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(回答先: ネット殺害依頼、元女性救急隊員を起訴猶予処分(読売新聞) 投稿者 熊野孤道 日時 2005 年 11 月 02 日 21:20:34)
産経新聞からhttp://www.sankei.co.jp/news/morning/02na1003.htmより引用
平成17(2005)年11月2日[水]
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復讐サイト殺人依頼 女性の目「男が暴行 立件を」 “闇”暴いた新米刑事
復讐(ふくしゅう)サイトを介した殺人依頼事件に絡み、不倫相手の東京消防庁女性救急隊員(32)=懲戒免職、起訴猶予=を殴り、けがをさせた事件で、東京地検八王子支部は一日、傷害罪で同僚の町田貞稔隊員(32)を略式起訴。八王子簡裁は罰金五十万円の略式命令を出した。不倫相手の男にも刑事責任を問う異例の展開をたどった事件。「同性としてこの暴行を見過ごすわけにはいかない。事件にすべきです」。隊員のけがに気付いた女性刑事(24)の訴えが、立件へと上司を動かした。刑事になって、まだ半年の駆け出しだった。(荒井敬介)
「ちょっとお尻が痛いんです」。女性隊員が暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕された九月十四日。取調室で女性隊員は痛みで顔をゆがめ、右側の尻を浮かせながら、自分より八つも若い多摩中央署の女性刑事と向き合っていた。
「けがしたの?」
「階段で転んでしまって…」
病院へ連れて行くと、右太ももには、あざが広がり、肋骨(ろっこつ)も骨折していた。だが、女性隊員は硬い表情のまま言葉少なに、「七段目くらいの階段から転んだ」と繰り返すばかり。「普通のけがじゃない」と感じたが、刑事は深く聞かなかった。
翌日。雑談にも応じ、落ち着きを取り戻したように見えた。
「何も心配することはないから正直に話して」
タイミングを見計らい、女性刑事は前日のけがについて改めて尋ねた。女性隊員は消えいりそうな声で漏らした。
「実は暴行を受けたんです」
だが、町田隊員におびえているのか、詳細を話したがらない。狭い取調室で向かい合う二人。時間だけが過ぎていった。
「彼は男として最低のことをしたんだよ。自分だけつらい目にあっていいの。安心して」。尻のけがをおもんぱかって座布団を差し出し、粘り強く訴えた。
その時、女性隊員の頬(ほお)に大粒の涙が伝った。
「やっと本当のことが言える。これで解放される」。布団の上に長時間正座させられ暴行を受けたこと、デートのたびに金を要求されていたこと…。具体的な話がポツリポツリと語られた。無心された総額は五百万円にも及んでいた。
「けがの状態からも普通の暴力ではない。こんな暴行を許すわけにはいかない」。上司に直談判した。「事実を明らかにするためにも、立件を検討していただけないでしょうか」
メディアをにぎわした殺人依頼は、殺害が果たされないので、詐欺にあったと、警察に相談し、悪事がばれてしまった“単純”な事件と世間では思われたが、女性刑事は「男の暴行を伏せたままでは、事件は女性が一方的愛情から殺害を依頼した、曲がった形になる」と考えた。
心を開いた女性隊員も男性の刑事責任を求めた。「望み通り逮捕が決まったよ」。上司から伝えられた言葉をそのまま伝えた。「ちゃんと処罰されるんですね」。女性隊員は顔を紅潮させた。逮捕後初めてみせた表情だった。
闇サイト、怪しげな探偵。事件は社会に潜むいくつかの問題を浮き彫りにした。そして、不倫。
女性刑事は「殺害依頼はもちろん、不倫関係も社会人としてあってはならない」としたうえで、「暴力や金の要求など、さまざまな要因で芽生えた復讐心や、殺害依頼に至る経緯を明らかにする義務が(警察には)あったと痛切に感じました」と事件を振り返った。
◇
≪復讐サイト殺人依頼事件≫ 不倫相手の妻の殺害を依頼した暴力行為等処罰法違反容疑で警視庁が9月、東京消防庁女性救急隊員を逮捕。殺害を実行せずに現金をだまし取った詐欺容疑で実行役の探偵、田部孝治被告(40)=起訴済み=とサイト管理者、奥平明男被告(49)=同=も逮捕。サイト側には約1500万円が支払われていた。女性隊員が不倫相手の救急隊員から暴力を受けていたことも発覚。警視庁は10月、傷害容疑で隊員を逮捕した。