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□きょう投票 『未来』を選ぶ責任を果たそう [読売新聞・社説]
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050910ig90.htm
9月11日付・読売社説
[きょう投票]「『未来』を選ぶ責任を果たそう」
有権者の一票が、日本の針路を定める日だ。第44回衆院選はきょう11日、投開票され、新しい政治のかたちが決まる。
自民、公明両党の小泉連立政権の継続か、民主党基軸の政権か。政権選択が最大の焦点だ。
日本は、大きな岐路に立っている。
少子・高齢化の進展で、人口減社会は目前に迫っている。景気は踊り場を脱しつつあるとはいえ、日本経済は、なお本格回復の軌道に乗っていない。深刻な財政危機のもとで、年金など社会保障制度が持続可能なのかどうかも不透明だ。
将来への不安をぬぐえない。困難な課題に直面する中で、日本や国民生活の将来を選択する一票の持つ重みを十分かみしめて、投票権を行使してほしい。
小泉首相は、郵政民営化関連法案への賛否を問う国民投票だと位置付けた。
解散前は、郵政民営化への有権者の関心は薄かった。だが、解散後の世論調査では、投票する候補者や政党を決めるときに最も重視したい政策の2番目に上昇した。その限りでは、小泉流の手法が、成功したということだろう。
有権者の動向に、民主党も対案の提示を余儀なくされた。郵政公社を維持しつつ、郵便貯金の預入限度額を段階的に引き下げるとする対案を出した。
論戦の中で、岡田代表は郵便貯金と簡易保険について、「将来は民営化か廃止が筋」とも述べた。
しかし、国政の重要課題は郵政民営化だけではない。
【「郵政」だけが課題なのか】
たとえば、読売新聞の世論調査で、有権者が最も重視する政策課題は、社会保障制度改革だ。やはり老後への不安が大きいからだろう。
2007年から「団塊の世代」が現役を退く。また、人口の減少も本格的に始まる。すでに04年、女性が一生の間に産む子供の数の平均を示す合計特殊出生率は1・29で、過去最低だった。
少子化が進行すれば、現役世代が高齢者を支える、年金制度をはじめとする社会保障制度全体の根本的な見直しは避けられない。
民主党は、「年金目的消費税」を財源に充てる最低保障年金を設け、すべての年金を一元化するとしている。
与党は公務員の共済年金とサラリーマンの厚生年金の一元化を主張し、所得捕捉が難しく、未払い者が多い国民年金はその先の課題とした。
議論は、かみあったとは言えない。負担と給付の関係も明確ではない。だが、有権者にとって、自らの生活に直接かかわる極めて重要な問題だ。
【負担増は避けられない】
財政再建もこれ以上、先送りできない課題だ。国と地方をあわせた今年度末の長期債務残高は774兆円で、国内総生産(GDP)の1・5倍に達する。巨額の借金をいつまでも将来世代につけ回しすることはできない。
各党とも、大幅な歳出削減策に取り組むべきだとしている。当然のことだが、それだけでは限界がある。
自民党は、07年度をめどに消費税を含む税体系の抜本改革実現を政権公約に明記した。首相は07年度の消費税引き上げは否定したが、将来を考えれば、引き上げは避けられない。
民主党の岡田代表は年金目的消費税の税率を3%として、「3年間の徹底した歳出削減を行った後は増税も視野に入ってくる」との見解を示した。だが、財政再建全体との関係はどうなのかについては、明確な説明はない。
国民の負担をどう考えるか。右肩上がりの経済成長が望めない時代に、歳出削減だけでは財政再建は困難だ。中長期的に所得税の負担増も避けられなくなるだろう。有権者もこの点を見据えなければならない。
日本は今後、どういう国家をめざすのか。憲法問題は、それを考える手がかりになる。自民党は「新憲法制定に向けて具体的に動く」、民主党は「自らの『憲法提言』を国民に示す」として、いずれも独自の憲法案を明らかにするとした。共産、社民両党は「護憲」の立場だ。
憲法改正に賛成の国民は6割を超えている。総論ではなく、具体的にどう改正するのかを論議すべき段階だ。選挙戦での具体的な論議は乏しかったが、各党が憲法にどういう見解を持っているかは、十分考慮すべき点である。
日本を取り巻く国際情勢の変化は激しく、不透明だ。憲法と同様、外交・安全保障問題も重要な選択肢の一つだ。
【政策を見極める視点】
急速な経済成長を遂げ、軍事力を増強する中国とどう向き合うかは、21世紀の日本外交の最大の戦略的課題だ。
4年前のきょう、米国を襲った国際テロとの戦いも今、世界で続いている。
イラクへの自衛隊派遣については、民主、共産、社民の野党3党はそろって「撤退」を訴えた。この問題は、日本が国際社会の平和と安定にどんな役割を果たすべきか、という視点から判断する問題である。
説得力があるかのように見える表面的な言辞によって投票が左右されては、真の責任ある選択とはならないだろう。一票を投じ、未来を選ぶ責任は重い。
(2005年9月11日1時48分読売新聞)
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