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(回答先: 貴殿が何を言っているのかよくわからない。 投稿者 外野 日時 2005 年 8 月 14 日 16:36:05)
少し違いますね。必ずしも、悪い法案だから否決されたわけではないのです。
郵政民営化法案が自民党にどのように影響するかを考えますと、民党にとってなんもいいことはないのですよ。
自民党の非常に重要な支持基盤のひとつに、特定郵便局長会というものがあります。で、特定郵便局長会というのは自民党に対して政治資金を提供したり、票を取りまとめたりといったことをやるかわりに、自分たちが持っている利権を保持してもらおう、という組織です。かいつまんで言えば。
ですからね、郵政民営化をするということは、政治資金や票が減る、ということになるので、なぜ首相がこれをやろうとしているのかさっぱりわからんのです。自分で自分の首を絞めるようなことになるのですから。金や票や利権を重視する旧来の自民党の考え方では説明がつきません。信念ですかね。よくわからない。
とにかく、自民党は利権を断ち切ろうとしているわけですね。
で、どうして自民党の反対派は反対しているのかというと、つまりは上に書いたことの真逆です。利権を捨てたくないのです。
前回の参院選では民主に強い追い風が吹きました。その中で、特定郵便局長会の全面的な支援を受けて、やっとかろうじて当選できた議員がたくさんいるわけですよ。そういう議員は、法案に賛成できません。法案に賛成して特定郵便局長会を裏切るということはつまり、次の選挙で支援を得られずに落選する、ということを意味するのですから。
また、そういう議員に限らず、反対する議員もいますね。いわゆる、族議員です。
郵政族というものがあります。どういう利権があるかはまたあとにとっておくとして、とにかく「族議員」がいるくらい、うまい利権があります。そういう議員は、自らの利権がなくなるから反対しますよね。
あとは派閥。自民党の派閥というのは政策集団ではないです。金で繋がった利権集団です。どの派閥が強いか、というのは選挙の際にどれだけ資金援助ができるかで決まります。集金力をはじめとする資金的なバックアップが強い派閥ほど、大きくて強い派閥となります。逆に、集金力のない派閥はいつまでたっても弱小のままですね。加藤氏をみればよくわかるかと。加藤の乱が失敗したのは、加藤氏に集金力がなく、魅力がなかったからです。簡単なことです。で、その派閥はどこからお金をもらっているかというと、特定郵便局長会をはじめとする各種の圧力団体からです。ですから、大きな派閥は資金源がなくなるのを嫌って、郵政民営化に反対しています。
もちろん、そうではなくて、信念に基づいて反対している議員もいるでしょうけどね。どれだけいるのやら。
特定郵便局長会がいかに強力な圧力団体かというのは、永岡元衆議院議員の自殺を見ればわかるかもしれません。
永岡氏は、郵政民営化に賛成したのですよ。で、衆議院での審議が終わったあとに自殺なさいました。ですから、執行部が圧力をかけたはずはないのです。賛成して、審議が終わっているのですから。一部では執行部がいじめたんだという話もありますがね、理由がないです。本当の理由はわかりませんが、自殺の前日、特定郵便局長会の地元支部から「民営化に賛成したので絶縁する」という内容の手紙が届いたらしいです。それ以前にも強い圧力がかけられていたという話もあります。まあ、うつ病を患っていたということですし、本当かどうかわかりませんから話半分に聞いたほうがいいかもしれませんけどね。
とにかく、それくらい強力な圧力団体だということです。
一方、野党が反対する理由は簡単です。日本の野党は「勝負どころだ!」と思えば、法案そっちのけで対決を演出します。自民党の差別化を図っているんでしょうが、法案を見ないでやっているのでむなしいだけです。この前も、審議拒否をやっていましたね。国民の非難が強まっていることを感じると、あっさり方向転換して審議に応じましたが。
今回も同じで、「政権が取れるかもしれない」と思ったから反対したんでしょう。自民党が二つに分裂しているし、ニュースで積極的に取り上げられていた。だから、「勝負どころだ!」と踏んで反対した。法案を見て反対しているわけではないんですよ。
それの傍証として、自民党執行部が反対派の説得に苦戦していたときに、民主党の若手議員が、たしか安部幹事長だったかな、に協力してもいい、ということを口走ったことがあります。これを聞いた民主党執行部、具体的には岡田党首ですが、「党議拘束を破った議員は厳しく処分する」と、除名をちらつかせて強烈に締め付けました。
以上を読んでいただければわかるとおり、必ずしも反対派は法案を見て「悪い法案だから」反対しているわけではないです。むしろ、利権がなくなるから、政権が取れるかもしれないからという、まさしく国民のためではなく自分のために判断している方々が多くいます。ですから、悪い法案だから否決された、というのは必ずしも正しいわけではないですね。
むしろ、うまい利権を手放したくなかったから反対した、というのが正しい見方かと思います。
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