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追い詰められたNHK
新聞が報じない地元警察との深い関係
NHK大津放送局記者による連続放火事件には、新聞が少しも報じない謎がある。否認していた笠松祐史(24)が白状したのは、6月の放火未遂の際、警察が尾行していた事実を突きつけられたからだ。笠松を疑い、尾行までしていた警察はなぜ、このとき、現行犯逮捕しなかったのか。逮捕が半年も遅れた裏には、大きな疑念があるのだ。
笠松の容疑は6月5日の放火未遂。滋賀県警は捜査員が笠松を尾行中、ダンボ―ル箱から火の手があがるのを確認した。笠松が自供したのは、今月11月5日の事情聴取で警察が尾行していたことを知ったからだ。この間、5ヶ月もの空白がある。
「笠松が怪しいというのは、地元マスコミで知らない者はいませんでした。県警は8件の放火が相次いだ5月15日、目撃者の情報と酷似していた笠松を重要参考人として事情聴取しているし、笠松のいた記者クラブにも捜査員が何度も来ていた。ところが、いつまでたっても逮捕されない。あるマスコミが捜査関係者に聞いたところ、『いろいろあってね・・・・・・・・』と言ったそうです」(事情通)
地方のNHK支局と地元警察の深い関係≠ヘ、マスコミの間では有名だ。県警がNHK職員を逮捕する際は警察庁に連絡を入れる慣例があるし、集金人らの不祥事があると、まず県警詰のNHKの記者に連絡が入る。今でこそ少なくなったようだが、昔は「モミ消し」は日常茶飯事だった。
NHKは4月から橋本新体制になって、6月6日、100万件に迫る受信料不払いを食い止めようと「信頼回復活動」をスタ−トさせた。このタイミングで放火記者が逮捕されたら最悪だった。
疑惑はまだある。NHK大津放送局は笠松が事情聴取されたのを知りながら、本人から約20〜30分しか話を聴いていない。7月には一部週刊誌が笠松の放火疑惑を報じたのに、「お答えする立場にありません」(経営広報部)とスットボケていた。県警関係者の多くが笠松をクロだと思っていたのに内部調査もしないのは、モミ消そうとしたのと同じだ。
笠松は5月から10月まで大阪府内の病院に入院していたが、これは「上司の勧め」だったという。入院によって逮捕時期が遅れたのは間違いない。元NHK職員の立花孝志氏が言う。
「NHKの報道畑には職員の不祥事は隠蔽しようという体質が根強くある。これまでもいくつもの不祥事をモミ消してきた。それだけに、空白の5ヶ月間≠ヘ疑惑です」
橋本会長は、今回の事件について「お詫びを見える形にする」と役員報酬30%返上を発表したが、それで済むのか。
日刊ゲンダイ 2005 11 09