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(回答先: 「てめえらバカか」 帆足容疑者 強気“営業の鬼” 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 30 日 12:47:44)
カネボウ元首脳逮捕 抵抗する社員恫喝 「反論認めない」
元社長と元副社長、二人三脚で粉飾指揮
創業約百二十年の老舗企業カネボウ。その経理の内実は、べったりと粉飾されていた。七百億円もの粉飾決算を指揮した容疑で、カネボウ元首脳三人が二十九日逮捕された証券取引法違反事件。関連会社の化粧品セールスマンからたたき上げた元社長の帆足隆容疑者(69)と、銀行マンから転身した元副社長の宮原卓容疑者(63)は“二人三脚”で粉飾の陣頭指揮をとり、ときには社員に罵声(ばせい)を浴びせ不正を強要した。老舗の社内には「対策」(架空売り上げ)、「黒玉」(仮装取引で生まれた不良在庫)などの隠語が飛び交い、いつしか不正経理が日常化する異常な雰囲気が蔓延(まんえん)していた。
「こんなもの受け取れない。会社更生法でも申請するつもりか」
レインボーブリッジからひときわ目を引くカネボウ本社ビル(東京都港区)の一室。経営悪化が深刻化していた平成十四年三月期決算について「連結債務超過になる」と経理部長から報告を受けた宮原容疑者は、提出された決算報告書を一読した後、部長に怒鳴り声を上げた。
報告書に記された利益は宮原容疑者の望む目標値に達していなかった。部長の説明にも聞く耳を持たない。目標を満たした報告書が届けられるまで、了承しなかった。
「宮原氏からは、現実からかけ離れた高い利益が書類上に残るように、厳しい目標値が課せられた」。会社関係者はそう証言する。
経理部側が「さすがにこれは無理です」と粉飾に抵抗すると、宮原容疑者や元財務・経理担当常務の嶋田賢三郎容疑者(59)からは、「なにが無理だ。反論は認めない」と大声で一喝された。
「債務超過にして会社をつぶすつもりか。一万四千人の社員を失業させるのか」。宮原容疑者から経理部側の態度を聞かされた帆足容疑者が、経理担当幹部に粉飾を強要する場面も。“二人三脚”で強権発動していた。
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粉飾の“総司令部”となったのが「事前検討会」。各事業部門が販売目標を報告し、営業目標など経営上の重要事項を立案するために設置された。
通称「十二階」。企画部門や財務部門といった経営中枢が本社ビル十二階にあることから、社員らの間でこう呼ばれていた。
宮原容疑者が粉飾を指示していたのも「十二階」だった。「粉飾しないと絶対に達成できないようなむちゃな販売目標を求められ、強引に粉飾させられた」。元社員の一人はこう明かす。
「十二階」の決定は帆足容疑者ら関係首脳が集まる「経営会議」に上げられた。帆足容疑者はその場で「計画達成できない場合は覚悟しろ」と、役員や幹部を恫喝(どうかつ)していた。
取締役会は経営会議で決められたことを追認するだけの「お飾り」(捜査関係者)。元役員は「最終的に山のようになって上がってきた決算書のチェックなんてできない。宮原氏の言いなりだ」と話した。
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「いつの間にかマヒしていたんでしょうね」
別の元役員が振り返るように、不正行為にだれも異を唱えなくなると、各部門の現場では当たり前のように不正な会計操作が実行され始めた。
社員間の隠語では架空の売り上げは「対策」、仮装取引で生まれた不良在庫は「黒玉」。
「そっちの『対策』はどれくらいだ」
「『黒玉』がこれぐらいになった」
社内では各部の社員の間で、粉飾工作の情報交換がひそひそと行われるようになった。
また、決算後に返品させる予定で取引先に目標値に達しない分の商品を買い取ってもらう「押し込み」や、翌決算期に販売する予定の商品を当期の売り上げに仕立てる「前倒し」も横行していたという。
「会社中が腐っていたとしかいいようがないが…」。ある現役社員はこう語り、肩を落とした。
◇
■監査法人など家宅捜索
カネボウの粉飾決算事件で、会計監査を担当した中央青山監査法人(東京都千代田区)には二十九日午後三時ごろ、東京地検の係官約四十人が家宅捜索に入った。
午前中から多くの報道陣が待機する中、係官らは同法人が入居する霞が関ビルのロビーに集合。金融部や監査部など各フロアに分散し、次々と中へ入っていった。総合受付がある三十二階では、報道陣十数人のカメラのフラッシュが一斉にたかれ、別のテナントの従業員が不審げに様子を見守る姿も。同法人広報部は「詳しいことは分からないが、中は落ち着いている」と話した。
また、特捜部に逮捕されたカネボウ元社長の帆足、元副社長の宮原、元財務・経理担当常務の嶋田の各容疑者の自宅=世田谷区など=でも家宅捜索が行われ、閑静な住宅街が一時、騒然とした。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/30na1001.htm