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今度は動く石原知事 都議選あす告示
都議選を前に開かれた自民党の各種団体総決起集会に出席し、あいさつをする石原都知事=9日午後2時30分、東京・永田町の自民党本部で
24日告示の東京都議選を前に、石原慎太郎都知事の動きが注目を集めている。側近の浜渦武生副知事更迭劇の余韻が消えない中、都議選の応援に前向きな姿勢を見せたり、07年知事選に「意欲満々ですぞ」と言ってみたり。都庁内からは「政治的な影響力を保つため、失地回復の打開策を模索しているのでは」との声も漏れる。
17日の記者会見で、都議選での応援予定を聞かれた石原知事は、「政党として(要望を)まとめてきてくれと言っている。役に立てるなら立ちたいと思う」と語った。
自民党は今回の選挙で「石原都政の推進力」をスローガンに掲げる。党都連関係者は「数カ所でも街頭に立ってもらえば効果がある」と歓迎する。
4年前の都議選。石原知事は選挙期間の大半を、南米・ガラパゴス諸島で過ごした。名目は「自然保護対策の視察」だったが、周囲は「明らかな選挙回避」と見ていた。そんな視線を、当時は「私は政党とは一切関係ない」とはねつける余裕があった。
今回は事情が違う。直前まで浜渦氏の問題で、都政は揺れた。
「側近中の側近を外さざるを得なかったことで、職員や議会との関係で疑心暗鬼になっているのではないか」と心配する都幹部もいる。
●対立
99年4月、石原都政は「対立」から始まった。都の役人に「危機感がない」と声を荒らげ、都議会では知事選で別の候補を推した自民党から激しいヤジを浴びた。
1期目前半は、そんな緊張関係の中でも、世間をアッと言わせる政策を次々と打ち出した。
ディーゼル車規制は、青島都政時代から検討されてきた施策だったが、「国に先駆けろ」とハッパをかけ、実現させたのは石原知事の実績といえる。裁判は一、二審で敗訴し、結局和解という形になったが、税制を考えるきっかけとなった大手銀行への外形標準課税は「税で何かやれないか」と直接職員に指示したものだった。
知事の発信力を利用しようと、職員たちも知恵を絞った。議会に根回しをせず、何度もあつれきを生んだが、世論の支持を背景に突き進んだ。
だが、1期目後半から、知事の登庁日は次第に減り、「本業作家、副業知事」「非常勤知事」と都庁内でやゆされ始める。それでも03年の知事選では308万票を集めて再選を果たした。これを背景にして安定期に入ると、週2、3日しか都庁に姿を見せなくなり、代わりに庁内の仕事の多くを浜渦氏に任せるようになった。
浜渦氏は、石原知事が国会議員時代に属した若手政治家集団「青嵐会」の事務局などを手伝い、その後、公設秘書になった腹心だ。
知事への事業説明の許可を求める「お手紙」、失敗すると書く「わび状」。都議会が「恐怖独裁政治」と指摘した、浜渦氏による権力と情報の集中を招いた。
都庁内で「自由にものが言えない雰囲気」(都職員)になるにつれて、新しい目玉事業も減っていった。
●転機
今年2月、別の幹部が「転機だった」と悔やむ場面があった。全国知事会長選挙だ。「知事会長になれば首相と対等に議論できた。庁外に活躍の場ができれば風向きも変わった」と言うのだ。知事の外部への発言力が低下していることに危機感を抱く幹部は少なくない。
石原知事は当初、「総理出てこい、と言えるのは僕だけだ」と、立候補に前向きとも取れる発言をした。しかし、首都圏を中心とした知事たちの立候補要請には乗らなかった。「浜渦氏が消極的だった」と複数の幹部が証言する。浜渦氏更迭では、都議会から攻められただけでなく、庁内からも都議会に浜渦氏の偽証を裏付ける陳述書が出た。議会との力関係は、様変わりしつつある。
今月半ば、浜渦氏の更迭を強く迫った内田茂議長(自民)の都議選決起大会に、石原知事はビデオの激励メッセージを送り、「自民党の一番の実力者」と持ち上げた。
都議選の次は知事選がある。三男が立候補を予定する衆院選も控えている。盤石と見られていた石原知事の足元に微妙な影が差す中、その振る舞いに注目が集まる。
◇
◆佐々木信夫・中央大教授(行政学)の話
石原知事がすべてを任せた浜渦副知事の強引な手法が、国の官僚とは違い政治的な訓練を受けていない都庁官僚を萎縮(いしゅく)させ、新しい政策が出なくなったと想像できる。石原知事は都知事というポストに執着があるはずだ。都議選後も求心力を保つためには、都議会に足場を作ることが不可欠になるだろう。在野の人を使い、政策で都政を引っ張るシステムを作り直すことも必要だ。今夏以降一つ空く、副知事ポストをどう使うかがポイントになる。
http://www.asahi.com/paper/politics.html
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