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【政治面】2005年07月26日(火曜日)付
郵政、シーリングにも影 法案優先、先行き見えず
06年度予算編成の皮切りとなる政府の概算要求基準(シーリング)決定の見通しが立たない。小泉首相が郵政民営化法案の審議に専念するため「待った」をかけたからだ。閣議了解が国会閉幕後の8月中旬までずれ込めば、政治改革をめぐって自民党が分裂、野党に転落した93年夏以来の「非常事態」となる。郵政政局の影響は霞が関にも広がりだした。(前田直人、友野賀世)
●「政府・与党一丸」の審議
「最優先課題である郵政法案の審議に、政府・与党一丸となって取り組まないといけない。当面、審議の様子を見る必要がある」
15日、首相官邸を訪ねた谷垣財務相に、首相はこう語り、シーリングの先送りを伝えた。
これまでで最も遅いシーリング決定は、細川内閣発足直後の93年8月13日。自民党が分裂して7月の総選挙で野党に転落した年だ。次に遅かったのは98年8月12日。7月の参院選で自民党が惨敗、橋本首相が退陣し、小渕内閣が誕生した年だ。いずれも「政変」がらみだった。
今年の国会会期末は8月13日。与党は郵政法案について、5日の参院本会議での採決を目指しているが、採決がさらにずれこめば、シーリング決定が中旬以降に遅れるのは確実だ。
首相周辺はシーリング決定先送りの理由を「郵政決着までは何も考えられないということ。この時期に新たな火種を抱えるわけにはいかない」と説明する。予算確保に力を入れる族議員や関係省庁の反発が予想されるからだ。
ただ、族議員の方も、首相が吹かす「解散風」に気をとられっ放しだ。社会保障費の抑制幅が焦点となっているが、厚労族幹部は「今は郵政があるから、余計なことは言わないで黙っている」。
こうした中、与党内には8月末の概算要求の締め切り延期の声も出始めた。自民党の片山虎之助参院幹事長は22日の記者会見で「8月末だと間に合わない。延ばすんじゃないか」と語った。
ただ、シーリング決定が大幅にずれ込んだ93、98両年も、概算要求の締め切り自体は守られた。財務省は今回も郵政法案の成立直後にシーリングを決められれば、例年通りの日程で一気に進めることは可能と判断している。谷垣財務相は22日の会見で「秋の予算編成がいたずらにずれ込まないように相当、努力しないと」と語った。
しかし、これもすべては衆院が解散されなかった場合のシナリオ。財務省幹部は「長年予算編成に携わっているが、この時期にこれほど先が見えないのは初めてだ」と漏らしている。
◇ ◇
◆キーワード
<概算要求基準> 翌年度の予算編成を前に、各省庁の要求額の上限を定めたもの。「シーリング」(天井)ともいう。例年は7月末をめどに閣議了解という形で決め、この基準に基づいて、各省庁が8月末までに予算要求をする。その後、財務省が査定し、年末に予算の原案を作る。
http://www.asahi.com/paper/politics.html
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