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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050628-00000005-abc-l27
和歌山のヒ素混入カレー事件で、殺人などの罪に問われた林真須美被告の控訴審判決で、大阪高裁は一審どおり真須美被告に死刑を言い渡しました。
林真須美被告は、1998年7月、和歌山市園部で、夏祭りのカレー鍋に猛毒のヒ素を混入し4人を殺害したとして、2002年、一審の和歌山地裁で死刑判決を受けました。真須美被告は一審では、黙秘を貫きましたが、控訴審では、「私はやっていない」と証言し、自ら無実を訴えていました。きょうの判決で、白井万久裁判長は「控訴審での被告の供述は、全ての証拠と一審判決を見た上で作り出した弁解であり、到底信用できない」と判断しました。そして、「真須美被告がカレー鍋のそばで1人になる時間があった」と改めて認定し、「真須美被告の犯人性は、もはや疑いの余地はないほど確かなものだ」と断じた上で、一審の死刑判決は、重すぎるとはいえないとして真須美被告の控訴を棄却し、再び死刑を言い渡しました。判決の読み上げの間、真須美被告は、特に表情を変えることはありませんでしたが、退廷する時には笑顔も見せていました。
判決を受けて、この事件で亡くなった鳥居幸さんの母親・百合江さんは「(死刑という)判決を聞いて、まずほっとしている。どうにもならないことですけれど、やっぱり娘に帰ってきてほしい」と話しています。一方、真須美被告の弁護団は「結論先にありきで冷静さに欠けた判決だ」と批判し、上告しました。また、真須美被告の夫は、「主張が認められなくて本当に残念に思っています」とコメントを出しました。
一審では、完全黙秘を貫いた真須美被告ですが、控訴審では一転、延べ12時間に渡り、事件当日のことなどを詳細に語り、無実を訴えました。ところが、裁判長は、直接真須美被告の訴えを直接聞いた後でも、やはり、「真須美被告の供述は信用できない」と判断しました。
控訴審で、真須美被告は、事件当日は「娘とずっと一緒にいたので、カレー鍋のそばで1人になることはなく、ヒ素を入れる機会はなかった」と証言していました。これについて、裁判所は、「一緒にいたとする娘の証言は、母をかばいたいという一心のものだった」として、「真須美被告が1人でカレー鍋のそばにいたとする一審判決に間違いはない」としています。また、カレー事件以前の夫などに対するヒ素を使った殺人未遂事件についても、「これまで、誠実に真実を語ったことなど一度もなかった被告が、突然、真相を語り始めるなどは到底考えられない」と、真須美被告の供述の信用性については切り捨てています。真須美被告と同調する夫の証言についても、被告の内容に後から合わせたものと判断し、全く信用性を見出してはいません。
一審判決は、本人の自白や、犯行の目撃証言などが一切無いため、状況証拠を緻密に積み重ねた結果、「真須美被告以外に犯人はいない」としたもので、高裁は、この一審判決を高く評価して、間違いや補足すべきものはないときっぱり判断しています。
(朝日放送) - 6月28日19時42分更新