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http://www.sankei.co.jp/news/morning/06pol001.htm
切り崩し対策、人目避け…「忍者みたい」
「青(反対)票か白(賛成)票か。今はその場その場で色を変えるカメレオンでいくしかない」。週明けに迫る郵政民営化法案の参院採決を前に、自民党執行部と反対派議員らの攻防が過熱の度を増した。水面下で結束を図りつつ、ぎりぎりまで態度を鮮明にしない戦術をとる反対派議員もいて、票読みは不透明。否決の見通しが高まる中、執行部の激しい切り崩し工作に悲鳴の声も漏れてくる。反対派議員たちの「暑い夏」を追った。
◆会食は面接
「あなたの考えを聞かせてほしい」。法案の衆院通過後、参院の反対派と目される議員たちに、青木幹雄参院議員会長から個別に誘いがかかった。
「私も青木さんと飯を食った。『まとまっていきましょう』と言われれば、『おっしゃる通りです』と調子を合わせるしかない」と中堅議員。
一方で、「脈があると見られれば、二の矢、三の矢が飛んでくる。一番恩義のある人を使って説得にかかってきたり、脅しをかけてきたり、青木さんの会食は一次面接なんだ」と話す議員も。
反対派議員らは八月に入ってから、多人数で会合を開くことを避け、もっぱら携帯電話で連絡を取り合ったり、小人数で会って情報交換を繰り返している。「集まれば、マスコミに顔ぶれが報じられて、個別に切り崩し工作がかかるから」と若手議員。
賛否を明確にしていない参院議員は五日夜も目立たないように都心を離れ、二、三人で会合へ。「誰と会うかは言えない。ステルスですから。いまさら外野から妙な説得されたくないですよ」と話す。
中には、秘書にも所在を知らせず、東京にいるのに外部からの問い合わせには「選挙区にいる」と答えさせる議員も。永田町のホテルで取材に応じたこの議員は、「忍者ごっこみたいなことをして申し訳ない。会いたくない人が押しかけてくるから」とわびた。
◆資金もちかけ
「(執行部から)『活動資金は足りてますか』と資金提供を持ちかけられた人もいる。金で票を買う行為は贈収賄じゃないか」。閣僚経験のある反対派の衆院議員は憤慨して言った。
「金や恩義で縛れないとなれば、スキャンダルを暴露するぞと脅された人もいるそうだ。ヤクザと同じだよ。えげつなさすぎる」。反対派の自民党参院議員が言う。
だが、いずれの議員も、資金提供や脅しの実態について詳しく語ろうとはしない。「先が読めない状況だから、表立って相手を批判する人はいない。最低限、保険をかけておかなきゃ生き延びられない」と衆院議員のベテラン秘書は解説した。
旧橋本派の中堅衆院議員は衆院採決前の六月、前回選挙で推薦を受けた公明党の地元幹部から食事に誘われ、郵政民営化法案への協力を求められた。返答によっては協力態勢に影響が出そうな圧迫感を感じたという。この議員は迷った末に賛成票を投じた。
◆臨戦態勢
五日午前、自民党亀井派は参院議員だけで会合を持った。参院同派会長の中曽根弘文氏をはじめ約十五人が出席。中曽根氏が「否決したら解散などとはおかしい。国民のための法律になっていない」と反対を明言すると、グレーゾーンとされていた大野つや子氏、狩野安氏も反対を表明した。
議員の一人は、「これで否決で決まりだ。あとは反対が二十になるか三十になるか、数の問題」と自信をみせた。
この日午後、郵政特別委で可決されると、傍聴していた反対派の急先鋒(せんぽう)、荒井広幸参院議員が顔を真っ赤に紅潮させ、真っ先に委員会室を出た。額には大粒の汗。憮然(ぶぜん)とした表情で、報道陣の問いかけには一切答えず国会を後にした。
週明けの「決戦」を前に、衆院議員たちは続々と帰郷し、解散を前提に地元へのあいさつ回りをスタートさせた。
亀井静香元政調会長は、「法案は可決しないという見通しを強く持っている」。また、片山虎之助参院幹事長は、「可決、否決は小差ではないかと思っている」と述べた。
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