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道路公団副総裁を逮捕 橋梁談合、分割発注を指示
日本道路公団の内田道雄副総裁
日本道路公団発注工事の談合の構図
日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事をめぐる談合事件で、東京地検特捜部は25日、同公団副総裁の内田道雄容疑者(60)を独占禁止法違反の幇助(ほうじょ)と背任の疑いで逮捕した。OBの天下りによって公団と結びついた業界側が談合を繰り返していた実態が判明しており、国土交通省分に端を発した事件は、新たに公団首脳が刑事責任を問われる「官製談合」に発展した。副総裁自らが業界の利益を図るため、不必要な支出をして損害を与えた疑いも浮上した。
内田副総裁は、談合組織「K会」「A会」や公団OB団体の「かづら会」について「知らない」とし、談合への関与を否定していた。逮捕容疑についても否認しているという。
特捜部は同日午後から内田副総裁を任意で事情聴取し、逮捕と同時に公団本社の副総裁室や自宅を捜索した。公正取引委員会が告発した談合事件で、発注者の官側が逮捕されたのは初めて。
調べによると、内田副総裁は「技師長」を務めていた04年5月、業界の談合の仕切り役だった横河ブリッジ元顧問で公団元理事の神田創造(そうぞう)容疑者(70)=同法違反容疑で逮捕=から依頼を受け、公団静岡建設局が約98億円で一括発注を決めていた「第2東名高速道路富士高架橋工事」の分割発注を指示。受注できるメーカーを3社から5社に増やし、(1)神田元理事の受注調整の手助けをした(2)公団に諸経費など少なくとも約5千万円の余分な支払いをさせて同額の損害を与えた、とされる。神田元理事は調べに対し、副総裁への依頼を認めているという。
内田副総裁は当時、技師長として鋼鉄製橋梁工事全般を統括。神田元理事は公団本社で、内田副総裁と一対一で「たくさんの業者が工事を取れるよう分割してほしい」と依頼した。内田副総裁は、技術系の理事による会議の場で、技師長としての立場から分割発注を説明し、指示したとされる。
この結果、工事は7500トン(70億円)と3千トン(28億円)に分割され、7500トンの工事は04年8月24日に、いずれも談合組織に加盟する三菱重工業、日本橋梁、川鉄橋梁鉄構の共同企業体が落札。3千トンの工事は未発注だったという。
特捜部は、内田副総裁は橋の専門家で、神田元理事が中心となって談合が行われていることを知っていたうえ、分割すれば公団がどの程度損害を被るかも認識していたとみて調べている。
また、神田元理事による工事分割の依頼は、メーカー数は変わらないのに発注量が減っている業界事情を背景にしていたとみている。
内田副総裁は01年8月に理事、04年2月に理事・技師長となり、同年6月に副総裁に就任した。
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