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2005年9月8日号:Vol. 214
<Vol.214 :焦点は投票率:無党派層が動く>
【良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に】
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こんにちは、吉田繁治です。前号<郵政民営化解散(2)>をお送
りしてから時間が経ち、申し訳なく存じます。
今回は、選挙結果の予測を試みます。
日曜日(9.11)の夜にはわかる結果を、直前に予測するのは無
謀なことはわかっています。
大きく外れれば、恥をさらすでしょう。
しかしあえて行ないます。
そして、恥をさらします。
予測する理由は、今回からは、選挙が変わったという感じがあるか
らです。
過去は棄権層だった無党派と20代・30代の世代、そして都市部
有権者が関心を持ちはじめています。従って、選挙の玄人の予測は
外れるかもしれません。
地方政党であった、自民に大都市部が支持が増えています。
転換が起こっているのです。
郵政民営化反対者を切り捨てたことによって、小泉内閣が革新の
イメージを回復したためです。
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<Vol.214 :焦点は投票率:無党派層が動く>
【目次】
1.他国が未経験の、高齢社会の基本設計を決める選挙
2.選挙の注目点
3.投票率
4.結果を決めるのは投票率
5.2つの予測
6.(自信のない)私的予測
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■1.他国が未経験の、高齢社会の基本設計を決める選挙
毎日新聞(大阪本社)から寄稿依頼があり、公示日(8月31日朝
刊)の社会面に載った800字の原稿を、まず参考のために掲載し
ます。(10日ほど前ですが、ずいぶん昔のように感じます。)
予想外の解散だった。できるわけがないと(郵政民営化)反対派は
思っていた。
首相とブレーンは、ワンフレーズによる修飾戦略を再びとった。
これは首相の資質に合う。
「郵政」で既得権益を、「民営化」でコストダウンとハイサービス
化を象徴させる。「解散」では族議員を失職させることをシンボラ
イズさせる。
「郵政民営化解散」とつなぐことで、族議員失職・既得権益打破・
効率化という3色の好イメージを与えることができた。
こうした構造をもったカウンターパンチ一発で、反対派は既得権益
派と見なされることになった。政権への支持率は、特に都市部で上
がった。(小泉政権)初期の革新イメージを回復したからである。
次は「刺客」でワイドショーの日替わり効果を狙った。34名(選
挙区28名:比例区6名)の反対派を公認せず、選挙区に空きを作
ってタレント性のある候補を立てた。
レーム・ダックに近かった小泉政権の改革イメージの回復戦略は、
見事だった。売れ行きが落ちていた商品が、中身は同じでも新しい
パッケージによって、一夜で売上を回復することに似ている。
しかし民営化で真に問うべきは、330兆円の郵貯・簡保の資金を
民間に流すというスキームの虚構である。
高齢化で、世帯の預金は郵貯を含め増えなくなっている。郵政公社
の貸借対照表では、304兆円が国債・財投債・政府預託に化けて
いる。
民間に回すなら、国債・財投債を売却せねばならない。国債価格が
下落し、財政破綻と再度の金融危機につながる高金利を意味する。
国債リスクの発生が近い。
与野党の論には、この観点が欠落している。
衆議院議員は、09年までの任期をもつ。1年で60兆円も増える
公債は4年で240兆円。誰がこれを低利のまま引き受けるか?
インフレにつながる日銀引き受けか?
