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http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
歴史には、あの時が転換点だったんだと、後から気がつく瞬間があります。歴史には、あれは全くの嘘だったんだと、後から分かる事実もあります。
後から気づいたり分かったりしても、既成事実となった時間はもう取り戻せません。それこそ、「後の祭り」です。
注目を集めている総選挙ですが、選挙運動は今日が最後となります。明日の投票日、どのような結果が出るのでしょうか。
後から振り返って、あの時が転換点だったんだと気がつくような選挙になるかもしれません。あれは全くの嘘だったんだと後からほぞを噛むことのないよう、真実を見極めた上での選択を心がけたいものです。
これまで以上に高い関心を読んでいる選挙です。これまで以上に慎重に、選挙の意味を考えてみる必要があるのではないでしょうか。
その点で、武部自民党幹事長の9日夜の演説が注目されます。「選挙の後には民主党は大きく変わる。自民党、公明党、旧民社党の3つが1つになった方が安定する」と述べ、民主党内の旧民社党グループに、選挙が終わったあと離党して連立与党に加わるよう呼びかけたからです。
そうすれば政治は安定する、と武部さんは主張しています。同時に、「これから新しい憲法の制定も考えなければならない。そういうことも視野に入れている」と、この呼びかけが「憲法改正」を「視野」に入れたものであることを認めています。
自民党と公明党を合計すれば、300議席をうかがう勢いだとの報道がありました。これに民社党グループを加えれば、320議席を突破するかもしれません。これは、衆院480議席の3分の2に当たります。
今回の総選挙は何のためだったのか、以前から不思議に思っていました。だってそうでしょう。解散前の与党の議席は283議席もあったのですから……。
ここから郵政民営化反対派を追い出して「純化」しても、解散前議席を下回れば「後退」になります。それだけのリスクを払う価値が、「郵政民営化」にあったのでしょうか。そんな無理をしなくても、時間をかければ、いくらでも通すことは可能だったはずです。
ここで解散を選択したということは、この問題を「煙幕」にして何か「別の目的」を達成しようとしているのではないか、という気がしていました。その「別の目的」を明らかにしたのが、武部幹事長の発言です。
今回の総選挙の本当の目的は、衆院の3分の2という議席を獲得して改憲発議を可能にするところにあったのです。今後4年間、総選挙は行われません。その間に、思い通りの改憲作業を進めてしまおうというのが、今回の総選挙の隠された真の目的だったのではないでしょうか。
今回の選挙では、憲法問題はほとんど議論されていません。しかし、選挙が終われば、自民党結党50周年の11月に向けて改憲の動きは一挙に強まるでしょう。
総選挙で与党が圧勝すれば、その勢力を背景にして改憲作業が進むことになります。今後4年間ほどの時間がそれに費やされるにちがいありません。
総選挙で勝利すれば、小泉首相は特別国会を召集して郵政民営化法案を再提出します。もし、この特別国会で郵政民営化法案が成立すれば、それで総選挙の目的は達成されてしまいます。
アッという間に、小泉首相の最大の公約が実現されることになるわけです。その後は、どうするのでしょうか。
小泉首相は、来年の自民党総裁の任期切れと同時に退陣することを表明しています。その後は、どうなるのでしょうか。
郵政民営化法案が成立した後でも、小泉首相も小泉内閣も残ります。後は、やり放題、好き勝手にやらせてもらおうということになるでしょう。何たって、総選挙で勝ったわけですから……。
たとえ、小泉首相が退陣した後も、巨大与党は残ります。その力を背景に、改憲作業は粛々と進むことになるでしょう。4年間は総選挙がないわけですから……。
改憲は一発で決まるような勝負ではなく、国民投票法の制定や改憲発議、国民投票など一連の過程を必要とします。そのためには国会での安定した多数派が不可欠です。今回の総選挙は、あわよくば巨大な多数派を形成して改憲作業を進めるために、小泉首相が仕掛けた乾坤一擲の大勝負だったように思われます。
「郵政」をエサに、「改憲」という大きな魚を釣り上げる――これがこの選挙の意味だったのだと、後から分かるときが来るかもしれません。
「後の祭り」としないためには、明日、どのような選択を行うべきなのでしょうか。この問いへの答を出すのは、それはあなたです。
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