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インタビュー:単独過半数獲得は非常に難しいが、比較第一党は可能=小沢民主党副代表
2005年 08月 26日 金曜日 20:45 JST
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[東京 26日 ロイター] 民主党の小沢一郎副代表は、ロイターのインタビューに応じ、今回の衆議院選挙の見通しについて、小泉首相の劇場型選挙戦術で、民主党は厳しい情勢にあるとの認識を示した。民主党の単独過半数獲得についても、非常に難しいが、比較第一党は十分可能だと述べ、新党との首班指名での協力も視野に政権交代は可能と述べた。
公示前の選挙前哨戦の情勢分析について、「今の時点で直ぐ選挙をすれば、自民党に勝てない」など、大都市での厳しさを指摘。「大都市において、小泉さんのパフォーマンス、マジックに浮動層の目が向いている」とした。そのうえで、「流れを変えることはできる」とし、岡田民主党代表と小泉首相による公開討論会などを通じ、民主党が、明快で力強いメッセージを国民に送ることができるか否かが勝敗を分ける、と強調した。
インタビューの概要は以下のとおり。
──郵政民営化法案が参議院で否決されて衆議院を解散した。今回の小泉流選挙の意味は。
「本来ならば、退陣だ。彼の巧妙なところは、退陣しなければならないような事態をすり替えて、郵政民営化法案に賛成か反対かということで衆議院を解散する。全く、筋道の違う、大義名分のない解散だ。
しかし、その後の派手な候補者擁立などのパフォーマンスで、なんとなく今までと違うことに目を奪われている人が多い。特に都会でそうだ」
──衆議院解散後の世論調査では、内閣支持率は上昇傾向にあり、民主党支持率は下落している。比例で投票する政党についても同様の傾向で、25日付朝日新聞の調査では、自民と民主の差はダブルスコア以上になっている。この状況をどう分析するか。
「派手なパフォーマンスだけが、マスコミで報道される。そういう奇策を打ち破るだけのパンチが、民主党から出ないところに、低迷している最大の原因がある。
ただ、今の小泉自民党の支持率が高い傾向は、小泉さんの理念や具体的政策を理解したうえでの支持ではない。ムード、人気だ」
「そうしたことを一番わかりやすくするには、次に総理大臣になる可能性のある2人が、国民の前で議論することだ。民主党が公開討論会を申し込んだら、小泉さんは逃げ回っている。長い政策論争になると、自信がないからだ」
──選挙の見通しについて。岡田代表は25日の外国特派員協会での講演のなかで、「都市部が厳しい」と指摘した。本来、都市部で強い民主党が厳しいとは、何が起きているのか。
「今は、大都市において若干、小泉さんのパフォーマンス、マジックに、浮動層が目を向けている。一方で、民主党から明快なメッセージが届いていないから、余計そうなっている」
──流れは変えられるか。
「公開討論を成功させたら、完全に変えられるだろう。小泉さんが逃げまくれば、それも情勢を変えるだろう」
──26日付朝日新聞では、民主党委託の民間調査では、150議席という厳しい情勢が示されている。現有175議席を大幅に下回る厳しさだが。
「その調査をした時点ではそうだろう。浮動層はまだ、小泉マジックに踊らされているから。しかし、そんなものはすぐ動く」
──政権の枠組みはどうなるか。自民党から離党した郵政民営化反対派議員の新党結成が相次いでいる。連携の可能性は。
「民主党が単独過半数をとることが目標だ。それは非常に難しいが、比較第一党はちょっとムードを変えれば可能だ。その時には、連携という言葉でイメージするようなことではなくて、民主党中心の政権ということで多数を確保できるのではないか」
──首班指名の時に協力するということか。
「そういうことだ」
──最近の世論調査では、国民は自民党中心の政権を望んでいる。
「解散後の調査で旧来と違う点が3つある。(1)解散後は、野党の支持率が上がり、与党が下がるのが旧来だが、そうなっていない。(2)どちらの政党が議席を増やしたほうがよいかという質問に対して、本来は、民主党支持が突出していたが、自民党のほうが多くなっている。(3)どこを中心とした政権を望むかとの質問にも、自民党中心の政権との結果になっている。この3つは、解散後の小泉劇場にやられているという感じだ」
──小泉さんのパフォーマンスと受け止めるか、自民党が守旧派的なものをそぎ落とした改革のイメージをつけたからだと受け止めるか。受け止め方によるが。
「そこが、小泉さんのうまいところだ。小泉さんは、日本の統治機構、行政をどういう形に変えるか全く示していない。示す能力もない。仮に郵政民営化をしたからといって、全体の官僚機構はびくともしない。そこを、小泉さんはうまくすりかえて、郵政民営化は改革の本丸だと言う」
──選挙後の政界再編の可能性は。政治改革の旗のもとに政界再編となった93年のように、何かの旗のもとに政界再編という流れになるのか。
「自公が衆議院で過半数をとったからといっても、参議院は何も変わらない。郵政法案は、また否決される可能性がある。その時は、小泉さんは辞めざるを得ない。今回はハプニング的な解散だか、政局としては、そう遠くない時期に、また衆議院解散・総選挙になるだろう。2年ぐらいの間にもう一度総選挙になると思う。そして、その時は最後の審判だと思っている。私個人にとっても、日本にとっても、主権者が冷静に客観的に、手遅れにならないうちに判断を下すラストチャンスがその総選挙だろうと思っている」
──武部自民党幹事長は、郵政民営化を軸に民主党が割れる可能性を指摘した。その可能性は。
「そのようなことはあり得ない」
──単独過半数を取るのは難しいが、比較第一党になる可能性はある、と言われた。しかも、次の総選挙にまで言及された。今回の選挙は勝てないとのニュアンスか。
「そんなことはない。勝つ可能性は十分ある。今の状態で選挙すれば、比較第一党にもなれない。このムードを転換するために岡田さんに言っているのは、政策をもっと強く、強い言葉で、簡潔にびしびしやって欲しいということだ。そうでないと、小泉さんのパフォーマンスには対抗できない」
──政権交代の可能性は。
「十分ある。非常に厳しいことは間違いない。しかし、可能性がないということでは絶対にない。なぜなら、一般国民は政治を変えなければいけないという意識を持っている。ところが、民主党のメッセージが届かないので、あたかも、小泉自民党が変えてくれるという錯覚に陥っている。
小泉さんはインチキだ。だから、民主党はこうするという明確な強いメッセージを国民に送り得るかどうかだ。それをやり遂げれば、絶対勝てる」
「今の時点で直ぐ選挙すれば、自民党に勝てない。しかし、このムードを転換させるような力強いシグナルを国民に送ることができれば自民党に勝てる。
もちろん、単独過半数となるかどうかはわからない。しかし、比較第一党になることは十分できる。単独過半数獲得が無理だということではない。わからないということだ。しかし、比較第一党の可能性は十分ある」
──岡田代表が単独過半数を目指していると主張しているなかで、「比較第一党は可能だ」と言うのは、白旗を揚げたと映らないか。
「そんなことはない。自民党も比較第一党を目指し、公明党と合わせて過半数を確保すると言っている。単独過半数が目標だが、政権を取るには比較第一党で十分だ。当たり前だ」
(インタビュアー:吉川裕子記者、リンダ・シーグ記者)
※(ロイター通信日本語サービス編集部 吉川裕子編集委員 ロイターメッセージング: yuko.yoshikawa.reuters.com@reuters.net、Eメール:yuko.yoshikawa@reuters.com、電話:03-3432-8930)
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