今回の選挙は、政権選択である点で意義深い。しかし両党のマニュ
フェストは、次期政権が迫られる増税・福祉負担増・年金削減を隠
す。
われわれは、政策のバーゲン広告に載った商品の中身を見る目をも
たねばならない。他国が未経験の、高齢社会の設計を決める選挙だ
からである。
(以上で、掲載分終わり)
■2.選挙の注目点
▼郵政民営化に意味はない
今回の選挙で、与党が、戦略的に掲げたスローガンは郵政民営化で
す。私は、民営化し、郵貯・簡保の資金(合計で330兆円)を、
民間企業への融資に回すというのは架空のマニフェストと判断して
います。
理由は、8月9日号<郵政民営化解散(1)>で、郵政公社の貸借
対照表をもとに、示しました。郵貯・簡保はもう増えてはいません。
金融機関は、金庫に現金を持つわけではない。預金は貸付や債券
に化けています。
「国に貸してしまった約304兆円」を民間に回すとすれば、郵貯
・簡保がもつ国債の売却をしなければならない。結果は、金利の上
昇と、国債価格の下落です。今回の選挙戦では、この問題に踏み込
む候補者は、見当たりませんでした。
政策目標に掲げられた郵政民営化の論は、叫ばれて深まらなかった
と言えます。
国債を持ち続ける郵貯・簡保なら、今と変わりません。
▼派閥を壊したことに意味がある
にもかかわらず、今回の選挙は、戦後の政府政策の、初めての転換
点と言える意味を持つと判断します。族議員政治が日本の政治でし
た。
今回、自民や民主の「族議員」が一掃される明確な「兆候」が出て
きたからです。選挙運動で、派閥が機能していないのを見てもそれ
がわかります。最大勢力だった旧橋本派の解体は、そのシンボルで
す。
70年代以降の政治(特に田中角栄以降)は、族議員政治でした。
派閥は、利権か既得権益集団でした。予算をつける能力と保護行政
が、権力の基になっていました。
確かに、小泉首相は「自民党派閥」をぶっこわした。これは評価で
きます。
今回、投票率が低かった6000万人の都市部有権者が動き始めた
からです。自民は地方政党でした。都市政党が民主でした。
しかし転換が起こった。郵政民営化を「踏み絵」に族議員をあぶり
だした。そうした意味をもちます。
■2.投票率
世代別の投票率の推移を見ます。
どの世代が、政治を決めてきたかわかります。
200年 2001年 2003年 2004年
衆院選 参院選 衆院選 参院選
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
20〜24歳 36% 33% 33% 32%
25〜29歳 41% 39% 39% 37%
30〜34歳 52% 51% 46% 45%
35〜39歳 66% 60% 56% 54%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
40〜49歳 68% 64% 65% 62%
50〜59歳 72% 69% 70% 67%
60〜69歳 79% 75% 78% 75%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
全体 64% 61% 62% 59%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
20代では、選挙に行っていたのは3人に1人です。仕事で現場の
中心である30代では、半分です。政治と選挙に関心をもたないの
が20代、30代でした。
40代は65%前後、50代で70%前後に上がり、60代は80
%前後の投票率です。
▼世代間の所得移転という視点
前稿で、年金と医療を含む福祉の、世代ごとの生涯での負担(掛け
金)と受益(給付)を示しました。上記の投票率を重ねると、興味
深い。
(注)生涯負担または受益額は、平均寿命を生きたときの[年金・
福祉の、世代別受益総額]−[掛け金の累積×金利]です。
【現行制度を続けたときの、世代別の生涯負担超過と生涯受益】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1983年以降の生まれ(22歳以下) −3952万円
73〜82年生まれ (20代) −1401万円
63〜72年生まれ (30代) −743万円
53〜62年生まれ (40代) +788万円
43〜52年生まれ (50代) +2920万円
〜42年生まれ (60代以上) +5647万円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(内閣府試算)
30代までは負担超過です。負担超過の世代は、選挙に関心が薄か
った。他方、40代以上は受益者です。受益者世代は、65%〜8
0%が投票に行った。
年金・医療・福祉の負担超過と受益については、具体的な金額は知
らなくても、国民全部に「感じられています」
22歳以下の生涯負担の超過3952万円と、60代以上の生涯受
益超過の差は、3952万円+5647万円=9599万円もあり
ます。約1億円です。
負債を引いて1億円の[純金融資産+純不動産]を持っている人が、
周囲に何人かを思えば、この格差は巨額です。
20代の生涯負担超過1401万円と、60代以上の生涯受益超過
の差は7048万です。
夫婦2人分(1世帯)では、この金額の2倍、約2億円〜1億4千
万円が、負担と受益の世代間格差になります。
どう言っていいか・・・給与ではとても補えない巨額の格差。
1億円は30万円の給与の、28年分です。28年間働いた分を1
円も使わず全部を注ぎ込んでやっと1億円です。
現行制度(所得の世代間移転が、現在の制度の本質)を続ければ、
こうなります。
(注1)内閣府試算で考慮されていないインフレ要因を加味すれば、
世代間の大きな格差は、インフレ分だけ一層大きな格差になりま
す。
(注2)こうした格差の金額が広く知られれば、「世代間闘争」も
起こる感じがします。
現状は、現役の若い世代が、退職した世代を支えるという構造です
。これは、非難されるべきことではない。あるべき姿です。
問題になるのは、今の30代、20代の人たちが65歳以上になっ
たとき、(現行制度では)支える人がいないことです。したがって
30代、20代は、生涯賃金から取られるだけの犠牲者になる。
今までの政治は、投票率の高い「受益者」に向け、メリットを与え
るものだったとまとめることができます。
■3.結果を決めるのは投票率
20代、30代の投票率が、どれくらい高まるか、そして、低かっ
た大都市部の投票率がどれくらいになるか?
