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□味伴わない多店舗展開は致命傷 [夕刊フジ]
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/ramen.html?d=20fuji58263&cat=7&typ=t
味伴わない多店舗展開は致命傷 (夕刊フジ)
「繁盛店」としてマスコミにも頻繁に取り上げられたラーメン店『古武士』が破産した。多店舗展開で資金繰りが悪化したのが原因という。“ラーメンバブル”が弾けたとされる一方、低価格チェーン店の躍進は著しい。行列店『青葉』の店長拉致事件も起き、大揺れの業界はどこへ向かうのか。
古武士を運営する『有限会社エヌ・エー・ティー』は平成13年1月に設立され、1号店は同年末にオープン。だが、3年半で、負債約2億円を抱え、倒産した。
「最初は東京・新宿の厚生年金会館付近にオープンし、歌舞伎町や渋谷にも展開。本店も激戦地の高田馬場に移し、一時は仙台のラーメン集合施設『ラーメン国技場』にも出店していた。煮干や鰹節など魚介ダシを使ったスープで、人気だった」(関係者)
店主の阿部文義氏は、フレンチのシェフ歴30年を経ての転身だったことが話題になり、タウン誌にも取り上げられ、人気店でスタートした。
だが、店は4月末ごろまでに次々と閉鎖されたようだ。
阿部氏の弁護士は「依頼を受けた時点で資金繰りに行き詰っていた。それ以上の背景は守秘義務もあって言えません」というが、取引先で開業支援した製麺業『大成食品』の鳥居憲夫社長(58)は「詳しいことは分かりませんが、古武士さんには『5店が限界だ』とアドバイスしたことはあります」と話す。
ラーメン店のオヤジといえば、スープ開発のため、素材を試行錯誤し、「これだ!」と言える独自の味を開発し、開店後も早朝の仕込み時から寸胴につきっきり…というイメージがある。多店舗展開が致命傷となってしまったのか。
ラーメン総合研究所の武内伸氏は「ラーメン評論家仲間の大崎裕史氏から古武士の評判を聞き、オープン後、しばらくして訪ねたが、期待外れでした」と証言する。
その大崎氏は「店が増えるにつれ、『おかしいな』となってしまった。失敗の原因は、店舗展開に味が伴わなかったせいでしょう」と話す。
やはり多店舗で“ご当人ラーメン”の味を維持するのは無理なのか。
大崎氏が「そうは思いません。(拉致事件の被害者となった)『青葉』や『一風堂』など10店20店と展開しながら、どの店も繁盛している。なぜ、古武士が人を育てる前に多店舗展開を急いだのかは分かりませんが、最初の味のまま広げることができたら成功していた」と話せば、武内氏も「同業者の多店舗成功例を見聞きして勘違いする例も多いと聞く。広げるなら、経営者として企業戦略を持つべき。中途半端は失敗する」。
首都圏を中心に『日高屋』などを開店させ、すでに約140店舗を展開する上場会社『ハイデイ日高』は売り上げも伸びている。
こちらは、工場でスープなどを一括生産することで、味を均一化させているという。
同社の担当者は「社長が個人店の時代から、ファミレスの『スカイラーク』に刺激され、チェーン展開を思い描いていたようです。もともと低価格志向でした。そういう意味ではラーメン界は2極化しているのかもしれません」と話す。
こだわりの味と均一化…。業界は淘汰時代を迎えたようだが、大崎氏は「今後も新陳代謝は続きます。いい店は伸びてほしいし、努力がない店は退場していく。それだけです」と話している。
[ 2005年7月20日()18時0分 ]