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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050905i505.htm
【ヒューストン(米テキサス州)=笹沢教一】米テキサス州ヒューストンの施設、アストロドームには、超大型ハリケーン「カトリーナ」の被害にあったルイジアナ州ニューオーリンズからの2万5000人を超す被災者が一時避難している。
うだるような暑さが連日続く中、シャワーも満足に浴びることができない状況下で高齢者に死亡者が相次ぐなど、避難民たちの不満はピークに達している。ドーム周辺では、被災者を名乗る一群が通行する車に物資を要求するなど、一帯の治安悪化も次第に懸念され始めた。
ドーム入り口には、物資や水を運び込む車両や被災者、ボランティアなどの人々が列をなしている。中に入ろうとすると、いきなり警察官に制止された。無許可で立ち入った少年が拘束され、両側から警察官に抱えられて、外へ引きずり出されるところだ。
手首に許可証代わりのリストバンドを付けた被災者やボランティアだけが立ち入りを許されるが、周辺には、被災者かどうか判別しがたい黒人たちが多数集まり、混乱を広げている。近くの道路まで出ていって、物資をねだる一団もいる。
男友達や家族など26人でニューオーリンズからバスに乗って避難してきたダニエル・ヘンディさん(28)は避難の途中で母親を見失った。「最後に見かけたのは、避難所の一つのコンベンションセンター。生きているはずだが、確認が取れない」と当惑気味に語る。ドーム内施設のパソコンを使ってインターネット上の掲示板に告知を出したが、返事は得られていない。
ドーム奥の掲示板には、人捜しのビラが無数にはり付けられているほか、人名を書いたプラカードを掲げてドーム内を歩くボランティアの姿もある。テキサス州はヒューストン市内の民家やホテルなどに約23万人の被災者を受け入れており、人捜しは容易ではない。
「コンベンションセンターの設備は悪く、子供たちが飢えやのどの乾きを訴えていた」とダニエルさん。避難所によって、待遇にも開きが出始めている。「ルイジアナの競技場にいた時は、食べ物がなく死ぬかと思った」と家族4人で避難してきた主婦、カレン・ヒューバートさん(30)は話した。
ロイター通信は、地元当局の話として、ヒューストンに避難してきた被災者がすでに10人死亡したと伝えている。いずれも50歳以上。アストロドームでも3日夜に70歳の老人男性が衰弱死したばかりだ。子供の感染症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の指摘もある。
地元当局者は、「いつまでもここに住まわせるわけにいかない。どれだけ受け入れられるか、避難住宅建設の検討も始めなければ……」と話している。
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「アストロドーム」に避難した被災者たち。照明に照らされ、簡易ベッドで眠る=笹沢教一撮影