前回の選挙までは、投票率の高さは、民主に有利、自民に不利でし
た。自民は組織票と固定票、民主に浮動票が多かったからです。
今回は、逆に投票率の高さは自民に有利になります。
原因は、「自民」が改革派に転じ、郵政民営化に反対した側は保守
派に見えるようにする小泉首相の手法が、成功をおさめたことです。
▼投票率予測70%
アンケートの有効回答の調査では、85%〜90%の人が投票に行
くと答えています。実際には、低くなります。投票率を70%前後
と予測します。
過去の60%水準に比較し10%分、投票数で1000万人分多く
なります。このうち6割、600万人が自民に投票する可能性が高
い。
(注)比例区で自民に入れるという回答は約30%前後、民主は1
5%前後、決めていないと言う人が40%です。
結果はどうなるか?
■4.2つの予測
福岡正行氏と宮川隆義氏が、それぞれ別の見解で、結果予想をして
います。それを見ます。
▼福岡氏予測(週刊朝日:9月2日号):過半数は241
解散時勢力 予測 ( 変動幅 )
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自民 212 221(+34:−32)
公明 34 27(+ 6:− 6)
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与党合計 246 248(+40:−38)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
民主 175 201(+37:−32)
共産 9 8(+ 1:− 1)
社民 6 4(+ 2:− 1)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
野党合計 190 213(+40:−34)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
造反無所属 33 14(+ 2:− 2)
国民新党 4 1(+ 2:− 0)
新党大地 0 1(+ 2:− 1)
無所属 4 3(+ 1:− 1)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その他合計 41 19(+ 7:− 4)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)欠員 3
まとめれば、
与党合計で、解散前より2名増やして248名(過半数+5名)、
野党合計で、解散前より23名増やし213名、
その他合計で、解散前より22名減らし19名、という予測です。
合計で見れば自民の造反組み等が減らす19名が、ほぼ民主に振り
変わるということです。
タレント性のある候補(堀江貴文氏とキャリア風女性候補)が自民
党に不利な結果をもたらすと言っています。
与党(自民+公明)は、合計でほぼ現状維持で、かろうじて過半数
を制することになります。
こうした結果になるとすれば、小泉政権の事実上の敗戦です。首相
を続けることはできます。郵政民営化を、参議院で通すパワーはな
い。
小泉首相は、郵政民営化以外に関心を持たないようです。政権は、
不安定になって、おそらくは、郵政民営化の再審議のプロセスで、
政界の大規模な再編が起こる可能性が高い。
福岡氏の予測は、無党派層が民主へ向かうという根拠に基づきます。
この予測は、過去の無党派層の動きを前提にしています。私は、今
回は、無党派層のうち60%は自民へ向かうと感じています。した
がって福岡氏の見解とは異なり、自民の勝利です。
▼宮川氏の予測(週刊文春:9月1日号):過半数241
宮川氏の予測を見ます。
解散時勢力 予測 (増減)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自民 213 196(−16)
公明 34 30(− 4)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
与党合計 247 226(−20)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
民主 175 220(+45)
共産 9 7(− 2)
社民 6 2(− 4)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
野党合計 190 229(+39)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
郵政反対自民 34 15(−19)
国民新党 3 3
諸派・無所属 3 5(+ 2)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
合計 40 23(−17)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)欠員 3 変動2
与党は20の議席を減らし226名。政権の転落です。
もちろん郵政民営化も、否定されたことになります。
民主は+45議席と大勝利を収めるが、野党の合計では229であ
り、過半数の241に至らない。
この結果になれば、政党間と政党内で、大規模な離合集散が起こり
ます。小泉総裁と岡田党首はいずれも辞任するという予測です。
宮川氏の予測は、無党派層の多数が、民主に流れると見ていること
になります。刺客が自民の足を引っ張ると見ています。
以上2つが、選挙の玄人と言われる人の代表的な予測です。
注目すべきことは、両氏とも、投票に行く無党派層のうち多数派が、
民主に投票すると予測していることです。これは違うような気が
