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『天皇』前文で言及 自民憲法起草委
要綱概要 『非常事態』は外す
自民党の新憲法草案のたたき台となる党新憲法起草委員会の要綱の概要が四日、明らかになった。「我々は国民統合の象徴たる天皇とともに歴史を刻んできた」と天皇について前文で言及。「国防の責務」などの新たな義務規定は条文に盛り込まれた。一方、テロ、大災害の際に、首相が国民の権利を一部制限できる「非常事態規定」は、自民党が制定を目指す安全保障に関する基本法で対応する方向になった。
起草委は七日の幹部会合で要綱を正式決定し、発表する。文字数は四千字前後に集約する。
前文は「国の生成」「国の原理」「国の目標」「自主憲法の制定宣言」の四つの基本理念で構成。天皇は日本の歴史、伝統、文化と不可分な存在として、「国の生成」の項目で言及する。天皇を前文で言及するかをめぐっては党内で意見が割れたが、「前文」小委員会の小委員長・中曽根康弘元首相の強い意向で触れることにした。
自衛隊は「軍」との位置付けを明確にし、自衛だけでなく国際の平和や安定に寄与できるとする。当初、盛り込むつもりだった非常事態規定は「保守色が強すぎる」との慎重論を踏まえ見送った。「軍事裁判所」の設置についても、憲法ではなく安全保障に関する基本法で対応する。
このほか、改憲要件を現行の衆参両院全議員の「三分の二以上」から、「過半数」に緩和する。
自民党新憲法起草委員会の要綱概要の骨子は次の通り。
◇「天皇は国民統合の象徴」と前文で言及
◇象徴天皇制の維持
◇自衛隊を軍として明確化
◇非常事態規定は憲法でなく基本法で規定
◇「国防の責務」などの新たな義務を規定
◇軍事裁判所は法律で規定
◇改憲要件を両院議員の過半数に緩和
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20050705/mng_____sei_____005.shtml
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