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米国の描くシナリオ
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投稿者 NJ 日時 2005 年 8 月 21 日 11:28:54: QZEFwNzGXHdaQ
 

(回答先: bakaさんへ、反対派の方は外資金融が怖いという意見が 投稿者 hou 日時 2005 年 8 月 20 日 18:14:12)

よくわかる郵政民営化論 より コラム
http://www.geocities.jp/dokodemodoa_jp/new_page_4.htm
http://www.geocities.jp/dokodemodoa_jp/B_beikokusinario.htm

 米国の描くシナリオ

2012年、イラク戦争はイランまで巻き込んで、泥沼化してしまい米国は軍事費調達のために膨大な米国債発行を余儀なくされていた。

そのころ日本では、円高に悩まされ続けて、米国の裏の要請もあって一端中止していた大規模な為替介入を繰り返して、膨大な米国の国債引受機関となっていた。

また、日本はかねてから念願であった常任理事国入りしたため、軍備を持ってイラク戦争に介入せざるを得ない状況となり、国内の軍事費は大幅に増えて、米国への支援金の額も膨らんだ。

これにより、郵政民営化により減るはずだった日本政府の長期債務は、膨らむ一方だった。

本来は、これだけの米国債を国が引き受けるということは、キャピタルフライトと同じ意味をなし、日本国債は暴落してもおかしくはなかった。

しかし、中国特需による自動車関連や船舶関連を中心とした企業の大きな貿易黒字とそれらの企業の株式に外国人投資家の資金が向かったことにより、何とかバランスが保たれていた。

しかし、市場ではさばききれなくなった国債をさばくため、金利を上乗せした特例国債を発行して、実質、独占という形で郵貯・簡保に引き受けさせて、国民から資金を調達するようになった。

一般の市場に特例国債を乗せると政府のコントロールが効きづらくなるためだ。

 

一方で郵政を民営化したときの条件として、郵貯会社と簡保会社は10年後には政府が50%以上の株式を放出して、完全民営化を果たすことになっていたため、民間金融機関などの圧力もあり既に30%以上の株式を放出していた。

日本が国連の常任理事国入りしたときの米国の描くシナリオは、国防を人質にしているので日本は米国に逆らわないため、実質、国連常任理事国の2票を米国が押さえることができるというものだった。

しかし、思惑とは裏腹に日本の保有する米国債が大幅に膨らんだため、それを人質にして日本が逆らうようになってきた。

なぜなら、日本政府が米国債を放出してしまえば、米国債が大暴落を起こしてしまい米国にハイパーインフレの波が押し寄せてしまうからである。

そうなれば、米国の信用力は落ちて、世界に大恐慌が起こってしまう。

米国はいつまでも強くなければならないのだ。

 

焦ったホワイトハウスは、この問題に対処するため、早急にプロジェクトチームを立ち上げた。

そして、米国でも最大規模のM&Aを何度も成功させたA会社のCEOが、ホワイトハウスに呼び出された。

2016年、翌年は膨大な日本国債を保有したまま、郵貯会社と簡保会社が完全民営化される年である。政府の発行する特別国債の恩典を受けながら、完全民営化するのはおかしいとする民間金融機関と国債市場のコントロールが効かなくなることを恐れた政府の中では、2004年の郵政民営化のときと同じような議論が繰り返されていた。

2004年の郵政民営化の際は、簡保民営化を迫っていた米国だが、今回は少し様子が異なり、郵貯会社の完全民営化を強く迫ってきた。

特別国債を民間金融機関も引き受けることができることにして、何とか膨大な国債を消化できると踏んだ政府は米国と民間金融機関に折れて、ついに残り70%のうち40%の郵貯会社・簡保会社の株式を放出することにした。

その報告を聞いたホワイトハウスのプロジェクトは、一気に動き出した。

 

事前に日本に乗り込んでいたA会社は、既に10%を超える郵貯会社の株式を保有しており、2017年に更に政府から放出した株式と株価下落を見込んで市場に流れ出た株式を買いあさり、ついに50%を超える株式を取得したのだ。

2020年、郵貯会社・簡保会社が完全民営化されたことにより、これ以上の政府債務の増加は耐えられないという考えから、政府は米国債を処分せざるを得ないという判断に至ったが、「時既に遅し」であった。

米国政府は米資本が経営権を握る郵貯会社の保有する国民の貯蓄を盾に日本政府に更なる米国債を引き受けることを要請した。

 

2025年、膨大に膨らみすぎた日本国債は、ついに破綻の兆候が現れてきた。

新発債の相次ぐ未達である。

最初は日銀買い取りで何とかしのいでいたが、米国が裏切って、郵貯会社の保有する日本国債を放出しだしたため、日本政府も慌てて、保有する米国債を放出してしのいだ。

経済戦争勃発である。これには、米国の息のかかったIMFも観戦に徹していた。

しかし、日本の方が分が悪かった。

米国は、郵貯会社が日本国債を放出した資金で、日本が放出した米国債を買い入れることができたが、国民貯蓄の多くは郵貯会社を通じて米国債に向かっていたため、日本には米国のような余裕がなかった。

ついに危険を感じた投資家達の国内の資金は一斉に海外へと逃避していったため、日本国債はデフォルトを起こし、日本の信用は失墜して、ハイパーインフレの幕開けとなった。

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