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【混沌05総選挙】胸中は複雑「造反組」 元郵政相「戦い方」三者三様(08/23)
徹底した“ドブ板”。「党本部の公認候補支援せず」と強硬な地元県連をバックにしながらも、「法案反対の真意がどこまで分かってもらえるか」。「自公選挙協力」で身を引き、「比例単独」に期待をかけてヤキモキ…。郵政民営化法案に反対票を投じた自民党「造反組」のうち、かつて郵政大臣を務めた3人の胸の内は複雑だ。同じ閣僚仲間だった小泉純一郎首相(63)の民営化論と戦いながら、今は追われる立場の悲哀も。三者三様の元郵政相の姿を追った。
◇
≪岐阜1区 野田聖子氏≫
■「法案反対」説明難しく
聴衆からヤジが飛んだ。「なくなるかどうか、わからへんやないかい!」。二十日、岐阜市の商店街。野田聖子氏(44)=岐阜1区=が街頭演説で「郵便局の全国一律料金(制度)がなくなるかもしれない」と口にした直後だった。
支持者は「あんな酔っ払い、ほっとけ」と小声で反発した。だが野田氏はヤジに呼応するように、説明を続けた。
夫の鶴保庸介参院議員(38)を伴い、解散後初めて地元県議、市議にあいさつ回りし、事務所へ戻った十六日夜。野田氏は誰にともなくつぶやいた。「自分の考えを分かってもらうこと、難しい…」
対立候補のエコノミスト、佐藤ゆかり氏(44)が「政策論争をしたい」と東京・永田町の自民党本部で会見した二十日夜。野田氏は岐阜市内の夏祭り会場で、青い祭りばんてんを羽織って人だかりの真ん中にいた。支持者の女性(66)は「聖子ちゃんの武器は人柄。つべこべ言わんでも、聖子ちゃんだから一票入れる」。
が、地元支援者は楽観していない。造反組の野田氏支援で固まり、佐藤氏を支援した地元議員を処分する方針を打ち出すなど、全国で最も“強硬派”の自民党岐阜県連。その関係者は野田氏の「人柄戦術」に危機感を示す。「岐阜の有権者も都市型になってきている。主張を理解してもらえなければだめだ」
「民営化に反対しているのではなく、法案に反対した」と繰り返す野田氏だが、県連関係者は「どこまで理解されるか、全く未知数」と厳しい。戦後最年少閣僚(三十七歳)として小渕内閣で郵政相で入閣した野田氏。それから七年後の今、“強硬県連”をバックにしながらも、予断を許さない選挙戦を強いられている。
◇
≪福岡10区 自見庄三郎氏≫
■エリート医師“ドブ板”に徹す
「今回は『裸の庄ちゃん』であります。本当に厳しい選挙、皆さんにお願いさせていただきたい」
十八日、北九州市のホテル。自見庄三郎氏(59)=福岡10区=は集会で、約三百人の地元企業関係者を前に危機感をにじませた。
「裸の庄ちゃん」とは「党の公認もなく、生身の自見を見てほしい」との意味だ。連続七回当選。橋本内閣の郵政相として、厚相だった小泉首相と郵政「国営維持」をめぐって激しくやりあった。「自民党は自由闊達(かったつ)な議論ができる党」と小泉発言自体は容認していたが、今は小泉首相から「公認」を剥奪(はくだつ)され、対抗馬をぶつけられる立場だ。
集会だけではない。公示前から地元の居酒屋にまで顔を出し、客の手を握る。盆踊りにも加わり、「裸の庄ちゃん」を繰り返す。九大医学部卒で米ハーバード大研究室に進んだエリート医師の自見氏が、華麗な経歴とは対照的な“ドブ板選挙”に徹している。
自民党福岡県連は、党執行部が擁立した西川京子参院議員(59)を支援するとしているが、地元市議は「自見支持」。地元経済界は佳境に入った新北九州空港工事など景気浮揚策と、自見氏への“義理”をてんびんにかけ、「自民党という看板あっての自見先生なのに…」と困惑を隠せない。「相手(西川氏)は比例で救われる。しかし、庄ちゃんは小選挙区で勝つしかないんです」と訴える自見氏。ある県議は「民主が漁夫の利を得る事態だけは避けたい」と話した。
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≪東京12区 八代英太氏≫
■おわび行脚…比例「特例」待つ
「自公が協力しなければ民主を利するだけ。私の決断を理解してほしい」。公明党の太田昭宏・幹事長代行(59)の出馬に配慮し、東京12区からの出馬を取りやめた八代英太氏(68)。支持者の家を連日回り、「おわび行脚」を続けている。
小渕、森内閣で郵政相を務めた八代氏は、日本郵政公社法成立に深く関与し、「郵政改革には誰よりも力を入れて取り組んできた」という自負がある。「郵政民営化自体は支持する。しかし四分社化を目指す法案には賛成できない。郵政行政に携わった人間として、一体的民営化でなくてはユニバーサルサービスは維持できないと考える」
小泉首相の手法に反発し、無所属で小選挙区からの出馬方針を固めた八代氏だったが、党執行部からの説得に折れた。
だが、引退するつもりはない。党執行部に恩を売った形の八代陣営は、比例単独での出馬を期待している。支持者からも「首相も感謝の言葉を述べている。何らかの救済措置があるはずだ」との声が出ているが、後援会幹部は「うわさばかりで、党執行部から実のある話は来ない」と渋い顔。党北区総支部では「八代の努力をもっと高く評価してほしい」と近く党執行部に要望する方針だ。
「迷い道 神のご守護に 身をまかせ」。八代氏はホームページにこんな一句を掲載した。「困ったときの神頼み」ならぬ「小泉頼み」といったところの八代氏。特例としての比例単独出馬は認められるのか、やきもきした状態が続く。
http://www.sankei.co.jp/databox/election2005/0508/050823m_nat_09_1.htm
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