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郵政法案:反発生んだ「小泉流」 議論置き去り権力闘争
毎日新聞 8月8日
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20050808k0000e010063000c.html
小泉純一郎首相が「改革の本丸」と掲げた郵政民営化問題は、小泉政権と自民党に生じた緊張関係の象徴でもあった。昨年9月、党の了承を経ずに民営化方針を閣議決定、今年6月に総務会が全会一致方式を放棄して法案修正を党議決定するなど、異例ずくめの手続きが進むたびに党との距離感は拡大していった。民営化問題への党内の反発はそのまま「小泉流」やその手法への抵抗であり、首相が衆院解散権をタテに強行しようとしたことから深刻な権力闘争に発展した。
全国特定郵便局長OBらでつくる「大樹」が有力支持団体であることから、自民党では民営化への反対・慎重意見が多数を占めていた。首相は昨年4月に郵政民営化準備室を設置して体制を整えたうえで「党内調整を待つとラチがあかない」と判断。青木幹雄参院議員会長らの反対を振り切り、9月に強引に基本方針を決定した。直後の内閣改造・党役員人事では、郵政民営化への協力を判断基準にする“踏み絵人事”を断行。首相と郵政族が中心の反対派の対立が増幅した。
政府・自民党は今年1月の通常国会開会に合わせ、実務者協議をスタート。党側は郵便局ネットワークの維持などを次々に要求したが、政府側は完全民営化を譲らず、協議は度々こう着状態に陥った。
政府は4月4日、法案骨格を発表、新会社間の株の持ち合いを認めるなど反対派に配慮した。「骨抜きが進んだ」との批判を浴びたが、反対派は納得しなかった。政府と党執行部は党側の意向を盛り込んだ合意文書を締結。それでも反対派の理解が得られず執行部は総務会で法案提出のみの了承を取りつけ、政府は4月27日、法案を閣議決定した。
国会審議に入っても首相と反対派の溝は埋まらなかった。会期を延長したうえで4項目の修正案がまとまり、執行部は6月28日の総務会で、反対派の抵抗が続く中、多数決で了承。全会一致方式だった党の慣例を無視する強硬策に出た。
首相は「法案が否決されれば衆院解散」との姿勢を示し、執行部も処分を背景に賛同を求めた。しかし、解散や次期選挙の公認をちらつかせる手法が逆に反発を招くという悪循環に陥り、7月5日の衆院本会議採決では自民党51議員が造反、わずか5票差の可決となった。参院に移っても対立は一向に収まらないどころかむしろ激化し、最終盤では法案の中身の議論を置き去りに、執行部、反対派ともし烈な多数派工作を展開、むきだしの権力闘争となった。【坂口佳代】
毎日新聞 2005年8月8日 13時30分
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