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2005.10.20
Web posted at: 12:04 JST
- CNN/AP
ワシントン――2001年2月に米ハワイ沖で愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が米原子力潜水艦「グリーンビル」に衝突され沈没した事故について、米国家運輸安全委員会(NTSB)は19日、事故調査報告書を公表し、原潜艦長の責任が大きかったとの見方を示した。
NTSBの報告書は、グリーンビルのスコット・ワドル艦長(当時)が、えひめ丸の洋上接近に気付かないまま緊急浮上を命令したことが、えひめ丸沈没の大きな原因だと結論を下した。報告書は、事故後の海軍査問会議の判断とほぼ同じ内容となった。
事故では高校生4人と教師2人、乗組員3人が死亡している。
報告書はさらに、グリーンビル乗務員同士の意思疎通が不十分だったことや、原潜に体験乗船中だった民間人16人が操艦作業の邪魔にならないよう対応することに乗務員の意識が向けられていたことなどが、事故の要因になったと指摘した。
海軍は、事故原因となった緊急浮上は体験乗船中の民間人のために行ったものと認めている。
報告書は事故当日の状況を細かに検証。体験乗船していた「賓客」16人の昼食が長引き、その日の予定が遅れ気味になったことから、ワドル艦長が午後の航行手順の進行を早めたと指摘し、「艦長は急ぎ続け、部下にも急ぐよう指示を重ね、安全航行のため推奨される手順を短縮して行っていた」と言及。特に、浮上予定海域の十分な確認作業を行ったことが重大なミスだったと指摘した。
NTSB報告書は一方で、このえひめ丸事故後、海軍が訓練手順などを適切に改良したことに言及。海軍は民間人が厳選体験乗船する際、立ち入り規制区域を厳格に定め、特にえひめ丸事故の際にあったような、民間人が航行中の発令所に入ったり、操艦中の乗務員に話しかけたりすることを禁止している。
報告書は「グリーンビル上には、操艦に支障を来すような状況が存在したことを認め、潜水艦における作業の安全性確保のため追加措置をとった」「さらなる対応の必要性は認められない」としている。
ワドル艦長は事故後に艦長を更迭されたが、海軍査問会議で軍法会議を免れ、文書譴責(けんせき)と減給処分を受けた後、中佐の階級のまま海軍を名誉除隊。02年12月に謝罪のため来日している。
米海軍は2003年1月、遺族や被害者らに1650万ドル(約19億6000万円)を支払うことで補償交渉を決着させた。
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200510200004.html