します。こうしたことはまさに「気」です。
自民・民主も、組織票や固定票を中核に、議席を得るということと
違う状況があらわれています。
従来の浮動票、都市部、そして20代・30代が各選挙区の、伽主
ティングボードを握るように思えるからです。
まさにこれは、読みにくい。
■5.(自信のない)私的予測
無党派の約60%が、自民へ流れるとします。理由は、郵政民営化
に賛成する国民が、相当な多数派だからです。
そうすると、自民は、240人くらいなります。
解散時勢力 予測 (増減)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自民 212 237(+25)
公明 34 30(− 4)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
与党合計 246 267(+21)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
民主 175 184(+ 9)
共産 9 7(− 2)
社民 6 2(− 4)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
野党合計 190 193(+ 3)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
造反無所属 33 15(−18)
国民新党 4 1(− 3)
新党大地 0 1(+ 1)
無所属 4 3(− 1)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その他合計 41 20(−21)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)欠員 3 合計480
自信がない予測です。
選挙が過去と変わるときは、固定票や組織票を基にした、個々の選
挙区の数字の積み重ねでは、誤差が大きくなるでしょうね。
選挙区は別にして、全体で言えば、造反組の議席が、自民に振り変
わることになります。刺客が小選挙区で勝つということではなく、
全体数字でのことです。
小泉首相は、第3次小泉内閣を組織し、再提出される郵政民営化法
案は、参議院で可決される。
問題は、郵政民営化法案可決以後です。
小泉首相は、それ以降の政策に、情熱を失う可能性が高いと見てい
ます。自民が勝っても負けても、今年の冬ころから、政界再編が起
こる感じです。
族議員の時代は終わった。そして、政治はポピュリズム化します。
しかし国民は真面目に、新しい高齢社会の設計を求めています。消
費税が福祉や年金目的に使われるのなら、消費税の3%くらいの増
税には賛成するというのが5割を超えているくらいです。(各種ア
ンケート)
必然的に迫られる高負担をどうするか、そこが次期政権(または小
泉政権以後)の課題になります。消費税の3%増税では、まるで足
りないくらい財政と国債発行をとりまく状況は悪化するからです。
【後記】
金利を含む経済の予測については、選挙結果が出たあと、書いて送
るつもりです。
選挙速報が楽しみです。
私的予測が相当に外れたときは、なにが原因か、分析的に考えてみ
ます。
《英治のコメント》
政治学者福岡正行氏は造反派大敗,民主の大幅議席増なるも,自公過半数
維持と予測しました.郵政法案が参議院でぎりぎり否決される可能性はなお残
っていますが,小泉政権はあらゆる手段を使ってこれを乗り切ることでしょう.
政治評論家(政治広報センター社長,EVS電子投票普及協業組合理事長)
宮川隆義氏は民主が45議席を増やして大躍進,自公過半数割れを予測して
います.ただし,野党合計は229に留まり衆院過半数の241に至らないと観
望しています.小泉退陣となれば政局は一気に流動化します.
経営コンサルタント吉田繁治氏は投票率が決定的なファクターになるとし,予測
投票率を70%と見込んで,無党派の60%が自民に流れると予測し,小泉圧勝
・郵政法案参院可決の大団円を描いています.
三者三様ですが,これはいかに今回の選挙の予測が専門家でも難しいかをよく
現わしています.その任ではありませんが,私もちょっと考えて見ることにします.
これまでのマスコミによるアンケート調査はたびたび指摘されている通り,かなり
歪んでいる可能性があります.特に指摘したいのは,私が観察した限り,これら
の調査がほとんど「若年層の動向」を捕捉していないように思われるところです.
もちろん,調査の数字が正しければ小泉圧勝しかありませんが...
今回の選挙では1500万人と言われるフリータの存在がもっとも大きなカギに
なります.彼らは@発達した独自の口コミネットワーク(携帯網)を持っている,
A基本的に上位者の指図を受けない,Bアンケート調査にはほとんど協力して
いない,という特性を持っているところからこのグループが投票所に向かうかど
うかで全てが決定すると言っても過言ではありません.今回の選挙は事前投票
率の高さからも推定できるように,すでに非常に白熱していることは明らかです.
以上述べたところから,結論は言わずもがなと思いますが,「小泉の敗北」です.
数字までは出せませんが,ほとんど確定だと思います.この郵政解散総選挙は
「貧民の反乱」であり日本がこれから大きな動乱期に入ることを告げるものです.
小泉純一郎は彼自身のある展望を持って忍耐強くその諸条件を整え,すべての
カオス的渦流をある合流地点に導き,ついにその堰を切って落としたという意味
において,まさしく信長に匹敵すべき人物として長く記憶されることになるでしょう.
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