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(ブログ紹介)Speak Easy 社会:あなたのために
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投稿者 ちあき 日時 2005 年 8 月 30 日 10:51:59: QYdgBsttAJ9L6
 

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2005年08月25日

あなたのために

ブログを続ける気が失せてきた。せっかく閲覧者が激増したのに、いけないことだとは思っている。理由を書いておこう。
今年、ある晴れた初春の美しい、風の薫る、輝かしい日、私は、日比谷公園から永田町へと向かって、いとしい人とともに歩いた。胸がつぶれそうなほど幸福だった。
山王日枝神社に参る。溜池、赤坂を見下ろす小高い急斜面の上の雛壇に社殿がある。面白いことに、参道は長いエスカレーターになっていた。政治家でも登るのだろうか?
境内に入り、参拝する。拝殿脇には小さな猿の像が控えめに立って、参拝者を迎えてくれる−サルタヒコさま。
日枝は琵琶湖岸の比叡山(ひえ)から来ており、その創成は、琵琶湖岸永田地区出身のサルタヒコであると言われる。
だからナガタなのだ。
ナガタ−汝が為−あなたのために

経済政策を中心として根本的な疑問をぶつけていくつもりでこのブログを始めたが、正直言って、やる気が失せてきた。
小泉首相の劇場的手法は、主要マスコミの支持もあって広く受け入れられるだろうとは予測していたが、これほど受けるとは思わなかった。
読みが甘かったと反省している。

人々は、特権に憧れ、他者の没落を、不幸を、転落を喜び、容赦なく、馴れ合いのない独裁に歓呼の声を上げる段階に入ったように見える。
経済政策なマクロ経済についての疑問を書いていくことも、同時代の日本人を相手にしたとき、何やら虚しい感じがしないでもない。

マクロ経済問題は、根源的には価値観の問題である。
ごく少数の特権者と、大多数の貧乏人とに別れる社会が良いのだと、正当なのだと、大多数の人間が価値観的に認めたとき、それがいかに国民経済上不利なことであったとしても、最大多数の最大幸福からはかけ離れたものであったとしても、それを批判することはできないのである。
日本人の主流の価値観は、もはやその段階に入ったのだろうか?

郵政民営化法案などについて書くことにも、本当は虚しさを覚えないでもない。
郵便事業は本当はかなりの単年度赤字だ。郵貯、簡保の国債による運用で得た利息を郵便事業に回しているだけだ。
だから郵貯銀行、簡保保険会社の総資産価値を高めるために、郵便事業を郵貯銀行、簡保保険会社から切り離さないといけないのだ。

郵便事業には多数の人が従事し、生活の糧を得ている。その多くは地方、過疎地の若者であり、また一家の柱である。 
このような事業では、賃金は、株主のもとに滞留することなく、労働者に直接に支払われる。
貨幣循環速度の遅い地方では貴重な現金である。都会で稼いでいるIQの高いA層の人間から見れば、たいした金額ではないはずである。

このように、労働力に対して直接に支払われる賃金は、消費と僅かな貯蓄とを通じて貨幣循環に寄与する。この恩恵を受けている人は、地方のあらゆる業種にわたるはずである。もちろん中央に本社のある製造業の製品も、彼らが購入している。

この事業は、ユニバーサルサービスであるがゆえに、たいして儲かるものでばない。
もし儲かるのなら、小泉首相と仲のよかったヤマト運輸は喜んで参入していたはずである。
特定郵便局すらも最近は後継者不足になっているそうである(日経ビジネス誌)。
少し出来がよければだが、東京で働いた方がよかろう。現在のような政治経済情況では、今後、地方は荒廃する一方だろう。
このような貨幣循環を必ずもたらす、労働力に対する直接の支出に対する国債利子の寄与に対して、なぜそれほどいきり立つ?
郵便事業を分割した後に行われるリストラによって、地方は荒廃するだろう。金が流れなくなるから。

特殊法人というものがある。仕事は一般に民間よりも楽で、給料は高い。平均で公務員の2割増しとも言う。
大蔵省管轄の財政投融資と一般会計からの補てんでまかなわれ、いまでは一般会計からの補てんと財投債や財投機関債でまかなわれている。
給料が高いのは、一般職員の話ではなく、天下りが多いからだそうだ。
これらは「第二の予算」と言われており、その配分は大蔵省−財務省の権限である。
こちらに腹を立てるんならわかる。明らかな特権だから。
お利口な天下りさんは、既にお金をためており、その上にお金をため込むことが趣味だから、デフレーションを促進する。

道路公団のあの騒ぎの後、天下り先ポストは3倍に増加したし、ファミリー企業は監査の目を逃れやすくなったと言われている。
今回のような郵政民営化法案なら、施行後に財投関係の整理は行われないだろう。
そんなことがどこに書いてあるのだろうか?

そのようなひねくれた目で見るとき、現在テレビで演じられている騒ぎは異様に見える。
私は小泉首相の手法が独裁的であり、議会における自由な議論と、良心に従って投票とを妨げかねない危険なものであると指摘してきた。
それと同時に、そのような指摘がほとんどの人に無視されることも知っていた。
だから書いたのだ。誰でも書けることなら、物書きに任せておけばよい。

もちろん、小泉首相は、独裁的だから人気があるのである。決して逆ではない。
人々は、独裁的に物事を裁断する指導者を求めている。
自分が強い立場に立って国家機構を動かしているかのような幻想に酔うことをのぞんでいる。
そんなことは馬鹿げた幻想である。我々はみな国家の前では無力な裸のサルにすぎない。

造反派議員に対する対処がひどいって? 
法案に対する反対という理由での自発的離党を勧告はひどい?
自発的離党しない場合に、当選後には党から除名するのがひどい?
そうである。だから人気があるのだ。

造反派議員が、そうでない議員よりもひどい汚職にまみれているのか?
どうなんだろう? 
全体としては、政党助成金への依存率は顕著に上昇している。特に民主党は凄い。まるで税金で食っているお役人みたいになっている。
政治家は以前に比べてずいぶんクリーンになっているとしか考えられない。

これに対して特殊法人への超多額の投資や天下りはどうなんだ?
これって財政を食い物にして国家を滅ぼそうとしているとしか言えないのではないか?

それなら、なぜその当の財務省からの落下傘候補が、改革の象徴として人気を集めるのだ?
本当はみんな財務省の強さと特権が好きなんじゃないのか?

造反議員は確かに地元の比較的少数の利害を代表する結果になっていたと思うし、私も別に好きではない。
投票率は年々低下している。小選挙区制の弊害が現れているのかもしれないと思う。

しかし、ここでも、やっぱりたまたま弱い立場に追い込まれてしまった者の没落を、転落を喜び、それを弾劾へと向かって追い詰める手法に対して、喜びを得ているのではないのか?
どうにもひっかかるのである。

時間外取引や、放送法にひっかかりかねない出馬など、法の僅かな隙間を縫ってうまく立ち回る行為が、改革の象徴として人気を集めているのは、なぜなのだ?
頭を働かせてうまく立ち回り、金銭をかき集める行為が、正当で称賛すべき行為となるのは、どうしてなのだ?
他人を睥睨する特権に憧れていないか?
そんなものは幻想だ。
特権はあなたを素通りする。

日本語は美しい。
ナガタとは「あなたのために」ということである。
この価値観を否定する集団は、永らく暗き道をさまようことになる。
時事問題やブログから足を洗って、微力ながら、暗き道の最果てにたたずむ未来の人々のための作業に移ろうかとも考えている。


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