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衆院選は9月11日の投開票日に向け、各党の舌戦が熱を帯びている。その議論の土台になるのが、各党が有権者に示したマニフェスト(政権公約)であり、その重みも増すばかり。「郵政民営化」をはじめ、注目の論点について主要政党の公約を検証する。
≪郵政改革が最大の争点なのですか≫
小泉純一郎首相「もちろん、郵政民営化だけが争点ではない。だが、郵政民営化ができずにどんな行財政改革ができるのか」
神崎武法・公明党代表「郵政民営化は構造改革のシンボルだ」
岡田克也・民主党代表「首相は郵政選挙というが、絶対に違うと断言できる」
公示日の30日、街頭に飛び出した党首たちは、いずれも郵政問題に言及した。
郵政民営化に賛成か反対かを問う選挙という自民党・公明党の与党に、「そんなことはない」と主張する野党。郵政民営化をめぐる最大の対立軸は、これだ。
自民党はマニフェストで、郵政民営化を「日本の改革をさらに加速していく突破口」と位置づけた。公明党も「構造改革の要」と明記している。
小泉政権が進めた構造改革のキーワードは「官から民へ」「小さな政府」。郵政民営化は郵便貯金、簡易保険合計330兆円の資金を民間に流し、26万人の国家公務員を民間人にするプロジェクトといえる。
同時に自民党には特定郵便局長と深くかかわる族議員が存在し、民主党は郵政公社労組(旧全逓)や全郵政といった労組の支援を受けている。首相が「私が首相になるまで全部の政党が反対で、話題にもならなかった」と強調するとおり、郵政民営化は、政治家と支持団体の一枚岩を壊す可能性を秘めるのは確かだ。
郵政改革の先には年金など社会保障制度改革、780兆円の借金を抱え、危機的状況にある財政再建という難問が控える。郵政をめぐる“しがらみ”を打破してこそ、これらの改革も可能になるというのが自民党、公明党の論法である。
これに対して共産党、社民党は郵便局ネットワークによるサービス維持を強調し、民営化反対などを打ち出した。微妙なのが民主党だ。
≪郵貯・簡保のお金は「民」に流れますか≫
民主党は年金問題を最重要課題とし、選挙戦を進める考えだが、郵政での踏み込みぶりが目立つ。公示直前に岡田氏は、「郵貯・簡保は民営化か廃止しかない」と述べ、31日の各党政策討論会では枝野幸男幹事長代理が自然減とはいえ「8万人の人員リストラ」と明言したのである。
当初、郵政は争点ではないとした民主党も過熱する郵政論議に危機感を持ち、マニフェストの重点項目にした。その際、与党との対立軸にしようとしたのが、「資金規模の縮小」だった。
「郵貯・簡保の規模を徹底的に縮小し、公的部門に流れる資金を民間部門に取り戻す」と主張。現行1000万円の郵貯預入限度額を段階的に500万円まで引き下げ、8年以内に郵貯を半減し110兆円にすると明記した。
郵貯・簡保マネーを民間に流し、経済を活性化させ、非効率な官ビジネスの温床である特殊法人の改革につなげる点では民主党も与党と同じ。
ただ、与党がマニフェストで「次期国会で成立させる」とした法案に数値目標はない。民営化と同時に郵貯・簡保の新規契約分の政府保証が外れ、利用者離れが起き、資金は縮小するとのシナリオだ。これには「完全民営化後も政府との出資関係が続く余地があり、利用者は『暗黙の政府保証』があるとみて、資金流入に歯止めがかからない」(大手銀行幹部)との懸念がくすぶる。
そこで民主党は「与党案では郵貯・簡保の規模は縮小せず、官から民へお金は流れない」(政調幹部)と、具体的な預入限度額引き下げを打ち出した。第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミストは「かつて大量の定額貯金が民間に流れた際、5−8%が株式投資に回った。郵貯半減が実現すれば、株式市場に郵貯から年間8000億−1兆円の資金が入る可能性はある」と分析する。
ただし、現在500万円超の残高は50兆3000億円。民主党の主張通り、限度額を500万円にしても削減幅は目標の約4分の1にとどまる。「一部を投資信託に替えてもらうなどの営業政策を通じて残高を減らす」(民主党政調幹部)とするものの、実現性には疑問も残る。
さらに、収益源である郵貯の縮小は経営合理化に直結する。労組の分厚い壁を壊した本格的なリストラは可能か。「郵政」は「自民党をぶっつぶす」といった首相並みの自己変革を民主党に迫りつつある。
【2005/09/01 東京朝刊から】
(09/01 08:39)
http://www.sankei.co.jp/news/050901/sei025.htm
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