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野田聖子元郵政相 変節擁護する地元 自民王国は分裂
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051014-00000023-maip-pol
11日の衆院での採決を前に「賛成票を投じます」と話す野田聖子元郵政相=岐阜市の事務所で9日
小泉純一郎首相が改革の本丸と位置づける郵政民営化法案に反対し、先の衆院選で「ゆるがぬ信念」をキャッチフレーズに当選した野田聖子元郵政相。その後、一転して衆院で法案賛成票を投じた。「造反」と「刺客」の戦場となった地元の今を探った。【根本太一】
野田氏と佐藤ゆかり氏が火花を散らした「岐阜1区」(岐阜市)の旧中山道に面した野田氏の事務所。自民党結党50年をうたう最新のポスターが2枚張ってある。
「信念を貫いても、郵政民営化法案成立の流れは変わらない。それよりも自民党議員でいれば、民営化する上での諸問題が是正できる」。自民党岐阜市連の野々村政俊事務局長が、野田氏の変節をそう擁護した。
しかし、事務所内を仕切る薄板の向こうから「ええ、確かに(民営化法案に)反対と言って当選させていただきましたが……」と、支持者からの抗議電話に弁明する職員の声が聞こえた。
野田氏の選挙区ではない岐阜市近郊で、祖父の代からの自民党員である特定郵便局長。ここの選挙区の自民党候補は郵政民営化賛成派のため投票用紙を白紙のまま出し、比例代表では新党日本に投票したという。
「元々は官に出来ず民に委託したのが特定局の始まり。今は公務員で世襲批判はあるが、高齢者の家を訪れ民生委員の代わりもしている。なのに悪者扱いだ」。そして言い切った。「賛成に回った政治家の心は理解できない」
選挙では佐藤氏が「自民党公認」、野田氏は「自民党県連公認」。岐阜経済の落ち込みは激しく、かつて8500億円を超えていた県の一般会計当初予算は今年度約7501億円。うち県税収入は27%の2020億円に過ぎない。自民党の渡辺信行県議は「落下傘で来た人が、地方の悲鳴を国政に反映してくれるのだろうか」と話す。ある公明党県議も言う。「義理人情が厚い岐阜で、個人的魅力もある野田さんへの支持者は創価学会員にも多い」。そのはざまで公明党はいずれの候補も推薦しなかった。
野田氏は約96000票を獲得して前回03年選挙を4000票ほど上積みした。佐藤氏も81000票余を獲得。「自民王国は崩れなかったが、分裂した」(公明党県議)状況が続く。
造反組に対して小泉首相は党公認候補への「選挙妨害」を理由に処分を下す方針だ。県連は、造反組で当選した古屋圭司会長(岐阜5区)と幹部4人が辞任し恭順の意思を示したが、佐藤氏は自民党の武部勤幹事長に「厳しい処分」を要求している。
処分の行方をにらんで、野田氏は11月23日に予定していた「自民党岐阜市連会長」名の政治資金集めパーティーを延期した。県連の小野木節事務局長は「混乱を早急に収拾したい」と言うが、「佐藤さんの顔など見たくもない」(自民党県議)との声も出るほど、党中央と地方との亀裂は深まる。「聖子さんが除名されたら自民党員は減る」との悲壮感も漂う。
(毎日新聞) - 10月14日17時21分更新