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どこに行った小泉改革(毎日新聞記者の目)
http://www.asyura2.com/0505/senkyo11/msg/270.html
投稿者 天魔降伏 日時 2005 年 8 月 10 日 10:37:50: 8b6UqhBoidy/2
 

(回答先: 特定郵便局つぶしは小泉私怨との説 投稿者 天魔降伏 日時 2005 年 8 月 10 日 10:28:14)

記者の目:どこに行った小泉改革=青島顕(社会部)

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/kishanome/archive/news/2005/07/20050721ddm004070026000c.html

◇郵政より政治資金透明に−−軽々に解散、口にするな

 「小泉改革」は一体どこへ行ってしまったのだろうか。4年前「自民党をぶっ壊す」とぶち上げて、喝さいを浴びた時の意気込みは今や感じられない。税金の無駄遣いをやめる目的だった郵政民営化は相次ぐ修正で形を変え、郵便局が将来どうなるのかすら極めて分かりにくい。

 小泉純一郎首相は、政治的空白を生み出す「解散・総選挙」を軽々しく口にせず、残された1年間で実のある改革に取り組むべきではないか。

 首相とその周辺を取材して感じるのは、今回の「解散」に代表される言葉の軽さだ。81年に創刊された首相の後援会機関誌「泉」に記録された「政治信条」をたどるとよく分かる。91年5月発行の20号には「政治資金の収支状況が不透明すぎると批判が多いんですから、その透明性を高める改革を早く始めるべきだと思っているんです」とある。

 毎日新聞は昨年以来、首相が関係する二つの政治団体が同じ事務所を使っていながら、家賃などの「事務所費」を別々に政治資金収支報告書に記載している問題を報じてきた。報告書通りなら実際の家賃の2倍以上の額が支払われたことになる。毎年500万円以上の使途不明金が生じているのだ。

 しかし、首相は疑惑について、昨年10月の衆院予算委員会で説明を二転させたうえ、「事務所費」の細目を尋ねられても「政治資金規正法上、記載の必要がない」と答えた。今年4月、毎日新聞は改めて首相の国会事務所に質問したが、「(事務所費は)法令に基づいた届け出の通りだ」としか答えない。「事務所費」について領収書の提出や、使途の明細を明らかにする必要がない現行の規正法を盾にしているのだ。

 同じ20号には「海部首相(当時)は選挙制度改革に内閣の命運をかけていると言っていますが、自民党内にも強い反対があり、野党全部が反対しているのにできるわけがない。理想を追うのもいいけれどもっと現実を直視してもらわないと困ります」とある。まるで郵政民営化法案に内閣の命運をかける今の自分自身に言っているようだ。

 小泉首相は当時「選挙制度改革」つまり小選挙区比例代表並立制への反対の急先ぽうだった。90年12月に小泉氏を含む自民党の中堅・若手国会議員29人で結成した「政治改革議連」のメンバーの一人は、こう振り返る。「小泉さんがなぜ反対か分からなかったが、ある時言われたんだ。『あなたは小選挙区になったら大丈夫なの?って』。小泉さんも自分の選挙が心配なんだと思った」。首相は、中選挙区時代の神奈川2区(定数5)で72年以来、連続7選を果たしていたが、小選挙区になれば地元・神奈川県横須賀市で人気のある田川誠一元自治相(11選)やその後継者とぶつかる恐れがあった。懸念は田川氏の引退と後継者の出馬見送りで解消したが、打算を「理想」で言いくるめ、状況が変わってもこだわりを変えない政治手法のルーツはここにあると思う。

 「封書、はがきは国家の独占事業でいいとして、だれも言わない」(「泉」29号)と、95年秋には郵便事業への民間参入を強く訴えたが、今回の法案では民営化後も郵便会社による業務独占は続くことになる。同じ号では「郵政事業民営化は郵政省だけの問題じゃない。省庁再編にもつながる。財政投融資、特殊法人全部関係してくる」と述べているが、省庁再編は既に終わり、財政投融資改革も既に始まっているのは周知の通りである。

 田川氏の後援会幹部だった男性は「横須賀や三浦半島の特定郵便局長の多くは、田川を支持してくれた。私怨(しえん)だよ」。現在も首相を支える小沢一彦・横須賀商工会議所会頭(67)は「だれもやろうとしない郵政民営化に取り組んだ。最初から完全なものはできない」とかばうが、衆院に初挑戦した69年(落選)から数回の選挙を支援した地方議員は「当時は郵政なんか関心もなかった」と証言する。

 郵政民営化法案の採決があった5日の衆院本会議。かつての同志、加藤紘一元自民党幹事長は賛成票を投じた後「もめない方がいいと思って。(政治)生命をかけるような法案じゃないですから」と冷ややかに語った。首相は、看板倒れになりかけている郵政より、一度口にした政治資金規正法の抜本的改正や、国会議員年金の廃止に本気で取り組んだらどうか。小泉首相自身がかつて、時の首相に向かって「現実にできることから始めた方がいいと思います」(「泉」20号)と語ったようにである。

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/kishanome/archive/news/2005/07/images/20050721dd0phj000005000p_size6.jpg
衆院本会議で郵政民営化関連法案が可決され、喜ぶ小泉首相=5日、川田雅浩写す

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