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”一週間遅れは 誤算? 正解?”
小泉純一郎氏に30年余仕えてきた首相秘書官、飯島勲氏の語録が残る。政権発足から半年の2001年秋─。
「漫画本やスポーツ紙、婦人雑誌の取材に最優先で応じてきた」
「国民の7割は政治に無関心。新聞の政治面なんて読まない。見るのはスポーツ紙の政治面、テレビのワイドショー」
受け取りようでは、国民を軽んじる失敬な話。が、支持率の高さの理由がそんなふうに説明されては、毒気にあてられて、なるほどねぇと聞き入ったのを思い出す。
4年後のいまも小泉スタイルは変わらない。それが効き目を失わずにいた証しは、小泉自民党が急な支持率再引き上げに成功したことにある。
争点を郵政一本に単純化して、ワイドショーを刺客騒ぎで占領した。「政治面なんて読まない」人も無党派の若者も主婦層も、ひと固まりで動かす、ばくちじみた小泉サイドの仕掛けが的中している。
「圧勝」説も流れる小泉自民党。このままゴールへまっしぐら、なのか。もし不安があるとしたら、後ろへ一週間ずれた日程か。こんな見方が与党陣営にも広がっている。
衆院解散の直後、首相と党執行部は「23日公示─9月4日投票」に執拗にこだわっていた。これが一週遅れの「30日公示─9月11日投票」になった。公明党・創価学会からの「準備が間に合わない」との要求に、渋々折れたためだという人もいる。
仮に4日投票であったなら選挙は今ごろ最終盤。いまマスコミ各社の世論調査の示す小泉自民の優位が、かなりの可能性で投票動向へ反映されていったはずである。
日程のずれがつくった微妙な時間的空間は、郵政だけの選挙でいいか、年金とか税とか、何もかも自民に白紙委任するわけにはいかぬ、という論調に弾みをつけさせた。
刺客騒ぎもぼちぼち落ち着いて、党本部と県連とのねじれの深刻さ、分裂選挙の共倒れ不安がささやかれるようになっている。幹事長・武部勤氏が、選挙後の復党容認を”改心する造反組”へ呼びかけたのも、背景にはそういうことがあったのだろう。
延びた一週間。
後日あれが岐路だったと振り返ることになるかもと思いつつ、選挙戦の号砲を聞く。
「東京新聞」コラム『政理整頓』論説副主幹:谷政幸 8/30 朝刊より
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