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「信念に基づいて行動したことで多くの皆さまから激励をいただきました」
暑さ厳しき折、皆様いかがお過ごしでしょうか。くれぐれもお体を大切に、仕事に、生活に有意義な日々を送っていただきたいと願っております。また皆様の日ごろのご厚情に対しまして深く感謝申し上げます。
さて、去る7月5日、小泉内閣の最重要法案といわれる郵政民営化法案が衆議院本会議で採決されました。与党・自民党の中から、私を含む37名が反対票を投じ、14名が棄権ないしは欠席した結果、法案はわずか5票差の可決となり、参議院に送られました。参議院での審議状況はマスコミ等で皆様ご存知の通りであります。
衆議院の採決直後から、私の行動に対して電話や手紙、メール等、数多くのご意見が寄せられました。支持する皆様からは「郵便局がなくなれば大変。よく反対してくれた」「信念を通したのは立派。政治家はこうあるべきだ」などのご意見が多くを占めました。一方、疑問を投げかける皆様もおりました。それは「先生は比例区選出。次の選挙のことを考えたのか」「党で決めたことを守らないのはいかがなものか」などであります。郵政民営化法案は日本郵政公社を平成19年4月に民営化するための6法案です。要約すると、政府が設立する持ち株会社のもとに郵便、貯金、保険、窓口の各事業会社に4分社化し、10年の移行期間を経て貯金、保険会社は完全民営化しようというものです。
採決に当たっては私も、ずいぶんと悩みました。本当に苦しい決断でした。でもなぜ反対票を投じたのか。その理由をこれから申し述べたいと思います。
「アメリカが要求している郵政民営化」
まず1つは、郵政の民営化はアメリカから強く要求されているものであるということです。昨年10月に公表された「日米規制改革イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」でも日本郵政公社の民営化ははっきり明記されています。米国はリンゴをわが国に輸出したいがために、火傷病の検疫措置の緩和を求め、牛肉でもBSE検査の基準を緩めて強行に輸出解禁を迫っています。いま、米国の要求をのんで郵政事業を民営化すれば、次に来るものは間違いなく農業の市場開放であり、その圧力は社会保障や医療分野などにも及ぶ危険性が十分にあります。
「効率が優先され、地方・農業の切り捨てにつながります」
8月3日、参議院自民党の農林部会議員が政府の規制改革・民間開放推進会議が検討しているJA事業の分割案の撤回を求めて首相官邸に申し入れを行いました。農協は中小農家の皆様が多く利用しています。この農協事業の分割問題は郵政民営化問題と「うり二つ」といわれています。
郵政事業が民営化されれば、効率が最優先され、過疎地や離島の採算が合わない郵便局はなし崩し的に廃止され、ますます地域格差が広がります。農協事業の分割も中小零細農家の切り捨てにつながります。農業県である青森、地方選出の国会議員として、どうしてもこういう農業の切り捨て、地方、弱者の切り捨てにつながる法案には賛成できませんでした。
小泉総理は郵政民営化は「党の公約だ」としています。しかし、一昨年秋の総選挙に当たっての党政権公約(マニフェスト)2003では、郵政民営化について「日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的議論を行い、2004年秋頃までに結論を得る」としています。2年前に公社化された日本郵政公社は、2万人の人員を削減し、3事業一体経営で郵貯・簡保資金の運用益で職員給与をまかなっているため、税金の投入は1円もありません。また職員の意識改革によって、サービスが格段に良くなったとの声を多く聞きます。さらにマニフェストでは「国民的議論を行う」としていますが、各種マスコミの世論調査では内閣に最優先で取り組んでほしい課題として、景気対策、年金などの社会保障政策、雇用対策などが圧倒的上位を占め、郵政民営化は毎回数%で関心は決して高くありません。「なぜ今、民営化しなければいけないのか」との疑問の声が多く、とても国民的議論にいたっていない、十分に国民の理解を得られていない状況です。
党内の意見集約のあり方にも疑問があります。総務会は全会一致が原則ですが、今回は多数決という強行手段で法案を決めました。それをもって、党議拘束がかかっているというのもおかしなことです。しかし、いずれにしましても、法案の中身に問題があるからこそ、反対票を投じました。
「外国の例をみても良い結果ではありません」
アメリカはわが国に郵政の民営化を要求しながら、自国では公営を維持しています。郵政事業を民営化したドイツやイギリス、ニュージーランドなどでは郵便局が統廃合され、郵便料金が確実に値上げされています。
支持者の皆様の中には、次の選挙に不利になると、私の判断、行動に厳しいご意見もありますが、自分自身の今回の行動に誤りはなかったと思っております。私を含め衆議院の51名の代議士は「この法案はやはりおかしい」と、自らの考え、政治信念で行動したものであり、政権党、責任政党である自民党の良識が示された1つの結果だと思っております。
「国、ふるさとのために何が大切なのか」「正義はどこにあるのか」を考え、良心に照らして決断した行動であることを皆様にご理解いただき、なお一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
衆議院議員 津島恭一
http://www.t-kyoichi.com/memo/memo.cgi
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