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郵政めった切り反小泉で復活か
『ムネオ新党』 風速は
鈴木宗男元衆院議員(57)が十八日、総選挙出馬に向けて北海道の地域政党「新党大地」を旗揚げした。早速、甲高い声のムネオ節で「郵政選挙」をめった切り、反小泉ののろしを上げた。かつて利益誘導政治の代表格とされた政治家が、復権にかける執念に他陣営は戦々恐々とする。昨年の参院選では敗れた「ムネオの反乱」。第二幕となる衆院選で有権者の審判は−。 (竹内洋一)
「政治は格差をなくすためにある。強い者はあくまでも強く、弱い者は立ち上がれない、そんな弱肉強食ではいけない。私は、政治は恵まれない人や、立ち遅れた地域のためにあると堂々と訴えていきたい。一握りの高級官僚や勝ち組だけで、日本が存在しているのではない。日本を支えているのは、みなさんだ」
鈴木氏は十八日、札幌市内で行われた新党事務所開きで、こう絶叫した。会場は北海道全域から集まった支持者約五百人で埋まり、秋の気配ただよう北海道とは思えない熱気に包まれた。事務所の壁には、鈴木氏を支援する歌手松山千春さんが書いた「新党 大地」のポスター。新党結成の乾杯は牛乳で行われ、会場には松山さんの曲「大空と大地の中で」が流れた。
鈴木氏は、二〇〇二年二月、北方四島支援事業に絡む「ムネオハウス」などの疑惑を国会で指摘され、同年三月に自民党を離党。同六月に、帯広市の製材会社「やまりん」からのあっせん収賄容疑で東京地検に逮捕された。
〇三年秋の衆院選では、病気を理由に出馬を断念。昨年七月には、参院選北海道選挙区から無所属で立候補したが、落選した。同十一月には、あっせん収賄などの罪で東京地裁から懲役二年の判決を受け、現在、控訴している。
■参院選直後から温めた新党構想
鈴木氏は、参院選直後から「衆院選は近い」として北海道全域での活動を展開してきた。今年のカレンダーには、「ムネオの反乱 第2ステージ 私は闘う!」とのキャッチコピーを書き込み、早くから衆院選での議席回復を期して、新党構想を温めてきた。
そして新党結成となったこの日、鈴木氏は、小泉首相による「郵政解散」をめった切りにしてみせた。
「日本にとって、郵政問題が喫緊の課題なのか。もっと大きな、国民が望んでいることがあるのではないか。その視点をごまかすために、郵政、郵政と言っている。今やるべきことは、景気、雇用、社会保障の問題だ。これが国民の一番の関心事だ」
鈴木氏としては、完全失業率が5%台で推移するなど、北海道の景気回復が全国平均と比べて大きく遅れていることを踏まえ、道民の「小泉改革」への不満の受け皿となり、得票を伸ばそうという算段だ。
では、「ムネオ新党」に勝算はあるのか。
鈴木氏は、事務所開き後の記者会見で「新党大地」から新人二人を擁立することを発表。だが、鈴木氏自身が小選挙区、比例代表北海道ブロック(定数八)のいずれから立候補するのかは、明らかにしなかった。
陣営では「当選の可能性が一番高いところに出ればいい」(道議)として、比例代表に立候補するとの見方が強まっている。
鈴木氏の参院選での得票約四十八万票を、衆院選比例代表北海道ブロックに換算すると、「新党大地」の比例代表一位の候補が、四位で当選する計算になる。鈴木陣営では「一議席獲得が確実」と期待が高まっている。ただ、衆院選では、投票用紙に「鈴木宗男」ではなく、「新党大地」と書いてもらう必要がある。鈴木氏にとっては、投票まで一カ月足らずで、新党名をどこまで道民に浸透させられるかが課題になる。
■「選挙協力の間口は広く」
鈴木氏の動向に、北海道の各陣営も戦々恐々としている。
鈴木氏が最も固い地盤を持つ北海道7区(釧路、根室管内)に立候補する自民党前職、北村直人氏を支持する小畑保則道議は、「もしも鈴木氏が7区に出れば厳しい戦いになる。いろいろなパターンを想定して対策を打っていかないといけない」と警戒を強める。
民主党も「鈴木氏は参院選で浮動票も取っている。どこから出るかによっては、影響があるだろう」(道連関係者)と動向を注視。公明党の道本部幹事長の森成之道議は、「うちの組織は揺るがないが、自民党との選挙協力で得られる保守票が目減りする可能性がある。自民との選挙協力を強めていきたい」と話す。
他方で、北海道全域に後援会組織を持つ鈴木氏の票は、他党の小選挙区候補にとって、のどから手が出るほど欲しいことは間違いない。鈴木陣営も「他陣営との選挙協力は、間口を広くして、向こうから言ってくるのを待っている」(選対関係者)。小選挙区で鈴木票を他党に回す見返りに、比例代表では「新党大地」への投票を求めるバーター戦術も現実味を帯びる。
一方、「ムネオ新党」への有権者の反応は、はっきり分かれる。
事務所開きに参加した上士幌町の元建設業男性(75)は「道路の整備など田舎の問題を相談すれば、真剣に相談に乗ってくれる。裁判だって、当選したら無罪になると信じている」と鈴木氏の手腕に期待する。
苫小牧市の建設業男性(67)も「北海道には閣僚が二人、自民党幹事長もいるのに、景気は良くならない。政治家は実行力がなければ駄目だ。ムネさんは地元のために一生懸命やってくれる。北海道の産業を引っ張る機関車はムネさんだ」と支持の理由を話す。
■「当選したら無罪」「政治家は実行力」「お金に汚い政治」
地元への利益誘導を公言してはばからない、鈴木氏への支持は建設業者だけにとどまらない。札幌市の男子学生(27)は「就職活動をして、北海道の景気の厳しさを痛感する。北海道に仕事を持ってきてくれるのは、鈴木さんだ。北海道を変える力に期待している」と話す。
一方、刑事被告人の身での立候補には、厳しい批判もある。札幌市のタクシー運転手(69)は「北海道のために役に立った人だけど、自分の懐を肥やしたというイメージはぬぐえない」。石狩市の会社員(36)も「ムネオハウスや汚職が大々的に報じられ、いいイメージがない。今回も鈴木さんには投票はしない」と話す。
札幌市の飲食店経営男性(51)は、「裁判中に立候補することは、法律が許しているんだからしょうがないが、ああいう事件を起こした人が当選したら、本当に腹立たしい。お金に汚い政治は許せない」と話す。
こうした道民の疑念に対し、鈴木氏は言い切った。
「私は裁判中の身だ。お騒がせをし、ご迷惑をかけたことはおわびする。ただ一点、私はやましいことはしていない。悪いことはしていないから、いま堂々と戦っているということは、ご理解いただきたい。わいろをもらっていたなら、私は自ら退場する」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050819/mng_____tokuho__000.shtml
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