| ★阿修羅♪ > 政治・選挙・ＮＨＫ11 > 167.html ★阿修羅♪ |
|
| Tweet |
郵政法案否決で「改革」に不透明感−予算編成や社会保障見直しに暗雲 (ブルームバーグ)
2005年8月8日(月)15時56分
８月８日（ブルームバーグ）：郵政民営化関連法案が参院本会議で否決され、
小泉純一郎首相が衆院・解散を決断した。政治空白が長引くと、すでに大幅に遅れ
ている2006年度予算編成の手続きだけでなく、財政再建や税制改革など中長期的
な構造改革の流れも停滞しかねないとの懸念が出ている。
クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券のチーフエコノミスト、佐藤ゆ
かり氏は、総選挙の場合「空白が生まれ、構造改革に遅れが出る」と指摘。特に選
挙がない年にしか思い切った改革ができない診療報酬や医療関係は、「来年度の予
算編成に向け期待がかかっていた分野」と指摘し、遅れが出る可能性があるとみる。
06年度の予算編成では、急速に進む少子・高齢化に伴う社会保障費の抑制が
課題。厚生労働省の試算によると、社会保障費給付は2004年度の86兆円から
2015年度には121兆円に増加。特に医療費が26兆円から41兆円へ増加するなど
伸びが著しい。このため政府の経済財政諮問会議は６月にまとめた「経済財政運営
と構造改革に関する基本方針2005」（骨太の方針05）で、社会保障費の伸びの抑
制方法などについて、今年中に結論を出すとしている。
佐藤氏はまた、「予算の編成過程に遅延が出ると同時に、解散・総選挙になっ
た場合、（政策が）どうなるのか全く読めない。やはりその間、ストップしてしま
う。（いずれにしても）大きな改革にはならない。予算プロセスの中で予算付けを
どうするかなど、大きな議論にはなりにくい」と語る。
06年度予算編成のたたき台となる概算要求基準（シーリング）の策定はすで
に郵政民営関連法案の審議の遅れで全くの手付かずの状態。衆院解散で日程がさら
にずれ込む可能性がある。シーリングは通常であれば７月末から８月上旬に閣議了
解され、各省庁は８月末に翌年度の要求を財務省に提出することになっている。
国債に売り圧力
第一生命経済研究所の主席エコノミスト熊野英生氏は、「財政改革には痛みが
伴うため、政権基盤が弱くなると改革は進められなくなるという見方がある。今年
２、３月に外国人の債券投資が増えたが、株式に向かうエネルギーが増加する半面
で、債券の売りにつながる可能性はある」と予想する。米国での雇用の回復や追加
利上げの可能性が鮮明になり、これが海外投資家の債券売りの作用を強めているな
かで、今回の否決は「タイミングとしては非常に良くない」と指摘する。
秋以降の税制改正で見込まれるポスト小泉の消費税の引き上げの議論などに
ついても、「財政収支を改善させるイベントだが、一筋縄ではいかなくなる」と述
べ、「短期の予算編成だけでなく、中長期の税収回復の試みにマイナスになるとい
う解釈になるかもしれない」と語った。
政府が掲げる2010年台初頭のプライマリーバランスの均衡については、「今
のところは税収の自然増がバランスの改善に寄与しているが、(税制の)デザイン
を変えないと、おそらくプライマリーバランスの均衡、社会保障に見合う財源の確
保の問題は解決できない」と述べ、政治の流動化により税制改正をめぐる議論にも
影響が生じる可能性を指摘した。
谷垣禎一財務相は８日午後、郵政民営化法案が否決されたことについて、
「小泉内閣の構造改革の本丸との位置付けの法律であり、多くの人が成立のため一
生懸命汗を流してきた」と述べたうえでが、「こういう形での否決は誠に残念」と
述べた。さらに「構造改革は国民の多くが必要と思っている、ある意味歴史の流れ
のなか不可避の方向（の改革）」なので、「大変残念」と重ねて指摘した。
記事に関する記者への問い合わせ先：
東京 伊藤辰雄 Tatsuo Ito tito2@bloomberg.net
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/mn_jbntext.html?id=08bloomberg22amXLstESY3TU
▲このページのＴＯＰへ HOME > 政治・選挙・ＮＨＫ11掲示板
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。