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「リスクはたくさんある。国債には価格、金利の変動リスクもある。定額貯金で資金を調達して、運用のところで、(金利が)がんがん変動すれば、損をする可能性も」(日本総研・高橋進調査部長)
http://www.ytv.co.jp/wakeup/special-report/bn/2001/sr_010303_01.html
あなたの郵貯は大丈夫?〜財政投融資大改革〜
■2001/03/03
郵便貯金に今、大きな改革が迫っている。
その残高はおよそ、260兆円。郵貯は日本人の個人預貯金資産の4割近くを占めている。世界最大の国営金融機関だ。
Q郵貯の魅力は?
「どこにでも支店があって出し入れができるから便利」
「金利が良い」(利用者)
今、満期を迎えている定額貯金、10年前の金利は、なんと6,33%!
果たして、この、郵便貯金、どのように運用して利子を稼いできたのか?
郵貯は、国民年金などの積立金ともに、これまで大蔵省の資金運用部に全額預けられてきた。その額、99年度で、443兆円。資金運用部は定期間資金を、預かり、郵貯に対し、10年もの国債の金利に、0,2%上乗せした利払いを行ってきた。
旧大蔵省、資金運用部は、この資金を道路公団や、住宅金融公庫などの特殊法人に融資。国民の貯金を大蔵省が預かって運用するこのシステムが「財政投融資」、いわゆる財投だ。
しかし、この4月から、このシステムが変わる。
郵貯は、資金運用部の解体にともなって、全額資金を市場で運用されることになるのだ。何故か?
この財政投融資のシステムの中で、多くの特殊法人が経営難に陥っている。
例えば、瀬戸大橋などを手がけてきた「本州四国連絡橋公団」は、4兆円の負債を抱え、税金投入が決定。「日本道路公団」に至っては、負債が20兆円以上に膨らむなど、特殊法人が財投で借金したお金のうち、かなりの額が不良債権化し、返済が危ぶまれているのだ。
「郵便貯金から、湯水のようにお金が流れてくるので特殊法人は全く経営感覚がなくやってきた。銀行の不良債権が処理できたとしても、特殊法人の不良債権が出てきた時、びっくりする。そのつけは国民が返していかなきゃいけない。」(民主党・松沢成文衆院議員)
銀行とは違い、公庫、公団など特殊法人の赤字は、国の赤字でもある。不良債権の拡大をなんとか阻止するため、郵貯からの潤沢な資金に代わり、公庫といった特殊法人は「財投機関債」という債券を発行し、自ら資金を調達、経営効率化迫られることになった。
初めて、運用のリスクにさらされる郵貯マネー。果たして、われわれの郵貯は大丈夫なのか?
生保各社が苦しむ逆ざや・・・。
長引く低金利に郵貯も同じ悩みを抱えている。
実際、郵貯では、バブルの高金利時代の定額貯金が去年から今年にかけて、集中満期を迎え、その利払いの為に、現在、3兆7000億円の赤字が出ている。
さらに、これまでは、大蔵省に預けるだけで、10年物国債の表面金利に、0,2%上乗せされた金利、つまり、国債より高い金利を享受できていた郵貯。しかし、自主運用にともない、こうした「金利の金利の優位性」はなくなる。
「今まで、郵貯はノーリスク、国が保証してくれるんだから。それでハイリタ ーンをしていた。だから人気が集まった。これまでの郵貯のような優位性がな くなるので、これから苦戦するだろう。」
(民主・松沢成文議員)
果たして、郵貯は今後どうやって利ざやを稼ぐのか?
「基本方針として郵貯の元本、利子を確実に払い戻す必要があることから、安全確実を重視。リスクの少ない国内債(国債、地方債)を中心に運用していきます。基本的にはローリスク、ローリターンの運用になるかと・・・」
(総務省・郵政企画管理局、貯金経営計画課郵貯運用計画課、和田浩司課長)
初年度の計画では、郵貯全体の7割、170兆円が国債で運用される。だが、国債とて、決して安全とは言えない。
「リスクはたくさんある。国債には価格、金利の変動リスクもある。定額貯金で資金を調達して、運用のところで、(金利が)がんがん変動すれば、損をする可能性も」(日本総研・高橋進調査部長)
今後、郵貯が運用に失敗する危険性は十分ありうるのだ。危険性は他にもある!
そもそも、郵貯が自主運営を始めるのは、経営が悪化し、肥大化した公庫、公団など特殊法人の不良債権拡大を止めるため。
これまで、特殊法人は資金運用部から湯水のごとく融資を受けてきたが、これからはそうはいかない。市場で自ら財投機関債という債券を発行し、その買い手がついて初めて、お金を集められるのだが・・・。
「今まで財投で借りていた(赤字の)本州四国架橋公団なんかが、債券出し たって誰も買わないと思うんですよ。そこで、どうするかというと、国が債券 を出してくれる・・・」(政治評論家・屋山太郎氏)
債券を発行して、市場の評価を得られる優良な法人は少ないのが現状。そこで、体力のない特殊法人代わって、国が「財投債」なる新たな債権、つまり国債を発行。集めたお金を特殊法人に融資する。つまり、経営が悪化している特殊法人を国が今後もバックアップすることになる。
「(公団、公庫が発行する)財投機関債が売れなければ、市場が公庫、公団 を認めてないんだから、つぶれるというふれこみだったけど、これでは、市場 の淘汰などない」(政治評論家・屋山太郎氏)
旧大蔵省からの要請で、今後、7年間、郵貯は一定の「財投債」を買うことになっているという。結局、郵貯資金が、公庫、公団に注ぎ込まれる構図は変わらない。
「(郵貯は)国営金融機関ですから、民間の銀行のように 様々なところにお金をまわして、利ざやを稼いで、ということが出来ない。これからは、民間の金融関と競争して、逆に自由になって、金融市場のなかで、お金を回していく方が、郵貯のためには良い」(民主党・松沢成文衆院議員)
つまり、郵貯を民営化しようという考え。
民間の金融機関側も、国営ゆえの恵まれた条件を持つ郵貯が、民間の活動を圧迫してきたとして、同じ条件での競争を求めている。
「郵貯は、民間とは明らかに競争条件が違う条件。国家の信用を背景にして いるので、赤字が出ても信用不安がないこと、国営ゆえ、税金の支払いが免 除されていることなど・・・」
(全国銀行協会・鵜飼克常務理事)
銀行側は、民間でできるものは民間でという行政改革の観点からも郵貯の民 営化を主張する。
「金融ビッグバンが進展するなかで、金融機関が効率性、採算性を重視しすぎる。例えば、過疎地域での店舗の廃止など。そうした状況のなかで、郵貯事業が全国あまねく公平に、基礎的金融サービスを提供するといった使命はますます重要になると思う」
(総務省・郵政企画管理局、貯金経営計画課郵貯運用計画課、和田浩司課長)
国民の金融資産として、そして、財政投融資の資金として、規模を拡大してきた郵貯。果たして、今後、国民が託した260兆円は、どこへ向かうのか?
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