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【政権半壊】(上)派閥システム機能せず 噴き出た思想的対立  【産経新聞】
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 07 日 05:22:36: ogcGl0q1DMbpk
 

【政権半壊】(上)派閥システム機能せず 噴き出た思想的対立

 郵政民営化関連法案がわずか五票差で衆院を通過して一夜明けた六日、首相・小泉純一郎は主要国首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)出席のため羽田空港を出発、永田町は「一時休戦」に入った。しかし、水面下では八月上旬に予想される参院本会議での「決戦」に向け、賛成・反対両派による多数派工作がスタートした。前衆院議長・綿貫民輔をはじめ五十一人もの造反者が出た小泉政権はこの危機をどう乗り切ろうとしているか。派閥など旧来の自民党が依存してきた権力システムが「半壊」し、大きな変化が生じたことを明白にした「七・五決戦」が持つ意味を探る。

                  ◇

 弱音をはかないことを美学とする小泉が、珍しく愚痴った。

 「おれがこれまで一番多く酒を飲んだ相手は綿貫さんだったのになあ」

 小泉の出身校・慶応義塾大学の先輩でもある綿貫は五日夜、東京・赤坂の料理屋で元政調会長・亀井静香ら約二十人が集まって開いた「祝勝会」で終始、上機嫌だった。

 「愉快、愉快。男の花道だ」

 郵政事業懇話会会長として反対派の象徴となった綿貫は、こう言い放ち、高笑いした。

 勢いに乗る綿貫ら反対派は、六日夜も十数人が集結した。

 「覇道ではなく王道を歩む『王道会』を旗揚げしよう」

 衆院本会議で造反した議員を中心に、「ポスト小泉」をにらむ新グループを結成しようとの声が次々とあがった。元国土庁長官、亀井久興は「われわれがどういう行動を取るかによって(ポスト小泉が)決まる場面も出てくる」と顔を紅潮させた。

 反対派の多くは参院での法案否決に自信をみせている。元郵政相の野田聖子は講演で「参院では十八人が反対すればよい。首相にもはや破壊力はない」と断言した。反対票を投じた議員の一人は「地元はよくやったという反応。解散・総選挙で結構、参院は否決だ」と語る。小泉も六日、記者団の「参院で否決されれば、内閣不信任ととらえるのか」との質問に「そうですね」と答えた。法案が衆院を通過した後も永田町では解散風が吹き続けている。

 今回の事態は、小泉が就任後初めて直面した危機だ。一歩、間違えば「党分裂」に直結する。小泉は構造改革路線を掲げて「抵抗勢力」との対決を演出、それによって高い支持率を保ち、解散・総選挙もちらつかせ、党側を屈服させてきた。しかし、その神通力は通用しなくなりつつある。

                 ◆◇◆

 自民党の“地殻変動”もまた白日の下にさらされた。「会長が右を向けといえば右を向く」と、派閥が一枚岩で対応してきた自民党の権力システムの崩壊が、「五十一人の造反劇」によってあらわになった。

 小泉の“公約”である「自民党をぶっ壊す」という発言は、ある意味、着実に進行している。

 「いろいろあったが、できるだけ仲良くやっていこう」

 六日昼、国会近くの事務所で開かれた党内最大派閥・旧橋本派の幹部会。採決では所属衆院議員五十人のうち、十六人が反対、三人が棄権した。同派では、昨年八月に元首相の橋本龍太郎が会長を辞任して以来、後任を決められない分裂状態が深刻化している。現在は小泉を支える参院議員会長、青木幹雄が強い影響力を持っているが、派内に反対派の重鎮・綿貫を抱え、「西郷隆盛にしてはいけない」(幹部)と、一部が綿貫とともに造反することを容認せざるを得なかった。

 派閥は長らく「政策集団」の表看板を背負い、派内で激論をたたかわせても最後は「会長一任」の形をとって、重要な政治行動では「一致団結」することが当たり前だった。それが、「仲良し」だけが派閥を辛うじて維持するキーワードになっている。

 本会議採決の前日、同派幹部の一人は「採決を機に、造反した議員は派を追い出せばいい。それで派はひとつにまとまる」と周囲に語った。

 第三勢力の堀内派も幹部間で対応が割れた。会長の堀内光雄は会長職の辞表を提出して反対に回り、事務総長の古賀誠は途中退席し棄権、会長代行の丹羽雄哉は賛成した。同派では六日、丹羽ら数人が派閥事務所で対応を協議したが、当面、会長空席の状況が続きそうだ。

 「派閥崩壊」の背景には、衆院への小選挙区制導入や政治資金規正法の強化を機に、派閥がカネ、人事、選挙という政治活動の根幹を握れなくなったことがある。つまり、派閥を基本単位とした旧来の話し合い重視の党運営システムが機能しなくなったのだ。

 より深刻なのは、自民党が昭和三十年の結党以来、潜在的に抱えてきた「思想的対立」が表面化したことだ。

 小泉が進める「官から民へ」の路線は資本主義に基礎を置く「自由主義」を代表し、郵政民営化に反対するグループは社会の不平等是正に力点を置く「社民主義」的考えに近い。この党内の矛盾が一気に出たと政調会長・与謝野馨は分析する。

 五日夜、都内のホテルで開かれた自民党議員の資金集めパーティー。公明党の赤松正雄は隣の閣僚経験者に「実質的に自民党は今日、つぶれましたね」とささやいた。「ええ、終わりの始まりですね。亀裂は深いですよ」と彼は即答した。自民党は、羅針盤を失った船のように波間を漂い始めたのだろうか。(敬称略)


http://www.sankei.co.jp/news/morning/07iti003.htm



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