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〔連載〕混戦の構図 鹿児島衆院選 ＜４区＞衝撃のくら替えで波紋
浜田健一（５５）は、民主公認での立候補を正式表明する前々日の１６日、自らを後継として選んでくれた元衆院副議長の村山喜一（１９９６年死去）を墓参した。社民党の党人として区切りを付けたかのように。
党政審会長を務め、「九州社民党のなかでもサラブレッド」（支援者）の民主党へのくら替えは衝撃的だった。しかし、支援者の１人は「国分、姶良地区で見ると、以前とは逆転して民主票が社民票を完全に上回っている。当選しようと思うならやむを得ない選択だった」と理解を示す。
浜田に強いラブコールを送っていた民主党側にも事情がある。
全選挙区に候補擁立を目指す同党が現在、県内で擁立できたのは鹿児島１、３区のみ。４区は、同党の政策に理解を示す稲盛和夫名誉会長が率いる京セラの国分、隼人両工場（社員数計４０００人）があるなど、受け入れられやすい環境にある。
そのうえ、浜田は落選期間中、労組関連の小さな会合にも顔を出すなど、こつこつと選挙区内を回ってきた。「知名度は高く、仮に小選挙区でだめでも、惜敗率の高さで（復活して比例九州の）議席を確保できる可能性はおおいにある」と、民主党幹部の期待は大きい。
一方で、浜田の出馬会見に同席した民主の支援母体、連合鹿児島の出口能美会長は「支持をお願いできるよう何度も頭を下げたい」と話し、社民支持者が離れるのを懸念するが、「候補を奪っておいて、虫がよすぎる」と社民党の不信感は深そうだ。
◇
解散翌日の９日夜、元自民党総務会長の小里貞利は９人の県議を同席させて、隼人町の事務所で引退会見に臨んだ。
「気迫、自信と行動力はまだ持っているつもりだが、途中、体調を悪くして皆さんに迷惑をかけては申し訳ない」
後継者については、長男の泰弘（４６）を「鍛えていただければ」と断言した。政策秘書として父親を支えてきた実績を買う県議の１人は「（泰弘氏の名前は）自然に出てきたこと」と話す。
一方、突然の解散、引退表明に、地元の事情通は「長年、後継を狙っていた政治家や自治体首長がおり、絶妙の時期の交代だったのではないか。だが、世襲への一定の批判は免れないだろう」と解説する。
２１日には、小里グループの谷垣財務相を招いて総決起大会を開き、「自民正統派」を大きくアピールする予定だ。また、父親の厚い地盤を引き継ぎ、事業所の朝礼などにまめに顔を出して浸透を図っている。
米重均（５１）は初めての選挙。「増税に反対し、憲法を守り抜く確かな野党が必要」と訴えている。
（敬称略）
＜予想の顔ぶれ＞
小里 泰弘４６ 自新 元衆院議員秘書
浜田 健一５５ 民元《２》元社民政審会長
米重 均５１ 共新 党姶良地区委長
（2005年8月20日 読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news002.htm
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