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労働新聞 2005年8月25日号・3面
http://www.jlp.net/syasetu/050825b.html
小泉首相はなぜ郵政民営化を急ぐのか?
米国と財界の要求を強行
小泉首相は8月8日、郵政民営化法案の参院での否決を受けて、衆院解散・総選挙に打って出た。小泉首相は「郵政民営化は改革の本丸」「賛成か反対かを国民に問う選挙だ」と声高に叫んでいる。なぜ、小泉首相は郵政民営化をこれほど急いでいるのだろうか。その背景には、米国と財界の一貫した圧力があることが見えてくる。小泉・竹中らは、日本国民の財産を米国や1部多国籍大企業に売り渡す売国奴である。彼
らのペテンを暴露し、郵政民営化を阻止しよう。
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小泉政権が狙う郵政民営化は、340兆円といわれている郵貯・簡保の資金をグローバル市場に放り出させ、多国籍企業や金融資本家たちの食い物にしようという動きである。
それは、米国の要求である。わが国金融市場の開放をめぐる米国の要求は80年代からあった。
1994年からは、米国は通商代表部(USTR)が作成する「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書」(年次改革要望書)によって、日本の市場開放、規制緩和を求めてきた。
99年版年次改革要望書では、簡保を含む政府系保険制度の「削減または廃止」を強く求めている。
この要求は、小泉政権が誕生して一気に強まった。
2001年に小泉政権が誕生した直後に行われた日米首脳会談では、「成長のための日米経済パートナーシップ」を発表。ブッシュ大統領と小泉首相は「日米規制改革および競争政策イニシアティブ」(改革イニシアティブ)を設置し、以降、毎年日本が「目に見える」成果を点検される場となった。
米国政府は、03年の年次改革要望書で「郵政民営化」を正式に要求した。 さらに04年の年次改革要望書では、郵政民営化が中心課題に位置づけられた。民営化の工程を含む詳細な対日要求が並べられた。
なぜ、この時期、米国は日本の郵政民営化を強引に推し進めようとしたのだろうか。そこには米保険業界の圧力があるといわれている。昨年の米大統領選挙に際し、米保険業界は「日本の簡易保険の開放」をブッシュ再選支持の条件の1つとして要求している。
04年9月10日、小泉首相は自民党の意向を無視して、郵政民営化の基本方針を閣議決定したが、これは9月21日のニューヨークでの日米首脳会談の前に、閣議決定をしておかなければならなかったからだ。これによってブッシュ大統領は米保険業界の支持を得ることができたといわれている。
要するに小泉政権の目玉である郵政民営化は、簡保を解体して日本の保険市場の支配・統合を狙っている米国保険業界や、金融複合企業などの要求にそったものであることが分かる。
また、郵政民営化を推し進めている日本経団連などの財界の意図も見ておかねばならない。北城・経済同友会代表幹事は、「反対の人を公認するのはおかしい」と、自民党内の改革反対派一掃に向け、小泉の尻をたたいている。
グローバル資本主義の下で米国とともに生き残ろうというわが国多国籍大企業も、この巨額の資金を狙っているハゲタカである。
併せて財界は「小さな政府」という口実で公務員を削減し、競争力強化のための国内体制整備を狙っている。
米国や多国籍企業の忠犬として大多数の国民に痛みを押しつけ、その財産をも市場に放出することをもくろむ小泉売国政権を打ち破ろう。
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資料 郵政民営化をめぐる米国などの動き
・『ウォールストリート・ジャーナル』(米国紙8月8日付)
郵政民営化法案は廃案となったが、これは手取りの時期が少し延びたに過ぎない。
ほんの少し待てば、われわれは(郵貯・簡保の)3兆ドルを手に入れることができ
る。
・米国の『年次改革要望書』(抜粋)
2002年の改革要望書
郵便事業の公社化を透明性の高いやり方で行い、かつ郵便金融機関が取り扱う商品
を拡大させることがないようにする。また、民間の同業者に適用されているのと同じ
規制基準を郵便金融機関にも適用する。(10月23日)
2003年の改革要望書
郵便金融機関 郵政事業の民営化が透明な形で実施され、郵便金融機関の取扱商品
の拡大を抑制し、民間の同業者に適用されているのと同一の規制基準が郵便金融機関
にも適用されることを確保する。(10月24日)
2004年の改革要望書
日本郵政公社に付与されている民間競合社と比べた優遇面の全面的な撤廃は必要不
可欠である。これらの優遇面は、米国系企業および日本企業の双方にとって同様に、
長年の懸念となっている。
保険、銀行、宅配便分野において、日本郵政公社に付与されている民間競合社と比
べた優遇面を全面的に撤廃する。民営化の結果、歪められていない競争を市場にもた
らすと保証する。
日本郵政公社の保険および貯金事業においては、真に同一の競争条件が整うまで、
新規または変更された商品およびサービスの導入を停止する。これらの事業に、民間
企業と同一の納税条件、法律、規制、責任準備金条件、基準、および規制監督を適用
するよう確保する。
郵便業務の規制当局は日本郵政公社から独立しかつ完全に切り離された機関である
ことを確実にし、民間部門と競合するビジネス分野における競争を歪曲するような政
府の特別な恩恵を日本郵政公社の郵便事業が受けることを禁止する。
日本郵政公社の保険および銀行事業と公社の非金融事業の間で相互補助が行われな
いよう十分な方策を取る。競争的なサービス(すなわち、宅配便サービス)が、日本
郵政公社が全国共通の郵便事業で得た利益から相互補助を受けるのを防止するため、
管理を導入する。
特に郵便保険と郵便貯金事業の政府保有株式の完全売却が完了するまでの間、新規
の郵便保険と郵便貯金商品に暗黙の政府保証があるかのような認識が国民に生じない
よう、十分な方策を取る。(10月14日)
・日本経団連 郵政民営化の着実な実現を望む (抜粋)
「官から民へ」の流れの中で、政府部門の再定義を通じ、小さな政府を実現する制
度・規制の改革が進められている。郵政民営化は、一連の改革の中で最も規模が大き
く、その帰すうに、構造改革全体の成否がかかっている。
日本経団連としては、郵政民営化の意義を以下の三点と考えており、その推進に全
力を挙げて取り組んでいく。
1・ 公務員数の縮減
2・財政負担の軽減と歳入増加
3・資金の流れの改革
(04年12月6日)
・北城恪太郎 経済同友会代表幹事(抜粋)
小泉総理は、郵政民営化を構造改革の本丸と位置づけ、官主導から民間主導の社会
に変えていく重要な政策として、選挙を戦ってきた。(中略)そういう意味で、国民
の信を問うということで解散が行われるのは妥当だと思うし、結果として、総選挙で
国民の支持を受けて、郵政民営化や構造改革、官から民への流れを加速していただき
たい。(解散は)本格的な改革に踏み込むための重要な決断であり、私は支持したい
と思う。(8月8日)
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