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(回答先: 選挙:衆院選 中曽根弘文氏の出席おことわり−−自民・群馬県連の出陣式(毎日新聞) 投稿者 竹中半兵衛 日時 2005 年 8 月 20 日 23:49:22)
2005夏 総選挙 激変
旧山古志村村長・長島忠美氏
美人官僚やタレントなど有名人を次々と候補予定者として発表し、衆院選での勝利を目指す小泉純一郎首相。その中の一人、比例代表北陸信越ブロックに出馬表明した旧山古志村の長島忠美(ただよし)元村長(54)は、昨年の新潟県中越地震で壊滅的被害に遭った村民救済の陣頭指揮に当たり注目を浴びた人物だ。被災地の元村長から突然一本釣りされた長島氏の胸の内とは。 (宮崎美紀子)
■側近中の側近が首相の意向伝え
「出てほしい」。小泉首相の側近中の側近とされる人物から出馬打診の電話を受けたのが十日ごろ。
「私の器は、とても国会議員の器ではないと思っています。それに、やっぱり村を離れたくない。みんなと一緒に困ったり、思いを共有したい」と、即答を避けた。
その後もこの人物からの誘いは続いた。決心したのは十七日。十六日に妻の実家の法事に出かけ、その帰り道に一人で考えた。十七日昼に、小泉首相に会うことを決めた。
「地震が起きてからの九カ月は、それまでの五十三年の人生よりも重かった。しかしこの一週間が、気持ちとしては、自分の人生で最もハードだったと思う」
山古志村で生まれ、東洋大学卒業後、都内の会社に就職した。二十八歳で家族と共に山古志村に戻り村議を経て二〇〇〇年、村長になった。
今年四月、山古志村が長岡市と合併してからは、長岡市復興管理監として、被災者と国や県の調整役、復興事業のプラン作りに携わってきた。しかし、出馬表明に伴い十八日辞職した。
旧山古志村は「道路、水道などのライフラインは復旧しても、診療所、小学校や保育所などの公共施設がないと、仮設との二重生活は続けざるを得ない」のが現状だ。
実は、衆院解散翌日の九日、自民、非自民を問わず地元の人たちから「もっと大きなところから、地域の事を考えて」と出馬を勧められたことがあった。しかし、そのときは全くその気はなかったという。
■「仮設住まいの人に務まるか」
「女房は反対。仮設住宅暮らしの人間に国会議員が務まるわけないと思ってるんでしょうね」。十六日の法事の時に、「ひょっとすると覚悟しなきゃいけないかもよ」と伝えたのを最後に、一言も話さないまま、十七日夜に小泉首相と会った。出馬ニュースを妻は報道で知ったという。
小泉首相からは「災害の経験者として、安心、安全のために働いてほしい」と言われたが、郵政民営化の是非を問いつめられるようなことはなかったという。
地震の時に、郵便局が地元で果たした役割は大きい。旧山古志村に銀行はない。今の自民党から出馬するということは「郵政民営化」論に立つことを意味する。元村長として、郵政民営化を、どう考えているのか。
「改革は支持します。ただ、被災者の立場から、この災害で郵便局が、どれだけ住民の支えになったかは伝えていきたい。震災四日後には、避難所に手紙が届いたんですから。民営化することで、それぞれの地域が郵便局をどう使っていくか提案し、その提案を生かしていけると私は考えています」
さらに、こう強調する。
「郵政を民営化するとどうなるのか、責任ある立場の人が国民にきちんと伝えていないんじゃないか。それを伝えた上で、何が心配なのかという議論が、されていないんじゃないかと思う」
小泉首相は今、郵政民営化に反対した議員に、続々と対立候補を送り込み、その手法には批判も集まっている。この「反対者切り捨て」を、どう思うのか。
「戦場なんでしょうかね。私はそんな戦場に行けるのか、どうなのかと思いますけどね」と苦笑した。
自身も村という単位ではあるが、政治のトップの立場。反対する人を、すっぱり切り捨てることはしなかったし、できなかったと言うが、「主義主張を同じくする者が戦っていくという見方をすればいいのでは」と小泉首相に理解を示す。
■防災アピールに担がれる可能性
郵政一色の選挙戦が予想される中、「山古志村」の看板を背負った長島氏の起用は、小泉政権の「防災アピール」に利用されるのではないか、という見方もある。旧村民の中にも、そう考える人がいることは事実だ。
「もし利用されるとしても、私の名前が出ることで、被災地が忘れられないのなら、私はそれでいいと思っています。もともと、復興に力を入れていた議員の方々が、一回解散することで意識が薄れていくことを心配していたくらいですから。私が経験を通じてお話しすることが、日本人の安心、安全につながれば、うれしい」
さらにこう訴えた。
「『被災して、なかなか元の生活に戻れていないのに国政に出るのか』という思いは、旧村民の間に当然あると思う。でも、もっと大きなところで、長岡、山古志の人が私のことを使ってほしい。それだけは信じてほしい」
■「村から郵便局なくなるかも」
長島元村長を比例代表北陸信越ブロックに担ぎ出す、小泉首相の狙いを識者はどう見るか。
政治評論家の宮川隆義氏は「災害対策を国政に反映させる、という大義名分は分かるが、唐突。郵政民営化の賛否を問う、という対立軸の中では、役に立たないのではないか」と首をひねる。
旧山古志村は、小泉首相とは因縁のある田中真紀子氏の選挙区とも重なる。
これまで数々の選挙戦で参謀経験がある政治ジャーナリストの渡辺正次郎氏は「長島さんは小選挙区ではないが、小泉首相は真紀子さんつぶしを狙っている。真紀子城下町にも、小泉シンパがいる、ということを見せたいのだろう」と推測する。ただ、「長島さんでは、真紀子さんに太刀打ちはできないだろう。それに、新潟県中越地震で郵便局が被災者支援に役割を果たしており、郵政民営化が進めば、山古志村から郵便局がなくなりかねないのを長島さんは知っているのだろうか」と長島元村長の出馬に至った真意を測りかねる様子だ。
宮川氏は「新潟県中越地震で、郵便局の必要性を感じたはずの村の村長を担ぎ出すことがミスマッチ」と人選に批判的だ。
中越地震で旧山古志村の自宅が全壊し、今は長岡市内に住む五十嵐与作さん(80)は、こう話す。
「驚くには驚いたが、こういうこともあるんじゃないかとも思っていた。郵便局がなくなるという不安はあるが、出るからには、地元を含めた災害対策に頑張ってもらわねば。これまでは、どなたが出ても、真紀子さんに対して、勝ち目がなかったが、長島さんも人気がある。これまでの選挙とは、少しは違ってくるんじゃないか」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050820/mng_____tokuho__000.shtml
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