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【１１区で前哨戦本格化】（中日新聞）
http://www.chunichi.co.jp/00/kgw/20050825/lcl_____kgw_____001.shtml
三十日の衆院選公示を前に１１区（横須賀、三浦市）で二十四日、出馬を予定している自民党の小泉純一郎首相の後援会事務所開きと、民主党の斎藤勁参院議員の決起集会が開かれ、前哨戦が本格化してきた。
横須賀市内の小泉氏の事務所開きには、支援者約三百人が出席。神事に続いて開催した拡大選対会議では、小泉事務所を中心に市議でつくる「小泉改革を推進する議員団」や推薦団体などが、選挙区入りできない首相に代わって、草の根で郵政民営化など小泉改革の必要性を訴え、支持拡大を目指す方針を決めた。
一方、同市内のホテルで開いた斎藤氏の決起集会には四百人を超える支持者が出席。斎藤氏が首相に挑む決意を披露し、応援に駆け付けた江田五月党参院議員会長や推薦する連合神奈川の白石敏雄会長らがエールを送った。最後に出席者が首相に対し、一斉にレッドカードを掲げるパフォーマンスで気勢を上げた。
また、共産党の瀬戸和弘氏は毎朝、鉄道駅前で続けている街頭演説のほか、有力支持者回りで郵政民営化反対や庶民増税反対など政策の訴えに力を入れている。
【２００５夏 総選挙 激変 神奈川１１区 民主党の挑戦】（東京新聞）
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050822/mng_____tokuho__000.shtml
小泉純一郎首相（６３）は、郵政民営化での造反組への対立候補擁立で、国民の耳目を集めている。一方、地盤沈下を恐れる民主党は、小泉首相の地元・神奈川１１区（横須賀市、三浦市）に、「参院のエース」（同党）、斎藤勁（つよし）・党総務局長（６０）を送り込む。地元は小泉人気が圧倒的で、事実上の無風区だったが、横須賀市長選挙をめぐり保守層内部のしこりも指摘される。「小泉の牙城」１１区の熱い戦いは－。 （市川隆太、大村 歩）
「小泉さんは、いろいろ言うが、ほとんど（実現）できていない。四年間、おつかれさま。あなたでは無理でした。民主党にお任せください、と言いたい」。八月十四日夕、横須賀市の繁華街に、ワイシャツを腕まくりして絶叫する岡田克也・民主党代表（５２）の姿があった。
「ブレアさん（英首相）は私と同い年、プーチンさん（ロシア大統領）も一歳違い。新しい感性でやっていかないとだめだ。みなさん、私たち民主党にやらせてください。そのためには、私たちの切り札、斎藤勁を当選させていただきたい」
オクターブを上げた岡田代表が宣伝カーを降りて商店街に繰り出すと、集まった市民から握手攻めに。「テレビで見るよりかっこいいね」。若い女性から、こんな声も飛ぶなど、「小泉城下町」にしては好意的な反応に、斎藤陣営も、胸をなで下ろした。四日前には菅直人・前代表も横須賀市に駆けつけており、神奈川１１区を「最重点地区」と位置づけ、小泉首相に挑む民主党の鼻息は荒い。
しかし、後援会幹部らが「本当は反対だ」と斎藤氏に直言した通り、はたから見れば自殺行為にも等しい挑戦であることは、数字が物語っている。
前回の二〇〇三年の衆院選で小泉首相は約十七万四千票を獲得、民主党新人（約四万六千票）を一蹴（いっしゅう）した。小泉首相の得票率は、７４・４％である。
神奈川政界の事情通が言う。「首相が、めったに地元入りしなくても、親族がしっかり地盤を耕している。横浜、川崎など都市部に比べ、横須賀、三浦はかなり保守的。そんな土地柄の中で、代々、政治家という小泉ファミリーのブランド力は、圧倒的だ」
参院議員の議席を投げ捨て、盤石の守りの敵陣に戦いを挑む斎藤氏は、どういう勝算があるのか。
斎藤氏は終戦の年の七月、横浜に生まれた“ハマっ子”。横浜市役所に勤務しながら定時制高校と大学を卒業した。一九九五年に参院初当選する前は、横浜市議を二期務めた。夫婦そろってのカラオケ好きは有名で、ＣＤデビューも果たしている。
１１区への斎藤氏擁立は先月十四日、横浜市のみなとみらい２１地区で開かれた「国政十年 斎藤勁を励ます集い」の場で、岡田代表の口から、唐突に飛び出した。「小泉首相との対決を、責任をもってやれるのは、斎藤さんしかいない。突然だと思うが、応援してほしい」
出席者によると、詰めかけた千五百人の支持者は一瞬、あっけにとられたように静まり、次いで、どよめきと拍手が交錯する異様な雰囲気に包まれたという。「奥さん、一瞬、暗くなっちゃったようですけど…」。まじめな人柄で知られる岡田代表の、とってつけたような冗談が、聴衆たちに、かえって事態の深刻さを印象づけた。
ある民主党衆院議員は、「斎藤さんにとって、たいへんな戦いだ。党内には『斎藤は死に場所を求めに行った』と言う人もいる」と悲壮感が漂っている。
しかし、「実は、斎藤氏自らが“刺客志願”した」（民主党参院議員）という説もある。今年初め、斎藤氏が岡田代表に詰め寄る姿がみられた、と民主党関係者が明かす。「小泉政治打倒を掲げて１１区に候補を立てないと、民主党としてダメだ。俺（おれ）が出る、としたら、代表は、どう受け止めますか」
