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10/12 18:32 米保守派、政権から離反 最高裁人事に批判噴出
ブッシュ米大統領が指名した連邦最高裁判事の人事をめぐり、大
統領の支持基盤である共和党保守派各派が「裏切り」「大災難」と
反発する異変が起きている。「大きな政府」型の支出、イラク復興
の泥沼化など保守派がブッシュ政権に抱いてきた疑問や懸念と重ね
合わせて、容赦ない政権批判を展開。ブッシュ政権発足以来初の保
守派の離反といえる。
▽目的は右旋回
「あなたは今も保守派なのか」。四日のホワイトハウスでの大統
領記者会見で、こんな質問が飛び出した。保守派から総すかんの判
事指名で大統領は果たして「保守」かどうかも問われるという、最
近まで考えられなかった質問だ。「大統領は一体何を考えているの
か」といった同派の嘆きもメディアで伝えられる。
大統領は三日に、引退するオコーナー最高裁判事の交代に同じ女
性のマイアーズ大統領法律顧問を指名してから、保守派の主流三派
から激しい批判を浴びている。
まず、キリスト教右派は、マイアーズ氏が中絶絶対反対を明確に
掲げず中道寄りであるとして「疑問が消えない」(ブラウンバック
上院議員)と不満の声。同派上院議員らは指名承認に反対票を投じ
る可能性を示した。
人種差別禁止から安楽死の是非、さらに二〇〇〇年の大統領選で
事実上勝敗を決した判決まで、最高裁は米国の方向性を決める力を
持つ。宗教右派にすれば、これまでの大統領支援の目的は最高裁の
右旋回実現に尽きるのだ。
▽おもねる行為
ネオコン(新保守主義者)ら東部知識人も「本人が指名辞退を」
(評論家クリストル氏)と厳しい。企業弁護士の経歴が長く大統領
の法務秘書的な存在のマイアーズ氏には、生命倫理、言論の自由、
宗教と教育など「高度な知性」が必要な憲法問題をこなす力量がな
いとの理由からだ。評論家のウイル氏は「全米の法律家の上位一万
人にも入らない」と手厳しい。
緊縮財政派はイラク戦争、ハリケーン復興などの「大きな政府」
型の巨額支出を嫌ってきたが、今回の指名は「保守」の原点を忘れ
、民主党におもねる大統領の象徴的な行為とみる。ばらまき支出な
ど、政権はますます野放図になると懸念を強める。
▽一層の弱体化
縁故主義への批判も強い。大統領の有名な演説「悪の枢軸」の起
草者で元スピーチライターのフラム氏は、側近のマイアーズ氏の登
用を、経験がない友人を連邦緊急事態管理局(FEMA)のトップ
に充てハリケーン対策で失敗した人事と「まさに同じ」と指摘した
。
大統領にすれば、保守色が薄いマイアーズ氏の指名で議会の承認
審議を乗り切りたいとの思惑だったが、裏目に出た。ホワイトハウ
スは一連の批判に「エリート主義、女性蔑視(べっし)のにおいが
する批判」と反発。だが、議会審議では民主党も政権をたたく目的
で縁故主義に反対するとみられ、大統領の一層の弱体化が進みそう
だ。(ワシントン共同=杉田弘毅)
20051012 1831
[2005-10-12-18:32]