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<政理整頓> ”恐るべし「小選挙区制」” 「東京新聞」8/17
太平の世を閉じる動乱の幕末、その先にくるのは明治維新か、と思っていたら、一気に戦国代へと逆戻り。そんな感じがしてならない。
シナリオも演技も”自作自演”の小泉首相。「郵政」一本で仕上げたハード作品が上演中だ。今のところは見事に大衆の目を引きつける。
郵政解散から間をおかず、自民党の造反組、その縄張りである選挙区に、現職の女性官僚やエリート官僚、市長らを続々と送りつけた。
俗にいう刺客どころか、彼ら、彼女らは、一国の城主に取って代わる”国盗り物語”の主役に擬せられる。
錦の御旗は「構造改革」である。この際、二大政党の一翼、岡田民主党のお株を奪って、いずれ出てくる民主の予備軍も取り込んでしまおうというわけか。全国規模で一網打尽、わしづかみにして。
そこにはウルトラ長期政権への小泉戦略さえうかがえるようで、これは、ただ者でないなと、うなってしまう。
一つの議席に一人、小選挙区主体の衆院だ。政権与党の大物が居座ると新人はなかなか出にくい。だから人材は野党に流れ、ひいてはそれが健全な政権交代を可能にする誘因となる─と言うのが、小選挙区制導入の論拠であった。
あくまでこれは与野党間の争いを想定してのことなのだが、郵政民営化の賛否を問う選挙だからと、小泉氏は自分の党を手術台に載せた。のたうつ自民を押さえつけ麻酔なしで外科手術を施す、の図。
反対派締め出しの「排除の論理」に造反組の筆頭格・亀井静香氏は「安政の大獄か」と嘆き、党内融和論の森喜朗氏は「昔からの仲間」の助命嘆願に走った。それが一層、雰囲気を盛り上げて、夏枯れメディアもこれに乗る。
小泉劇場が浮き彫りにするには、自民の伝統的秩序の破壊、権力の党執行部集中のすさまじさだ。そういう事態を可能にしたもの、げに恐るべしは小選挙区制、である。
十二年前の政治改革論議の際、この小選挙区制導入に反対する急先鋒であった小泉氏がいま、制度特有の権力を駆使して突っ走る。そうさせたのは「権力の魔性」か。
公示まで二週間の総選挙序盤戦。このままなら小泉自民圧勝、の説も流れる。すっかり脇役にされている野党の奮起を促す。
谷政幸(論説副主幹)
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