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東京都品川区のUFJ銀行のATM(現金自動受払機)付近で、カッターナイフを持っていたとして警視庁に銃刀法違反容疑で現行犯逮捕されていた住所不定、無職の男(37)が、紙袋の中に映像受信機を隠し持ち、「小型カメラをATMに取り付けた」などと供述していることが分かった。男は「面識のない男から指示された」と供述しており、警視庁捜査3課はUFJ銀行のATMコーナーで盗撮用カメラが相次いで見つかった事件との関連を調べている。
同課によると、男が逮捕されたのは、同区東五反田2、同行五反田支店東急五反田駅前出張所の無人のATM前の路上。13日午後5時ごろ、ATMコーナーの中に20分近くいたことから不審に思った通行人が110番した。駆けつけた大崎署員がカッターナイフを所持しているのを確認し、現行犯逮捕した。男が持っていた紙袋からは、小型の映像受信機、携帯電話、メモ書きの紙などが見つかった。受信機にはATMを操作する人の指先の動きが分かる画像が残っていた。
供述によると、男は同日午前9時ごろ、インターネットを通じて連絡を取り合うようになった面識のない男の指示で文京区内の駅に行き、指定場所に置かれていた映像受信機や携帯電話の入った紙袋を手に入れた。その後、紙袋に入っていたメモの指示や、携帯電話を通じた男からの指示に従い、文京、杉並、品川区内の複数の銀行やコンビニエンスストアのATMで小型カメラの装着や取り外しをしたという。逮捕場所のATMでカメラは見つかっておらず、男が何をしていたのかは明らかになっていない。男は「この日が初めて」と供述している。
隠しカメラは9月上旬以降、東京、埼玉、千葉など首都圏にあるUFJ銀行の無人店舗十数カ所で見つかった。いずれもATM前の小箱にカメラが仕掛けられていた。同課は、組織的な窃盗グループが暗証番号を盗み見るために関与し、同様に別の人物を使って隠しカメラの設置をしていた疑いもあるとみている。
UFJ銀行広報部は「不審人物が逮捕されたことは聞いているが、カメラとの関連ははっきりしておらず、今後の捜査を待ちたい」と話している。【宮川裕章、鈴木泰広】
毎日新聞 2005年10月20日 20時50分 (最終更新時間 10月20日 21時18分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051021k0000m040102000c.html