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(回答先: 大変だ!日本共産党が268名もの候補者を小選挙区で出す 投稿者 たかす 日時 2005 年 8 月 15 日 14:08:12)
『夜明け前の朝日』藤原肇著
朝日・講談社巻き込む「大激論」の欠落した部分
…(略)…
L そうですか。それでは落合はともかく松本清張ですが、私は『神々の乱心』を非
常に興味深く読んだので、あれについてのコメントはいかがですか。
F 私も先生と同じでとても興味深く読みました。
冒頭にある大連アヘン密輸事件の密輸犯が、三島由紀夫の祖父の平岡錠太郎であ
り、吉薗周蔵という実在の人物を二人に分け、吉屋謙介と荻園泰之という主人公にし
て、筋を展開する清張の手腕はなかなかのものです。しかし、落合莞爾の『陸軍特務
・吉薗周蔵の手記』を読んでいるので、清張が小説の中では触れるに至らない、アヘ
ン売人の中に若き日の牧口常三郎(創価学会初代会長)がいたり、大杉栄が後藤新平
のスパイだった話との関連で、ちょっと物足りないという感じがします。
L えっ、大杉栄が後藤新平のスパイだったのですか。そんな話は今まで一度も聞い
たことがないが、アナキストの大杉は後藤内相にとって、最も警戒すべき要注意人物
だったはずです。それなのに、大杉が手下だったというのは奇想天外で、私にはとて
も信じることができないが、そんな奇妙なことがあり得るでしょうか。
F だから、秘められた歴史の真相は興味深いのです。でも、この件に関しては『朝
日と読売の火ダルマ事件』の中に、ちょっとほのめかして書いておいたのですが、先
生はそれにお気づきにならなかったのですか。
秘められた歴史のジグソーパズル
L 後藤新平のことは正力松太郎の話の中に、だいぶ出て来たのは記憶しております
が、大杉が後藤のスパイだということに関しては、恥ずかしいが記憶に残っておりま
せん。
F 実は、大杉と同棲していた伊藤野枝がスパイで、彼女の祖父は玄洋社の頭山満と
親しく、後藤の親分だった児玉源太郎に私淑した、杉山茂丸と繋がりがあったので
す。
L そう言えば夢野久作の親父の杉山茂丸は、明治から昭和にかけて政界の巨大黒幕
だが、彼は『児玉大将伝』という非常に痛快な、児玉源太郎の伝記を書いていました
な。
F 児玉台湾総督の下で民政長官だったのが、後に内相に就任した後藤新平だった
し、彼が名古屋時代に作った娘の静子の息子が、メキシコに渡った左翼演劇家の佐野
碩です。静子が結婚した医者の佐野彪太の兄が佐野学で、野坂参三とは遠戚関係で繋
がっており、野坂の身内は神戸のモロゾフ製菓の筋です。その周辺には警保局長や特
高課長がいて、すべてが後藤に繋がっていることから、後藤が共産党を作ったと考え
られるのです。
L そんなバカな…。どうして内務大臣が共産党など作りますか。
F 共産党を作ってそこにシンパを集めれば、弾圧する時に手間があまりかからない
し、世界的なスケールで展望して見るならば、情報収集をする上で非常に便利です。
後藤新平は日本人離れした大型の政治家だったから、ソ連の外交官ヨッフェと親交を
結び、英国流の帝国主義を手本に使いながら、日本の政治を改革しようと試みていま
す。
L 確かに満鉄の初代総裁として釆配を揮い、関東大震災後の東京市長としても活躍
して、日本の政治家の水準を越えていた人です。
それにしても、あなたと喋って歴史の話をしていると、松本清張が文春に連載した
イラン革命の話で、冒頭に出て来るイラン系ユダヤ人商人が、米国から祖国を遠望す
るのを思い出して、実に奇妙な感じがしてなりませんな。
…(略)…
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