岡田代表のトップダウンなのか、斎藤氏の志願なのか、真相は不明だが、「こちら特報部」の取材に斎藤氏は「最大の牙城への挑戦。政治家みょうりに尽きる」と笑顔さえのぞかせる。「決して『当たって砕けろ』じゃない。勝ちに行くんだ」。選挙戦では、郵政民営化の是非論より、「小泉独裁政治」を批判、支持を訴えていく。
民主党にとって、神奈川県は重要な勝負どころだ。１６区（相模原市の一部、厚木市、伊勢原市など）、１７区（小田原市、秦野市など）を、自民党の亀井善之元農相、河野洋平前衆院議長が押さえている。「都市型政党とみられてきただけに１６区、１７区、１１区など、周辺部への食い込みは悲願」（民主党県連関係者）
こうしたなか、前回選挙で１６区は、当選した亀井氏の得票率５５・４％に対し、民主党新人は３６・７％。１７区は当選の河野氏５７・３％に対し、民主党新人が３４・７％だった。小泉首相の高い得票率を許した１１区は、嫌でも目立つ。「小泉批判をしている民主党が、こんな状況を放置していていいのか」。そんな空気が党内に広がり、斎藤氏が火中のクリを拾った形だ。
「会社員時代、勤務実態がないのに厚生年金に加入していたことをめぐる『人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ』という小泉発言が斎藤氏を奮起させた」（同氏周辺）という声も。
受けて立つ自民党はどうか。前回も小泉首相が一度も地元入りせず勝った小泉陣営は、今回も首相の実弟正也氏を中心に小泉事務所が戦う方針だという。「今回は選対本部長を置かない。理由？ 置かなくても勝てるから。市長選で割れる動きがあったが、今は関係ない。好きだろうと嫌いだろうと、小選挙区なんだから自民党籍がある人ならば選択肢は一つしかない」と語るのは地元選出の牧島功・神奈川県議会議長だ。
だが微妙な情勢も生じている。六月の横須賀市長選で、小泉首相は、地元保守系議員らとは別の官僚出身候補を後押し。これに地元が反発した。
この影響で実動部隊は少し慎重だ。竹折輝隆横須賀市議は「市長選が終わってまだ一カ月ちょっと。割れたしこりはないことはない。その辺をどう乗り越えていくかだ。斎藤さんに対する緊張感はある」と話す。
もっとも小泉陣営にとっての問題は「勝ちっぷり」に尽きるようだ。「今回はまさに改革を問うといって解散したんだから。その張本人の票を前回より減らすことがあっては大変だ。最低、前回並みを目指す」（竹折市議）
■共産党陣営は健全野党訴え
一方、党三浦半島地区委員会副委員長の瀬戸和弘氏（５３）を立てる共産党は「小泉首相は、郵政民営化を国民に問う選挙と言っているが、こちらとしては、国民から見れば全国一律サービスがなくなる、ということを訴えてゆく」（瀬戸陣営幹部）。民主党に対しても「民主党は自民党と大差がない。増税反対、憲法九条の問題を通じ、健全野党は私たちだ、ということを有権者に伝えたい」（同）と力を込める。
【英治】単純に自民・民主両陣営の２４日の決起集会に参集した支持者の数を比較
しても３００対４００と民主が互角以上の勢いで自民を圧している状況が見える．
横須賀は盤石の牙城を誇ってきた小泉城下町だが保守分裂となった６月の横須賀
市長選のしこりもまだ癒えきらず，選対本部長不在という選挙をどう戦うのか？２００１
年までの小泉選挙を仕切り小泉を連続１０回当選させた竹内清（元県会議長）が広
域暴力団稲川会前会長石井進と刎頚の仲であるという事実はすでに「海外」にまで
知られているが，前回の選対本部長竹内英明（県議）は竹内清氏の息子である．
結局，今回の選挙は小泉の実弟が仕切るということになったようだが，ほとんど親族
と公明党に頼るしかない選挙になりつつある形勢だ．明らかに小泉ファミリーの過去
の栄光にもようやく翳りが見えてきた．２００４年には政策秘書を務める親族（実姉）の
絡む政治資金流用疑惑が発覚している．小泉は最初の選挙で落選の憂き目を見て
いるが，このときの敗因は①特定郵便局長会，②レイプ事件の後遺症と言われてい
る．今回の選挙が小泉に取って最悪のパターンになることはほぼ間違いないだろう．
参照：【きっこの日記】http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20041208
斉藤つよし参議院議員の出馬が土壇場で押し付けられた「逆刺客」ではないというこ
とは強調されてもよいだろう．斉藤氏がこの日に備えて予め支援者の前に小選挙区
神奈川１１区への事実上の出馬表明を行ったのは，衆議院本会議で小泉郵政改革
法案が５票の僅差で可決された２００５年７月５日から数えてわずか９日後であった．
それにしても９１１という数字への（カバラ数秘術的）こだわりが小泉自爆選挙（海外
では自殺選挙とも呼ばれる）の最大の敗因となるかもしれない．つまり，これによって
反小泉勢力に８月８日の解散から投票までの３４日間という反撃に十分な時間を与
えられることになったと考えられるからである．
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