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小泉は信長か東條か「議論嫌いと開き直りソックリ」---「“天命”意識し容赦なく突っ走る」
掟破りの解散権発動、反対派への刺客…小泉首相の強権手法への評価は、さすがに変人らしく毀誉褒貶こもごもだ。昭和史に詳しいノンフィクション作家の保阪正康氏は「東條英機」との相似を指摘し、独裁者への道を懸念する。一方、首相の“盟友”を自任する歴史小説家の池宮彰一郎氏は「織田信長」になぞらえ、その改革姿勢にエールを送る。首相は「東條」なのか「信長」か。
【東條との相似】
小泉首相の就任時は、「戦後民主主義教育を受けた世代共有感から期待を寄せていた」という保阪氏。
だが、自衛隊イラク派遣の答弁で、「どこが戦闘地域なのか、今、私に聞かれても分かるわけがない」と開き直ったとき、戦時中の東條首相を思い起こしたという。
「首相の答弁は、ディスカス(議論)やプロセスを軽視して、フレーズや結論の羅列で終わっている。議会をバカだと思っているのか、説明など必要ない、迂遠と感じているのか」
「東條にとって民衆は指導される存在。その民衆から人気ばかりを伺っている議員、議会をバカにしていた。東條も言論・結社等取締法の審議で、『戦時下ではない状況は』と問われ、『平和が回復したとき』と答えて済ませています」
【独裁者への道】
保阪氏は郵政法案には賛成だが、首相の手法には嫌悪を感じている。
「東條は軍事以外、何も知らなかった男で、国家を自らが育った兵舎と同じと考え、議会を上意下達のマシーンに変えてしまった。部下を傍聴席に陣取らせ、誰が拍手したか、誰がヤジを飛ばしたかをチェック、反対派に威圧をかけていった」と東條の議会運営を例にとり、「小泉式強権は今の時代にふさわしいだろうか」と疑問を呈す。
また、東條が幹部らの組織表を前にして、「こいつはあっち、そいつはこっち」と思い通りに人事を差配したエピソードを示し、「人事は権力者の最大の喜び。総選挙の候補者選びを見ると、その系譜に入っていく素質を感じる。特に選挙で勝てば十分あり得る」。
こうしたことが、先の大戦の過ちを指摘し続けてきた保阪氏には「いや〜な感じ」だという。
【生き急ぐ首相】
一方、首相にエールを送るのが池宮氏。首相も池宮作品の大ファンで、官邸などで4回対談した。この際、記者に「歴史上の人物にたとえると」と問われ、池宮氏が「信長かな」と答えたのが小泉=信長論の始まりと自負する。
「普段の小泉さんは人情家で親しみやすい。政治家として『やってやる』となったとき、非情というより、最短距離で走るということ」
その上で、「信長は人生50年と信じていた。実際、49歳で本能寺で死ぬのですが、晩年は生き急いだ。甲州攻めなど、武田勢をことごとく潰し、情けなど微塵もない作戦でした」と信長の例を引き、「小泉さんも最初はスローペースで、イライラさせられた。私は『改革にはスピードが大事』と申し上げたほど。それが、ここへきてスピードが増した」。
【思考経路】
なぜ、急ぐのか。
「父、純也さんが65歳で亡くなっています。本人が27歳ごろで、その若さで父を亡くすと、人の寿命とはそんなものとスリ込まれる。小泉さんは今63歳で、あと2年。そこへ天運が到来した」
「つまり道路公団汚職で、幹部の天下りや談合に非難が集中したとき、小泉さんは『郵政改革も今だ!』と思った。そして、まず身内の敵を潰す、それが解散。予告なしというわけにもいかないから、『法案を通さないと解散する』と言ったが、皆、脅しだと思った。小泉さんの思考経路を知っていれば、それは悲鳴なんです」
その思考経路には、「感性の人。理論派ではなく、議論が嫌い。普通の人は議論の積み重ねから方針を選ぶが、小泉さんは特に切羽詰ったとき、『こうなったらいいな』という理想形の結末を空想し、そこから逆算していく。そこが天才的なところ」と話す。
実は、この思考法、池宮氏が高杉晋作のものとして作品にした。初対談のとき、首相は、その作品『高杉晋作』を手に、「ものすごく感動した、と言ってくれた」。
最後に、「小泉さんは総選挙に勝って、郵政法案を仕上げ、来年9月の総裁任期で辞める。森喜朗氏らが必死に引き止めても、受けないと思う」と予測する。
ZAKZAK 2005/09/09
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