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筆坂セクハラ問題の不可解:5年前のことだから針の筵に5年じゃ。
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筆坂セクハラ問題の不可解
書記局次長を務めた市川正一元参議院議員が不倫で除名(00年12月)されたときも驚きました。国会議員の秘書や末端組織の責任者である地区委員長がハレンチ行為で逮捕されるという事件もありました。「清潔」を看板に掲げる組織の専従メンバーとして、日常的に相当のストレスがあったのかもしれません。
私は筆坂秀世さんの人柄をわりとよく知っています。ひとことでいえば社会生活を経験したうえで党本部にやってきた柔軟性のある人で、共産党的な言い方をすれば大衆性があった。不破哲三議長、志位和夫委員長のような理念先行型ではなく、上田耕一郎副委員長のあとの政策委員長を継いだように現実感覚型の人材だったと思います。
セクハラ被害者は党員だと聞いています。共産党の最高幹部は日常生活のスケジュールが管理されていますから、いったいどのような「酒席」でセクハラが行われうるのか。「現場」は限定されてきます。
第三者がいればとめるでしょうし、党外であればここまで情報が遮断されることもない。また小さな行きすぎであれば自己批判を求めても幹部としての地位は守るものです。「女性のプライバシー」と「開かれた党」とのバランスをどう現実的に解決するか。被害者のプライバシーを守りながらある程度の「事実」を明らかにすることが組織としての危機管理能力の見せ所だったはずです。党の最高幹部を更迭するのにただセクハラがありましたでは、「それほどひどいことがあったんだろう」との憶測を肥大化させ、党員や支持者の志気を挫くことにさえなります。ましてや市川さんが除名されたのに、筆坂さんはなぜ除名や除籍でなかったのか。不可解なことです。
たまたま自民党の太田誠一議員の「集団レイプする人は元気がある」発言が問題になっていますが、それを報じた「赤旗」(28日)は社会面トップで「女性べっ視許せない」という記事を載せ、「政治家以前の人間としての見識を疑う」という識者のコメントも紹介しています。他党の問題には厳しい批判を加えても筆坂問題はもう触れない。これでは第三者に対する説得力はとても弱い。
正しいと信じた道を他人に説く人たちは人間的なレベルでも豊かにならなければなりません。「あの人が正しいことをいうからイヤだ」ということさえあるのが世間です。「正しいこと」は人間を通して理解されるのです。共産党の課題は綱領改定とともに、人間観とも深く関わる組織論にもあると思います。
(『サンデー毎日』03年7月13日号)
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