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英21日テロ 実行4人全員逮捕 東アフリカ系「なぜ」
ソマリア・エリトリア・エチオピア…紛争地出身
【ロンドン=蔭山実】ロンドンで二十一日に起きた同時テロで二十九日、新たに三人が逮捕され、実行犯四人全員が拘束された結果、四人とも東アフリカ系英国人だったことが次第にはっきりしてきた。中部リーズを拠点に七日の同時爆破テロを実行した組織と関係を持つ別のグループが存在していたとの見方も出ている。彼らを凶行に走らせたのは何か−。
ロンドン警視庁は二十九日夜に記者会見し、ロンドン西部ノッティングヒルでムクタル・サイード・イブラヒム容疑者(27)と年齢不詳のラムジー・モハメド容疑者の二人を逮捕したと発表した。
一方、ローマでは同日にイタリア捜査当局の協力を得て、フセイン・オスマン容疑者を拘束したことも明らかにした。
二十七日には英中西部バーミンガム周辺でヤシン・ハッサン・オマール容疑者(24)が逮捕されており、これで監視カメラ映像から特定した実行犯四人は全員、捕まった。
イブラヒム容疑者はロンドン東部ハックニーでのバス爆破を実行、モハメド容疑者はオーバル駅付近、オスマン容疑者はシェパーズブッシュ駅付近、オマール容疑者はウォレンストリート駅付近での地下鉄爆破をそれぞれ実行したとされる。
テロ現場の遺留品からロンドン北部のニューサウスゲートにある実行犯らの拠点が割り出され、オマール容疑者が逮捕され、同容疑者の供述から残る実行犯三人の所在が突き止められたようだ。
一方、イタリアでの捜査ではオスマン容疑者の携帯電話記録を追跡、パリ、ミラノ経由でローマ郊外の自宅に逃げ込んだことをつかんだという。
実行犯四人のうちイブラヒム容疑者は、東アフリカのエリトリアの出身で十三年前に家族とともに難民として英国に渡って、二〇〇三年に英国籍と英国旅券を取得した。
オマール容疑者も、同じ東アフリカにあるソマリアの出身で、十二年前に、親類と一緒に難民として英国に入国しており、イブラヒム容疑者とは同居していたという。
オマール容疑者は永住権を得る一方、六年前にニューサウスゲートの拠点を借りて以降、計二万四千ポンドの住宅手当を受け取っていたという。
残る二人の国籍は今一つ不明ながら、オスマン容疑者はやはり東アフリカのエチオピア出身の英国人とされ、モハメド容疑者も東アフリカ出身ではないかとみられる。
ソマリアもエリトリアもエチオピアも、「アフリカの角」と呼ばれ、内戦や紛争が頻発してきた一帯に位置している。
ソマリアはイスラム教を国教としており、一九九〇年代に内戦が激化。今も武装勢力が跋扈(ばっこ)して暫定政府は国土の一部しか支配できていない。
こうした中、二〇〇二年にケニアで起きたイスラエル人に対する同時テロでは、国際テロ組織、アルカーイダと関係があるとされるソマリアのイスラム原理主義組織、「アル・イッティハード・アル・イスラミ」(AIAI)が関与した可能性も指摘されている。
エリトリア、エチオピアともイスラム教徒が人口の半数を占め、両国の国境紛争は二〇〇〇年に停戦を迎えたばかりだ。
英国はこうした内戦や紛争に伴う難民を受け入れ生活も支援してきた。難民の大半は英社会の底辺に生きることになり、その不満が過激思想に結びついた可能性もある。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/31int001.htm