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bR12(2005年8月1日 国会議員号)
自民党国会議員の皆様へ
10年以上前から小泉純一郎氏は郵政民営化の提唱者であった。しかしそれは単なるアイデア(言葉)であり、今日の「郵政民営化法案」の具体性はなかった。現在の郵政民営化法案は、竹中平蔵氏が作成した実行プランである。竹中平蔵氏は2001年、小泉内閣発足の際、経済財政政策・金融担当特命大臣として民間から大抜擢された。この異例の抜擢を小泉首相にさせたのは誰だろうか。
竹中氏はブッシュ政権第1期CEA(大統領経済諮問委員会)委員長のロバート・ハバード氏とハーバード大留学中からの親友(竹中氏が国会で苦境に立たされたとき来日し「アメリカは竹中氏を支持する」と救った)、また同委員のランダル・クロスナー氏とも大学教授(客員)時代の友人である。さらにアメリカ財務省ジョン・テーラー財務次官、1980年代邦銀が世界ランキング1位から10位を占めたとき、邦銀つぶし戦略を竹中氏と共に研究した国際経済研究所のフレッド・バークステン所長、ホワイトハウス国際経済担当ギャリー・エドソン大統領補佐官、NSC(国家安全保障会議)のグッドマン氏等と親しい仲である。さらに竹中氏がいかに多くの米系大手証券会社(ゴールドマン・サックス等)の経営幹部との人脈を持っているかは、すでに『週刊東洋経済』(2002年11月9日号)で明らかだから省略する。
小泉首相が竹中氏をアメリカからの(直接間接の)強い要望で、アメリカが希望するポジションにタイムリーに抜擢していることは明らかである。竹中氏は日本の利益代表ではなく、アメリカの国益から任命された大臣と言っても過言ではなかろう。まずは金融担当大臣に任命させて邦銀を厳しく調査・監査して不良債権を「創造」して再生に追いやり、さらに邦銀に持ち合い解消を強制して株価を下落させ、米資本がたやすく「最低コスト」で邦銀と優良企業を買収しやすくした。2002年から今日まで30−50兆円の米資本の日本株買いにも拘らず、「不思議なことに」日本株価は上昇しなかった。それは外人買いと日本の機関投資家の売りがぴったりと一致したからである。
立場上、誰にこのような「芸当」ができたか自明のことである。アメリカによる邦銀の買収(M&A)体制が整ったら、次は外人(アメリカ)が大きなシェアーを持つ市場に郵貯資金を移動するだけである。国民の安全な貯金箱(郵貯・簡保)を壊して「どうぞお使いください」とアメリカに差し出すも同然の行為。確かに、郵政民営化は内外資本市場の活性化には有効である。しかし大事なことは「日本人のお金の所有権と使用権」の基本問題である。軍事力(安全)と経済力において日本はアメリカに依存している。だから日本は竹中平蔵氏(アメリカ)に真っ向から逆らえないのが現実。小泉首相の「修正は一切しない」の強気は、アメリカの威を借る竹中大臣の代弁!
そこで“私の寝言”を聞いてほしい。「自民党の郵政民営化反対派は野党より先に竹中郵政担当大臣不信任案を提出すること」だ。(野党も賛成だから)不信任可決後、郵政民営化法案を「審議未了」にする。そして再審条件を「持株会社がいったん4社株を放出した後、議決権確保が充分なだけ4社株の買戻しができる権限を持株会社に与える」にすること。こうすることにより、日本人の現金の使用権は市場(アメリカ)に投じても所有権は確保できる(邦銀のM&Aの危機を回避できる)。現金使用権をアメリカに与えて大いに稼がせるが現金所有権者はあくまで日本人でなくてはならない。1980年代から今日までの竹中氏は「売国奴」のように見えるが、本当は政治同様「日本経済をアメリカの占領下においたほうが日本のためになる」と心から信じているのだろう。日本経済が単なる数字なら竹中氏に一理ある。問題は「数の宗教」の教祖と、教祖に洗脳された小泉首相が日本に見合っているかどうかである。
自民党議員(参議院議員)の叡智に期待したい。
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