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(回答先: 天木ファンさん投稿再掲-- 内橋克人:問われるのは日本の民主主義 支える努力を─「東京新聞」 投稿者 竹中半兵衛 日時 2005 年 9 月 08 日 15:08:03)
JPU(http://www.jpu.or.jp/、もと全逓)のHPからたどりました。
内閣総辞職が民主政治のルール
http://www.jpu.or.jp/news/kikou-okano.htm
明治大学元学長 岡野加穂留(おかのかおる)
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内閣総辞職が民主政治のルール
今回の小泉内閣の衆議院解散は、憲法に明記してある二院制国会の基本精神を無視した専制的独裁と断じてもいいくらいの暴挙であった。長い民主政治の伝統を持つ西欧諸国の議会制政治を比較研究してきたが、この暴挙は、ドイツ国家を崩壊させたヒットラー全体主義独裁のやり方に酷似している。政治体制と独裁政治の行動様式は、時と場所を変えても、政治の舞台に再生産されるという歴史的な教訓でもある。首相が昂然と憲法を踏みにじる恐ろしい事態になった。
8月8日の参議院本会議で、小泉が異常な執念で固執してきた郵政民営化法案が否決された時に、竹中担当大臣は間髪を入れずに、辞任をするのがデモクラシーの基本原則なのだ。世間常識の片鱗すら見えないウソ八百を並べ立て、厚顔無恥で善悪の区別すら理解できない"政治業者"(政治家ではない!)に成り果てた"学匪"の末路でもある。内閣の最重要法案であり歌い文句の「改革の本丸」が炎上し落城したのだ。"城を枕に討ち死"が議会政治のルールである。ヒットラーもどきの、反対派抹殺を絶叫する異常な興奮状態で、前後の見境もない暴走解散であると言えよう。メディアの批判精神の無さにも危惧を感じる。
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戦後歴代内閣の中で、小泉政権ほど憲法・国会法・内閣法・国家行政組織法などを忠実に守らない内閣は見あたらない。「初めに結論ありき」ならば、国会審議などは無用である。ドイツの哲学者F・マイネッケは民主政治にとって一番に危険なのは「総てを単純化する人々」だと言い、国会審議を無視してすべての立法権限をナチス・ヒットラーの手に委ねた「授権法」にあったと指摘した(岡野「すべてを単純化する恐ろしい人々」≪雑誌『軍縮』2005年1月号参照)。「9・11」以来、小泉政権は、自衛隊のイラク派遣問題などでその危険性を見せている。
彼が「改革派」。その反対は「守旧派」・「造反組」と断定する。今国会の審議中に自らを「最高権力者」と称した。巨大な権力を背景に、極めて短い言葉で同じ事柄を繰り返し宣伝する。何も知らない大衆は、単純な"政治的演歌"の繰り返しで、やがては政治的催眠状態に陥る。脳と心理にこびり付いたメッセージは、目覚めて民営化熱狂になり「小選挙区ええじゃないか!」の時と同じような集団大衆ヒステリー状況を生み出す危険性は、常に現実政治には有りうる事も十分に計算をしておかなければならない。その対策は絶えず行う組織学習と、働く者の原点を忘れない心構えと合法的行動である。
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すべてを単純化する危険思想
彼は総選挙を「郵政民営化の国民投票だ!」と暴言を吐いた。衆議院解散が『総選挙』、参議院半数改選は『通常選挙』、地方選挙は『一般選挙』と法律で明示してある。憲法改正や国民審査などを行う『国民投票』とは違う。これが理解できない錯乱状態に陥った首相は即刻辞任が当然である。郵政民営化は廃案になったのだ。国民の関心は庶民の生活防衛である。希代の悪法である小選挙区制のために、「保守対革新」の二大政党対立にはならず、寿命の短い触媒型政治集団の出現と"政治的ホームレス"による政界流動化現象が増幅されてきた。労組も政界再編の繰り返しを前提に、組織プログラムを構築しなければならない。それが自由主義政治を守る道だ。
プロフィール
岡野加穂留(おかのかおる)
1929年 東京生まれ
明治大学名誉教授、明治大学元学長
明治大学元ラグビー部長
臨床比較政治学者
専攻:比較政治学
趣味:剣道、スキー、山歩き、能楽・歌舞伎・文楽鑑賞
著書:『明日の天気は変えられないが
明日の政治は変えられる』、ほか多数
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