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先日、郵政民営化法案が5票差で可決されてしまいました。最後になって賛成にまわった5人の議員の方は、直前のニュースでは断固反対だとおっしゃっていたので驚きました。
郵政法案は、中身に根本的な問題があり、議論を重ねれば重ねるほど多くの議員は反対意見を持たざるを得ないものであります。
その為に、何が何でもこの法案を通したい自民党執行部から、政策論による説得ではなく選挙を絡めた脅しのようなやり方で多くの議員が意見を変えさせられたということが言われています。
参議院での審議が始まる前から、首相は参院で否決されたら衆院解散とおっしゃっているようです。多数ある法案のうちのひとつが通らないから衆院解散だ、なんておかしな話です。これまでも、衆院で可決、参院で否決となった法案は山ほどあるし、何年にも渡って審議している法案だってあります。それを郵政民営化ばかり無理やり通そうとするのを不思議に思う国民の方も多いこと思います。
郵政民営化の「官から民」へという考えが悪いわけではありません。今回の一番の問題点は民営化法案の中身なのです。
昨年の日米首脳会議の中でブッシュ大統領が小泉首相に郵政民営化について触れていますが、それを政府は国民に報告しましたか?取り上げたマスコミはありましたか?
4月の「今月の一言」で、私は以下のように述べました。改めて転載いたします。
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世界的に見て、郵便事業は、ユニバーサルサービス(全国何処でも均一料金)が義務付けられている為、儲かるはずがありません。
世界で民営化が成功した国はなく、アメリカも勿論今も変らず国営です。ところが昨年行われた日米首脳会議の中で、ブッシュ大統領は小泉さんに『早く民営化をしろ』とけしかけています。
実は、日本の郵政事業は、郵便料の赤字を補填する為、郵便以外に、郵貯・簡保を一緒にした3事業が一体で行われている特色があります。この為、税金を一切投入することなく郵政事業が成り立っています。
アメリカにとっては日本国民が郵政公社に預けている350兆円が魅力であり、郵政民営化によってこの資金がアメリカに流れることを期待しているということが大きな背景としてあります。
※詳しいことは、在日アメリカ大使館のホームページ上に記載されている「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」をご覧ください。
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20041020-50.html#mineika-s
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民営化問題の対立ばかりが取沙汰されて、肝心の中身はほとんど知らされていないのが現実です。
郵政民営化によって国民の郵貯、簡保の350兆円が外国資本に流れてしまうことになります。郵政民営化の本当の中身を国民が知ってしまったら、今の法案なんか通るわけがありません。だから急いでいるとも言えるでしょう。
だいたい政治は道徳的であるべきなのに、自分の意見が通らないからといって、職権を使った "やけっぱち解散"をするなんて、道徳上おかしいでしょう。
個人の見識と良心が優先される良識の府、それが参議院の存在価値です。
そもそも二院政は、どちらかの暴走を防ぐ目的で分けられているのです。
衆院で通ったものが、参院でダメなら解散する、ということが慣例になってしまっては、参院不要論も出てしまいます。参院は衆院が通した法案を党に縛られずに個人の見識、良心を優先した見方で審議できる場所です。だから「良識の府」とも呼ばれています。衆と参で意見が割れたら、差し戻し審議という選択もあるし、総辞職という選択肢もあります。解散は憲法で認められているのだから悪いとは言いません。しかし単に自分の思うようにいかないからと言って解散してしまうのは、権力者としての職権の乱用でしょう。
もし参院で民営化法案が否決となったら、潔く総辞職していただきたいと思います。そして、いちから郵政民営化について議論を重ねてほしいと思います。
はっきり言って郵政民営化は緊急を要する議案ではありません。「法案の修正にも応じない、反対なら解散で公認を取り消す」というような極論に走ること自体、不自然だと思います。今回マスコミは、法案が成立するかどうかばかり取り上げています。しかし、一国の宰相が圧力をかけて法案を通そうとするなどということは現代の日本にあってはならないことです。民主主義の危機と言ってもいいくらいです。衆院はかろうじて可決はしたものの、実数でいったら議会では反対の方が上回っています。外交・経済・テロ対策・社会保障等など論議しなければいけない国策は沢山あるのに、多くの議員が納得していない郵政民営化をゴリ押しするために解散なんて、そんなことをいっている場合ではありません。
1人の権力者の脅しによって意見が右往左往するようでは、それこそ参院の姿勢が問われてしまう。個々の政治家が自分の信念に基づいて行動することを切に願っています。今回の件でぜひとも、参院の存在価値を示していただきたいものです。
http://www.kobachan.jp/kongetsunohitokoto/058.htm
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