーパー師は読売新聞の取材に対し、「我々が求めているのは、読者が問題の記事の誤りに気付くような、明確な撤回と謝罪」とし、「前向きの解決が図られる可能性がある」と話している。また、坂本編集長は「センター側の抗議内容を正しく認識し、反省すべき点については謝罪する準備がある」としている。
問題になったのは、同誌十月十五日号に掲載された「長銀『われらが血税5兆円』を食うユダヤ資本人脈ついに掴(つか)んだ」と題する記事。センター側は「見出しを裏付ける具体的事実がまったく記されておらず、ヒトラーのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を正当化した反ユダヤ主義の論理にも等しい虚報」と主張し、同誌に広告を掲載している日米の大企業十社に、広告掲載の中止を要請している。
(10月21日3:30 読売新聞)
http://chougin.tripod.com/1017.html#yomiuri
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『内外タイムス』(1999年11月05日付)「噂の“深層”」<15>
■本誌編集長・岡留安則■
「週刊ポスト」は廃刊のピンチを免れたが
総合週刊誌のトップを走る「週刊ポスト」が廃刊寸前まで追い込まれる事件があった新聞でも報道されたので、ご存じだろうが、「ポスト」が掲載した記事がユダヤ人人権擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(略称SWC)の大々的な抗議を受けたためである。SWCと聞いて思い出すのが、文藝春秋から発行されていた「マルコポーロ」の廃刊事件。「ナチスドイツのガス室はなかった」と題した記事がこの団体のゲキリンに触れて、「マルコポーロ」の廃刊と当時の花田紀凱編集長の解任、田中健五社長の辞任に発展した一件だ。
「ポスト」といえば、出版業界では最大手の小学館が発行し、講談社発行「週刊現代」と熾烈なトップ争いを演じている最中。最近出たABC調査によると今年上半期の両誌の実売部数は、「ポスト」78万9000部に対し、「現代」は76万7000部で、その差はわずか2万部強。あせりがあったのかもしれない。
結果的に「ポスト」側は、世界の主要新聞への謝罪広告掲載というSWC側の条件を撤回させ、「ポスト」誌上および「ポスト」のインターネット上でのおわびと「ポスト」が出稿している新聞でのおわびで一件落着。「マルコポーロ」事件と同じく「ユダヤ人理解のためのセミナー参加」も義務づけられた。当初、SWCの要求通りに世界の主要新聞におわびを出すとなれば、60億円くらいかかるのではないかといわれていただけに「ポスト」坂本隆編集長も小学館トップも胸をホッとなでおろしたに違いない。
それにしても問題は、「ポスト」の記事でどんなユダヤ人差別があったのか、ということだ。タイトルは「長銀『われらが血税5兆円』を食うユダヤ資本人脈ついに掴んだ」(10月15日号)というもので、リポーターはジャーナリストの歳川隆雄。「ポスト」関係者によると、歳川が直接書いたのではなく、歳川の語りとレクチャーをライターがまとめ、編集部でタイトルをつけたものだという。「ポスト」側にしても当初はこんな大事になるとは思っていなかったようで、SWCに対しても強気の姿勢を示していた。それが一転したのはなぜか。
いうまでもなく、記事内容の是非というよりも、SWCが「ポスト」に広告を出稿している有力企業に対して出稿中止を申し入れていたからだ。「ポスト」は1号あたり1億円を超える広告収入があり、それが減少すれば存続を脅かす危機になるという経営判断が優先した結果と思われる。まさに商業メディアのアキレスけんを突かれた格好である。
つまり「ポスト」の論調が気に食わなければ広告出稿中止を呼びかければいいという逆説も成立するのである。これは言論の自由にとって悪しき前例をつくったことにならないのか。かつてこの手口は商法改正以前の右翼団体がよく使った手口だが、仮にこれを財界団体が結束してやったら、企業批判は誌面から消滅することにもなりかねないのだ。
少なくとも「ポスト」のオピニオン誌としての側面から見れば、自由な言論は死んだも同然の事件ではないのか。
http://www.uwashin.com/2001/masu/masu14.html
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